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オランダ・フランス旅行記2024②

2日目はアムスを離れて、オッテルローにあるクレラー・ミュラー美術館へ。

早朝に中央駅のAlbert Heijinアルバートハイン(オランダの主要スーパー)で買ったチーズ入りレーズンパン、冒険心で買ってみたけど意外や意外、美味しかった。やっぱりそこはオランダ、チーズがちゃんと美味しい。レーズンの甘みとチーズの塩っ気の相性が抜群だった。絶対日本ではどこのパン屋もやらないだろうから、今度自分で揃えて試してみようかな。

クレラー・ミュラー美術館は数年前に上野の東京都美術館で行われたゴッホ展に数多くの作品を出展していて、ゴッホ作品の所蔵数はアムスのゴッホ美術館に次いで世界第2位という事で、いつかは行ってみたいと思ってた。アムスから電車とバスを数回乗り継ぎ、デ・ホーへ・フェルウェ国立公園というだだっ広い敷地の中にそびえるなかなかの難アクセスっぷり。公園周辺の地域も絵に描いたような田園風景で、バスの中からその姿を見かけた羊や牛や馬のおかげで家畜臭も相当なもの。そんなこんなでやっとこさ念願の美術館到着。

これはポール・シニャックの『2本の糸杉』なんだけど、あまりにも『君たちはどう生きるか』で眞人が降り立ったあの島すぎて思わず友達にも同意を求めてしまった。この後で知ったけど、ヨーロッパでは糸杉は死や喪の象徴とされていて、墓地に植えられる事が多いらしい。色々と辻褄が合いすぎるわ。

夜のプロヴァンスの田舎道
夜のカフェテラス

ゴッホはオランダ、パリ、アルル、サン・レミ、オーヴェル・シュル・オワーズと移り住む中で、その土地ごとに作風や雰囲気がガラリと変わるのがとてもわかりやすくて、そこが面白さの一つでもあると私は思ってる。自分の耳(の一部)を切り落として娼婦に送ったり、最期は拳銃自殺を遂げた事もあってクレイジーなイメージが拭いきれないけど、作品を見ていると兎に角生きるのが苦手で、それでももがきながら必死に描き続けることで懸命に生命を繋ぎ止めていた人なんだろうな、と勝手に想像してる。だからこそゴッホの作品の目の前に立つと、グッと身体の内側から見えない力で引き寄せられる感覚を覚える事が多い。不思議。

絵画も、絵画を眺める人も好き。

休憩で立ち寄ったミュージアムカフェで食べたスープが大袈裟だと思われるだろうけど過去一のレベルで美味しかった…!材料はおそらくとてもシンプルなんだろうけど、とにかく野菜の旨味が素晴らしい。季節メニューっぽいから次に行った時はもう無いかもしれないけど、レシピ教えてもらいたいぐらい絶品だった…。

美術館の敷地内には彫刻やオブジェ等も点在していて、山道を進みながら聞こえてくる鳥のさえずりはマジでヒーリングミュージックだった。ああいうYouTubeチャンネル絶対ある。行きは美術館までバスで来たけど、園内には無料貸出自転車が沢山あって美術館の前にも駐輪場があったので、せっかくだし自転車で入口まで戻る事に。オランダの自転車の多くはフットブレーキ(ペダルを後ろに回すと止まる仕組み)らしく、最初コツを掴むまではおっかなびっくりだったけど、この自転車がすごく漕ぎやすかったのと、最近自治体の体育館のトレーニングルームでひたすらエアロバイクを漕いでいたのが功を奏して、体力的には全く苦ではなかった。

日本以外で初めて自転車乗った。
野生味溢れる広大な敷地

友達は「動物いないかな〜」なんて言ってたけど、私はいつ鹿や猪に出くわしやしないかとヒヤヒヤしてた。リスやウサギレベルならまだしも獣は怖い。

無事入口まで辿り着き、ちょうどいいタイミングで駅へ戻るバスも来てそのままアムスへ帰還。中央駅に帰り着いて、駅の裏側に川を挟んだ向こう岸へ渡る船を発見。街中にある比較的小さい運河は船が通る時に跳ね橋で上げられるけど、大きい運河にタンカーが通る時はそうもいかないから橋を架けずに船で往来するんだそうな。皆自転車やバイクで乗り込んで行く。面白そうなので乗ってみる事に。(誰でも無料で乗れる。)


