最近の記事

今年もいざ参らん。

※盛大にネタバレを含むのでこれから鑑賞予定の方は要注意。 ・正直自分の中で前作があまりにも良すぎて、今作に関しては予告もチラッとしか見ず前情報ほぼ無しで行ったから、ここまでキッドの素性に触れるとは思ってなかった。しかしまあ従兄弟にしたって似過ぎである。 ・去年がガチガチにシリアス路線だった反動からか、めちゃくちゃ振り切ってラブコメ&ギャグに走ってる。真昼間から函館の街中でドンパチやるわ、ヘリから閃光弾投下するわ、セスナの上で決闘始めるわ、蘭は手刀で平次の告白の邪魔者落とす

    • 10年ぶりの魔法界

      オープン後しばらくはごった返すだろうし、家から然程遠くないからいつでも行けるだろう、と先送りにしていたワーナーブラザーススタジオツアー東京へ満を持して行ってきた。 きっかけは昨年末、ハリポタ仕様にデコレーションされた西武線の車体を目の当たりにした夫が「行ってみたい」と提案してくれた事。刊行当時から大が付く程のハリポタファンで、人生で初めてロンドンを訪れたのは7月31日(ハリーの誕生日)(完全なる偶然とスケジュールの都合)というのが自慢の私と、小説・映画共に全作履修済みの夫。

      • 椅子とめぐる20世紀のデザイン展

        面白そうだなと思った時に録画している『新美の巨人たち』のイームズ回を見た。インダストリアルデザインにはこれまで全く触れてこなかったけれど、建築も然り造形に興味が湧いてきた今日この頃。立体の美、特に人間のために存在する建築と工業製品においては絶対的に安全性と機能性が求められる上で、デザイン性を確立するという難しさがとても心をくすぐられる。 トップバッターはなんとガウディ。約10年前、スペインはバルセロナを訪れた時にカサ・バトリョを見学して、その建築は勿論、調度品一つ一つにも生

        • さんかく

          ※ネタバレを含むので未読の方はご注意。 今年一発目の千早茜さん。やっぱりこの方の作品好きだわあ。皆どこか狡くて、どこか寂しい。恋愛はもういいと言いながらかつての不倫相手との関係を断ち切れなかったり、自分より若い男に受け入れられたいと思ってしまう夕香。華を普通じゃないと言いながら、自分も夕香との同居を普通じゃないと思っていたからこそ言えなかった正和。恋愛よりも仕事を最優先にするけれど、恋人という存在は欲する華。「誰かに必要とされたい」という呪いにも近い願いから三者それぞれが新

        今年もいざ参らん。

          印象派 モネからアメリカへ

          毎度おなじみ東京都美術館で開催されている印象派展へ。まさかの現金を持参するのを忘れて音声ガイドを借りられないという大失態。最近は音声ガイド付きのチケットを購入する事が多いから完全に忘れていた。 アメリカの印象派画家の知識は正直全く無いに等しくて、メアリー・カサットやチャイルド・ハッサムの名前を聞いた事がある程度だったので、いつも観に行く印象派展とはまた異なる新鮮な感覚だった。その上で、やっぱり私はフランスの印象派画家が好きだなと。勿論、アメリカの画家の作品やアメリカの風景も

          印象派 モネからアメリカへ

          【読書録】汚れた手をそこで拭かない

          ※ネタバレを含むので未読の方はご注意。 イヤミス、とまではいかないけれどどれも居心地の悪さから始まる話ばかり。私が特に心に残ったのは『忘却』という老夫婦の話。隣人の死は自らの責任なのではないか、軽度認知症の妻がいつかそれを思い出してしまうのではないか、と毎日自責の念に駆られていた夫がふとした事がきっかけで隣人の死の真相に行き着く。親切な良き隣人の素顔に触れた時、夫が思う事。そして最後の妻の「何か忘れていることがなかったかしら」という台詞。人間は自分の罪を都合良く忘れられる生

          【読書録】汚れた手をそこで拭かない

          【展示録】和食展

          以前からずっと行ってみたかった国立科学博物館で和食展なるものをやっているのを知り、慌ててチケットを取った。そんな面白そうな展示、行くしかないでしょう。 外国人が「和食」と言われてまず思い浮かべるのは寿司・天ぷら・すき焼き等だろうけど、案外そういったTHE和食が日本の一般家庭の食卓に並ぶ事って少ない。名もなき炒め物や乾燥わかめのお味噌汁だって立派な和食。そんな和食のそもそもの起源から学べるとても興味深いエキシビジョンだった。 去年の朝ドラ『らんまん』にどっぷりハマっていたせ

          【展示録】和食展

          【読書録】火影に咲く

          ※ネタバレを含むので未読の方はご注意。 人生初の時代小説。というのも、学生時代に歴史を大の苦手としていた私がここ数年でまさかの大河ドラマにハマったのがきっかけ。吉沢亮ならまあ見てみるか、という軽い気持ちで見始めた『青天を衝け』にどハマりし、翌年の『鎌倉殿の13人』で三谷幸喜に地獄を見せられ(めちゃくちゃ良い意味で)、昨年の『どうする家康』で誰もが知る史実がもしこうだったら?とフィクションで描かれる事の面白さを痛感。今年の『光る君へ』も全く馴染みの無い平安時代が舞台だけれど、

          【読書録】火影に咲く

          2024年の目標

          遅くとも1月中には掲げるもんやろ、と思うけれどその辺りはご愛嬌。他愛もない事からしっかり心に刻まないといけない事まで、大小10個の目標。 ①旅行を思い切り楽しむ 既に一度京都へ行っているけれど、可能なら紅葉の時期にもう一度圓光寺さんを訪れたい。あとはもう1つとても楽しみな旅の予定があるので、目下そこに向けて計画中。死ぬまでに行きたい所リストの1つをクリアしますよ。 ②気になっているお寿司屋さんへ行く 数年前から気になってる近所のお寿司屋さん、今年こそお邪魔するぞ…!

