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蠍凛子
2019年9月16日 01:43
ある男は大きな袋を抱えていた。その優しそうな男は、いつもいつもキラキラとした「それ」を袋からとりだしては、街角に座り込んでいる人々に与えるのだった。その座り込んでいる者たちは、男からそれを受け取ると、嬉しそうにしていた。ある者はそれを自分のためだけに使い、ある者はそれを悪いことに使い、ある者はそれをまた別の者に分け与えたりしていた。ただ、男がそれを与えるときには皆笑顔になるのだった。毎
2019年9月15日 00:04
「光の中に何が見えるんだい?」男が聞いた。「たぶん、今は何も見えないよ。だって、眩しいんだもん。眩しくてつい目を瞑ってしまう。でも、キラキラとしているから、また光の中を見たいの。」そう言って、彼女は視力を失ってしまった。「でも、どうして君は笑顔なんだい?」彼女が視力を失った後、男が聞いた。「前は見えなかったものが、たくさん見えるようになったの。目で見えるものには限りがあった
2019年9月14日 02:36
壁が現れた。私の前に、突然壁が現れた。先程までは何もなかったはずであるが、いやはや不思議な事が起きたものだ。壁の両端を見ると、どこまでも続いていて、壁の端は見えず。ただ、天まで届くほど高いものでもなかった。どうやらこれを登り超えるしかないようだ。ただ、周りを見渡せど、周りには何も転がってはいない。当然ハシゴのようなものも転がっているはずはない。何しろ、あたり一面真っ白でデ