【詩】ガラスバラバラ言葉ボトボト
その窓は、ある言葉を伝えれば、一瞬でバラバラになる、そうシゲルの元にも伝わってきた
その言葉とは?それは、わからない
窓は外の上空に浮かび、風船が繋がっている
風船に弓を放てば、風船は破裂して、窓は落っこちるだろう
だから、弓道部のシゲルは、その窓が発見されてから、俺こそが風船を破裂させるぞと、学校の放課後を待っていた
授業が終わり
シゲルは走った
風船の居場所へ
窓の居場所へ
そして、弓を放った
弓矢は、窓に当たった
窓はびくともしなかった
その代わりに、窓は、世界に、大量の言葉を落とした
「もういいかい」
「まあだだよ」
これを、5億個落とした
かくれんぼの言葉だ
世界には、隠れている秘密が、まだ、5億個ある
科学やら、考古学やら、心理学やら
その言葉が、地面を弾み続け、世の中は「もういいかい」「まあだだよ」が鳴り響くようになった
シゲルは、中学生で、知らない事がまだ多すぎた
だから、隠れている秘密が5億個という数に、そんなに多いのかと驚いたが、それでも、自分には無関係だと思った
どっちにしろ、何にも、知らないんだから
シゲルの好きだったミユコ
ミユコの気持ちも、その5億個の中に入るのかな
そういった内容のラブレターLINEを送ったら、気持ち悪いんだよって内容の、マイナーな漫画のキャラクターのスタンプが返ってきた
シゲルは、なんでそんな漫画読んでんだよと思いながら、そういう漫画が好きなミユコの事も好きだった
なんで、そんな変な所も、好きになるんだろう
中学生のシゲルには、よくわかっていなかった
大学生にもなると、なんとなくわかるのにね
5億個の数は、その頃には、減っているのかな
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