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おなじみの味も、初めての味もきっと自分だけの「想い出」になる。(『おいしい旅 想い出編』*アンソロジー)

角川文庫のアンソロジー『おいしい旅 想い出編』を読みました!半年ほど前に同シリーズの「初めて編」を読んで面白かったので、「想い出編」もいつか合わせて読んでみたいと思っていました。

昔住んでいた場所や旅先で食べた物には、人それぞれの「想い出」が詰まっています。その想い出には楽しかった出来事もあれば、今でも思い出すだけで切なくなる出来事だってあります。

でもどんな感情で食べた料理も普段とは違う場所で食べれば、自分だけの「想い出の味」として心に沁みつくのは確かなのだと思います。作中に登場する料理・味から、人々の喜怒哀楽が感じられたアンソロジーでした。

作中で登場した場所の中には、以前とは別の街のようだと描かれていた場所もありました。現在の街の風景は変わったとしても、じっくり散策してみれば昔好きだった味と再会することができるかもしれません。

また、年々変わっていく街だからこそ、あの時には出会えなかった新しい味と出会える楽しみもあるのかなと読んでいて感じました。福田和代さんの作品の神戸とか、矢崎存美さんの作品の赤羽とかまさにそのような雰囲気でしたね。

私たちと同じように日々変化していく各地の街。近年生まれた新しい味に出会うのも充分楽しいですが(時には流行でその時にしか味わえないものもありますよね)、昔からその街で愛されている味もいつまでも残り続けてほしいと思いました。

旅がテーマのアンソロジーなので、もちろん読むといろいろな場所に行ってみたくなります。異国の文化と至福のスイーツ満載の神戸には凄く興味を持ったし、横浜や京都も行ったことはありますが、前行った時とは雰囲気がまた変わったところもあるのかなと改めて行ってみたくなりました。

ちなみに大崎梢さんの作品で触れていた横浜のエアキャビン、私も乗ったことあります。街中に海の上を渡るロープウェイがあったのに驚いた思い出。珍しい体験はできますが、ひとり旅で乗るのはあまりおすすめしないです。(景色は綺麗だよ)

わくわくがいっぱいの「初めて編」とは違った旅と食の面白さが味わえる「想い出編」。私も自分だけの「想い出の味」をたくさん見つけていきたくなった1冊でした!

*初めて編の感想はこちら

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