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10年ぶりの魔法界

オープン後しばらくはごった返すだろうし、家から然程遠くないからいつでも行けるだろう、と先送りにしていたワーナーブラザーススタジオツアー東京へ満を持して行ってきた。

きっかけは昨年末、ハリポタ仕様にデコレーションされた西武線の車体を目の当たりにした夫が「行ってみたい」と提案してくれた事。刊行当時から大が付く程のハリポタファンで、人生で初めてロンドンを訪れたのは7月31日(ハリーの誕生日)(完全なる偶然とスケジュールの都合)というのが自慢の私と、小説・映画共に全作履修済みの夫。勿論この界隈はエグい知識量の上級者がいるので大それた事は言えないけれど、すこぶる楽しめる事は間違いないだろうと確信していざ参戦。

前知識として、ロンドンのスタジオツアーで展示されている実際に映画で使用したセット及び小道具の『精巧なレプリカ』という事実はしっかり念頭に刻み込んでおく。衣裳に関してはシリーズにおいて沢山登場するのでその中から一点を抜粋して実物を展示、という事も可能だったようだけれど、基本的にはあくまで再現品。本国から拝借する事は流石に罷り通りませんからね。

その上で、実際に10年前ロンドンのスタジオツアーを訪れていた私は幾分か冷静に鑑賞出来たけれど、夫としてはやはり少し物足りない様子だった。「やっぱり実際に映画撮影で使われたものが見たいよね」との事。そりゃそうだよね。私も10年前は1人で大興奮していたもの。

東京のスタジオツアーの大根幹は「魔法界を体験してもらう事」であり、写真撮影スポットが実に充実しているのもその証拠。キングズ・クロス駅の9と3/4番線のプラットフォームへ入る場所を再現したフォトスポット(実際のキングズ・クロス駅にもある)が3ヶ所も設置されているのは流石に笑ってしまった。他にもみぞの鏡の前で撮影するための待機列が設けられていたり、魔法界にいる自分をSNSにアップする事こそがこのスタジオツアーの最大の楽しみ方なのだと、全体を通してよく理解出来た。

なのでSNSに自身の写真をアップする習慣の無い私や夫のような層は、割り切ってその雰囲気や空気感を楽しむのが吉。だっていくらレプリカと言ったってその再現度は凄まじいですからね。

グリフィンドールの談話室にて、ロンの愛読書である『マッドなマグル、マーチン・ミグズの冒険』を発見。そのそばに蜘蛛の標本を置いたのは恐らく双子のどちらか(又は両方)だと思われ。

スリザリンの談話室の壁の装飾がイカす。しかし暖炉の前のテーブルに胡桃と一緒に胡桃割り器が置いてあったけれど、あの子達手動で胡桃割るの?フリットウィック先生、家事呪文もしっかり教えてやって。

マリー・アントワネットも真っ青なボーバトンのロココ馬車。ショップの杖コーナーで実際に各キャラクターの杖を手に取る事が出来たんだけど、私の手に一番しっくりきたのはフラーの杖だった。確かフラーの祖母であるヴィーラの髪が入ってるんだっけ?反対に一番合わなかったのはベラの杖。あんな反り返った杖、ベラしか使いこなせんて。あと双子の杖が意外に似ても似つかなかったのが面白かった。

憂いの篩のアンプルが洒落てる。

図書室のコーナーも恐らく撮影スポットがメインで、何か物語に関連するタイトルは無いかとさながら隠れミッキーを探すかのように本を凝視している気持ちの悪い人間は私しか居なかった。

ランドのカリブの海賊のようなテンションで現れるアラゴグ爺さん。

5年前に新婚旅行でロンドンを訪れた際、一番最初に食べたものがフィッシュ&チップスだったのだけれど、そこでエラい目に遭った私達。兎角油を吸い過ぎた魚のギトギト具合に辟易してしまったのだけれど、今回一緒に提供してもらったモルトビネガーをかけて食べてみたらまあ美味しいのなんの。当時の写真を見返してみたらちゃんとテーブルの上にそれらしき調味料もあった。きっと店員さんはそれかけて食べろ的な説明をしてくれてたんだろうけど、私達の英語力では到底及ばなかったのだろうな。反省。旅の苦い思い出も塗り替えられたし、何よりこのモルトビネガーが本当に美味しいので是非手に入れたい。成城石井に売ってるらしいから今度行ってみよう。

展示を見ていたらスタッフのお姉さんが「これはキャスト達が実際に自分の演じているキャラクターになりきって直筆したものなんですよ」と教えてくれた。しかもこれに関しては映画の撮影で使用された紛れもない実物との事。中には実物もあるのね。

これもお姉さんが説明してくれて「ロンに大目玉を喰らわせている文章は筆体が荒いけど、ジニーがグリフィンドールに選ばれた事を祝う文面は文字が柔らかくなっている」との事。確かにー!これもロンドンでも見た事があったけれど、全然気付かなかった。お姉さん、話しかけてくれてありがとう。

撮影スポットをほぼ全てスルーした私達の足でも、途中のカフェでの休憩も含めてトータル4時間を要した。展示の至る所にベンチが設置されていたのも納得。今回特に面白いと感じたのは映画音楽と魔法動物のデザインのブースだった。魔法動物のブースではエディ・レッドメインがニフラーのテディと共に登場するのも一興。ロンドンには無いFBシリーズの展示が見られるのも東京ならでは。

あとは頼むからFBシリーズの製作続けてくださいよ、ワーナーさん!!!!!!