          2024年の目標

          【旅行記】2024京都 後厄編

          1991年生まれ、33歳、後厄。今年も行って参りました京都。冬の京都は勿論寒いのだけれど何分去年の大雪を経験しているので、伊丹空港からバスで京都駅前に着いた時は「暖か!」と思えてしまう程だった。 新幹線で先に到着していた母と合流し、バスの運転手さんにチャイニーズもしくはコリアンと間違えられながらも(今回の旅は本当によく間違えられた)、カフェでブランチしたり、壬生寺で新撰組の歴史に触れたり、お香やお漬物を買ったり、安定の観光。三条商店街を烏丸方面へ歩いている時に見つけた居酒屋

          【旅行記】2024京都 後厄編

          2023

          新年早々コロナに感染して本厄のエグさを痛感した今年も残り僅か。幸いコロナに関しては超軽症だったし、それ以降も私自身が大きな病気や怪我やトラブルに見舞われる事は無かったけれど、身近な人のトラブルをリカバリーする事がすこぶる多かった。特に仕事に関しては夏以降の忙しさが尋常じゃなくて、半ばヤケになりながら勃発するアクシデントを引き受けていた気がする。この1年を乗り越えた自分には堂々と拍手を送りたい。 仕事に忙殺されながらも家事は程々に頑張り、美術館や映画館へ沢山足を運び、夏の終わ

          君たちはどう生きるか

          一晩経っても悶々と自分の中で渦巻いているので、一旦この感情を書き留めてみる。 公開当日、ジブリの公式Twitterで主題歌を米津さんが手掛けた事を知る。これは素直に驚いた。今まで主題歌でこれ程までにキャッチーなアーティストを起用した覚えが無かったし、まるで某監督に対抗するかのようなチョイスなのも意外だった。 そして同じく公開当日、木村さんがインスタで公開初日を祝う投稿をしているのを見て「これ、もしや出てる……?」と変な汗をかく。劇場でハウルの声を聴いた瞬間、恋に落ちた人間

          君たちはどう生きるか

          パリタクシー

          ※ネタバレを含むので要注意。 家族を養っていけるか日々不安を抱えながら困窮した生活を送るタクシー運転手のシャルルと、高齢を理由に一人暮らしを危惧されて嫌々ながらも老人ホームへ入所する為に自宅からの送迎を依頼したマドレーヌ。パリの思い出の地を巡りながら後部座席で自分の若かりし頃の経験を語るマドレーヌに、最初は面倒臭がりながらも徐々に彼女の送ってきた平穏とは言えない人生と彼女の人間性に惹かれていくシャルル。92歳のマドレーヌと孫程の歳が離れた46歳のシャルルが、友情とも恋愛とも

          パリタクシー

          名探偵コナン 黒鉄の魚影

          ※映画、既刊単行本のネタバレを含むので未見の方はご注意。 色々な感情が爆発してるのでとりあえずつらつらと箇条書き。 ・のっけからキールがドイツ語を話すので「お?」となる。 ・ベルモットが着目したネットニュースはパシフィックブイではなく、その斜め下のフサエブランドのニュースだったって訳ね…。 ・哀ちゃんの善処を見ていた園子と蘭が良き。最近の映画制作陣は園子×哀ちゃんコンビ好きよね。 ・自分の使ってるイヤホンをそのままコナンの耳に入れる哀ちゃん。これなかなかハードル高く

          名探偵コナン 黒鉄の魚影

          メグレと若い女の死

          ※ネタバレを含むので鑑賞予定の方はご注意。 恥ずかしながらホームズ以外の海外ミステリーは通らずに生きてきた30数年。ジュール・メグレに関しても「目暮警部の名前の由来」という情報しか持ち合わせていなかった。そんなメグレ警視、初っ端から大好きなパイプのドクターストップを喰らって切なげ。相棒の若手刑事のパイプの吸い方にいちゃもん付けては気を紛らわす。捜査開始から解決までは同じ酒しか飲まないというポリシーも粋。好きだわこのおじさん。 ミステリーとしては決して気を衒うものではなく、

          メグレと若い女の死

          赦し

          ※ネタバレを含むので鑑賞予定の方はご注意。 まあショッキングな理由っていうのは予想通り「いじめ」なんですけどね。いい加減この表現どうにかならないものかね。『MIU404』で桔梗さんも苦言を呈していたように、内容としては名誉毀損・器物破損・窃盗・脅迫・傷害等でそれぞれ刑法で罰せられる行為なのだから、加害者を自覚させる為にも曖昧な表現は避けるべきじゃないのか。(「性的いたずら」も同様。) そんな加害行為の「加害者」である娘の恵未が、「被害者」である夏奈に殺された事により殺人の

          赦し