僅か3分足らずで到着。今までアムスには2回来た事があったけど、中央駅の裏の岸に渡るのはこれが初めて。

そこまで登る姿を想像したらシュール

中央駅側の岸に戻ったらちょうど見てみたかった駐輪場があったのでそこもチラッと覗き見。自転車大国で中央駅の前は常に自転車が群を成して置かれていたけれど、何年計画だったのか運河の地下に広大な駐輪場を作り上げたアムステルダム。デザイン性も素晴らしい。

ダム広場に向かう駅前通りのフライドポテト屋、勿論ほぼほぼ全員ツーリストだろうけど、ヨーロッパでこれだけ飲食店に人が並んでるの初めて見て仰天。いや、美味しいんだろうけど、芋だぜ…?

海外でお土産を買うのは専らスーパーなので、ダム広場の近くにあるAlbert Heijinの大型店へ。やっぱりスーパーと市場は格別テンションが上がる。

煎餅の種類が豊富なのにビックリ。
突然の大雨で雨宿り中のワンコ
翌朝の朝ごはん用にブリオッシュを買ったお店

ここのブリオッシュ美味しかったー!今までそこまで着目した事無かったけど、いいぞ、ブリオッシュ。

コーヒー豆を買ったお店

休日に自分で豆を挽いてコーヒーを淹れるようになってから、旅先でコーヒー豆を買うようになった。友達オススメのお店なので、飲むのが楽しみ。

この日の夕飯はアムスで大人気のピザ屋さんへ。予約枠はなんと年内全て埋まっていて、各日25%の当日枠に潜り込むしかないという競争率なんだけど、なんと滑り込みセーフで開店とほぼ同時に入店成功!厨房のイタリア人達の生地捌きをつまみにオレンジワインを飲みながら待っていると、いよいよご対面。

めっっっっっっっっっっっっちゃ美味しい!!!!!!!!!

こんなに美味しいピザ生まれて初めて食べた。一口目を口に入れた瞬間の感動が凄まじい。私が頼んだのはOro di Bufalaっていうやつで、イエロートマトのソース、バジル、ペコリーノ・ロマーノ、ブッファーラ(水牛のモッツァレラチーズ)が乗ったやつなんだけど、まーーーこのブッファーラの美味しい事。イエロートマトのソースも酸味が際立っててチーズとの相性抜群。友達が頼んだのはバジルソース、アンチョビ、ナス、ズッキーニ、クリームが乗ったやつで、これもとんでもなく美味しかった。ただ、こっちは1人1枚食べるのがベーシックってことで例に漏れず頼んでみたけど、やっぱりかなりお腹いっぱいになった。余裕があればティラミスも、なんて食べる前は思ってたけどそんな余裕どこにも無かったわ。

当日枠の待機列

ここはアムスに訪れたらまた是非行きたい。その時はもう少し大人数でシェアしたいな…。

腹ごなしに街歩き。

ノーリードで颯爽と橋を駆けてった犬たち。自由が過ぎる。鴨川デルタみたいに2本の河が交わる所にちょうどよくベンチがあったので、次の目的地のジャズバーでライブが始まる時間までゆったり。隣のベンチでラテン系のお兄ちゃんがめちゃくちゃ楽しそうに電話してた。

毎週金曜と土曜の夜にライブが行われるジャズバーで、かぶりつきの席を確保。この日はNatalio SuedとGuillermo Celanoという2人組で、後々調べたらSpotifyにも楽曲があった。ジャズはよく作業用に家で流したりしてるけど、実際にこんな間近で聴くのは初めてですごく楽しかった。生の音って良いなあ。最近ライブ自体全然行ってなかったし、東京でも良さげなジャズバー探してみようかしら。

3日目へ続く。