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【4-2 (1)】消化器系 - 胃・小腸 解説

↑ 解剖学マガジン記事一覧(目次)

■ 第4章 消化器系 資料配付ページ(プリント・スライド)
<4-1 口腔・咽頭・食道>
【4-1 (1)】口腔・咽頭・食道 解説
【4-1(2)】口腔・咽頭・食道 一問一答
【4-1(3)】口腔・咽頭・食道 国試過去問
<4-2 胃・小腸>
【4-2(1)】胃・小腸 解説
【4-2(2)】胃・小腸 一問一答
【4-2(3)】胃・小腸 国試過去問
<4-3 大腸>
【4-3(1)】大腸 解説
【4-3(2)】大腸 一問一答
【4-3(3)】大腸 国試過去問
<4-4 肝臓・胆嚢・膵臓>
【4-4(1)】肝臓・胆嚢・膵臓 解説
【4-4(2)】肝臓・胆嚢・膵臓 一問一答
【4-4(3)】肝臓・胆嚢・膵臓 国試過去問

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− 学習のポイント −
1. 胃
入り口:噴門(T11左側)、出口:幽門(L1右側)
腹膜内臓器, 小弯、小網、大弯、大網、幽門括約筋
胃底腺:壁細胞(塩酸・内因子)、主細胞(ペプシノーゲン)、副細胞(粘液)
幽門腺の開口部付近:G細胞(ガストリンを内分泌)

2. 小腸
・十二指腸:
腹膜後臓器、主膵管と総胆管が合して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口、オッディ括約筋
・空腸・回腸
腹膜内臓器、輪状ヒダ、腸絨毛、微絨毛、中心リンパ管
輪状ヒダは小腸全域にあるが、空腸で最も発達。
孤立リンパ小節は小腸全域に、集合リンパ小節(パイエル板)は回腸に存在

▶ 腹部内臓の位置

この図は空腸・回腸と横行結腸を切り離し、胃の全体が見えるように肝臓を斜めに切断したものです。試験的にも、構造を理解する上でもまず抑えた方がいいポイントは噴門、幽門の場所です。

胃の入り口:噴門(T11左側)、出口:幽門(L1右側)
関連して、食道裂孔(T10)十二指腸空腸曲(L2左側)も一緒に覚えるのがおすすめです。

■ 1. 胃

消化器系-42-胃の構造-SQ図c

胃の容量は1〜1.5㍑。入り口:噴門(T11左側)、出口:幽門(L1右側)
胃底:胃の左側で噴門より上の部分。横隔膜に接しています。
胃体:胃の中央部
幽門部:幽門洞と 幽門管からなります。幽門洞は幽門管の前方で膨隆する部分。 幽門管は幽門の手前3cm ほどの管状部分。
小弯:胃の内側縁。肝臓側の小さなカーブ。
 - 角切痕:小弯側で胃体と幽門部の結合部、急激に角度が変化する部位。
大弯:胃の外側縁。大きなカーブ。

▶ 胃間膜

消化器系-43-胃の大弯と小弯、大網と小網-SQ図c

・胃は全面を腹膜で覆われる(腹膜内臓器
・胃の前後の腹膜は合して小網、大網となります。(胃間膜
小網:胃の小弯と十二指腸上部から肝臓下面に続きます。
大網:胃の大弯から下方へエプロンのように腸の前に垂れ下がります。

大網の様子

消化器系-42-大網-SQ図c

大網は移動性が豊かで、炎症の原因となる個所を包んで腹腔内全体への波及を防いでいます。

▶ 胃の筋層

消化器系-42-胃の筋層は3層-SQ図c

胃の筋層は互いに走行が異なる3層の平滑筋から構成され、内層は斜線維中層は輪走筋外層は縦走筋からなります。
・幽門では輪走筋が発達し幽門括約筋となります。

※ 噴門にはとくに括約筋はみられないが、斜線維が噴門口を左側からU状にとりかこみ、逆流防止に働いています。

▶ 胃の粘膜

消化器系-42-胃粘膜-SQ図c

・胃の内面は多数の胃粘膜ヒダがあります。
・粘膜表面を拡大してみると、数mmの隆起が無数にみられます。これを胃小区といい、その表面には胃腺の開口部である胃小窩が開いています。

▶ 胃腺

消化器系-42-胃腺-SQ図c

・胃腺には噴門腺、胃底腺(固有胃腺)、幽門腺の3種があり、噴門腺と幽門腺は粘液腺。
・胃底腺は蛋白分解酵素(ペプシン)を含む酸性の胃液を分泌します。

※ 幽門腺の開口部付近には、G細胞と呼ばれる内分泌細胞が存在し、ガストリンを分泌。ガストリンは血液を介して壁細胞に作用して胃酸の分泌を促進させます。

G細胞は幽門腺開口部付近にありますが、ガストリンはホルモンなので、幽門腺の粘液に混じってでてくるわけではありません。注意!

■ 2. 小腸(十二指腸・空腸・回腸)

小腸の表-

▶① 十二指腸

消化器系-42-十二指腸-SQ図c

・十二指腸は長さ約25cm。
・十二指腸、膵臓、腎臓、副腎は腹膜後器官
(セットで覚える)
・上部・下行部・水平部・上行部の4部に分けられ、C字型に膵頭を取り囲みます。

消化器系-42-十二指腸と膵臓-SQ図c

主膵管総胆管が合わさり、十二指腸下行部の大十二指腸乳頭ファーター乳頭)に開口。
・開口部付近にオッディ括約筋があり、胆汁や膵液の分泌調節を行なっています。
・コレシストキニンの作用でオッディ括約筋が弛緩し、胆嚢が収縮することにより胆汁が十二指腸に放出されます。

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