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「AYANOKOJI 」-コーデのワンポイントに、思わず目を引くがま口デザインの鞄「大玉ポシェット」

<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科2回生
鈴木 里菜

ちいさな和雑貨屋さんからはじまったお店

  実際に店舗に行ったり、インターネットの販売サイトを開いたりすると、いちばん最初に目に飛び込んでくる「がま口の専門店AYANOKOJI」の文字。がま口の専門店というインパクトに思わず目を奪われるが、じつはこのお店ははじまった当初からがま口専門店として経営していたわけではない。AYANOKOJIは、がま口財布や巾着、ポーチなどいわゆる「袋物」のほか土産物をつくっていた秀和株式会社が、2005年に和雑貨を取り扱うお店として京都の岡崎に実店舗をオープン。その後、オンラインショップを楽天市場に出店し、がま口を使った商品開発に注力したところ注目を浴びるようになった。2010年には「がま口の専門店AYANOKOJI」という名前にリニューアルし、祇園店をオープンした。ブレイクしたきっかけとしては、某テレビ番組で紹介されたことで注目が集まったからである。もともとは、ちいさな和雑貨屋さんだったが、祇園店ができた時にがま口専門店としてやっていこうと決まり、現在では小物だけではなくがま口を使ったバッグなども取り扱っている。
取材を担当してくださった小倉さんは、「がま口といえばAYANOKOJIと言ってもらえるようなお店にしていっているところです。」と熱く語ってくださった。

がま口の専門店AYANOKOJI

がま口を次世代に継承していくために

  がま口を使った製品をつくるうえで重要になってくるのが生地との相性である。はじめは着物の生地などいくつか試してみて試行錯誤を重ねながら、8号帆布という生地を定番の生地にしていこうとなった。8号帆布は、厚みがあってしっかりした生地のため丈夫で強く型崩れしにくいということから、現在も多くの製品に使用されている。この生地以外にもオリジナルの柄を使った製品もある。

AYANOKOJIの商品は形もイチから手作りでつくっていく。お客様が永く使い続けられる商品にしないといけないため、完成形に持っていくところまで試行錯誤の連続だった。昔は生地と言えば滋賀県高島市で織られている綿や麻で織られた平織りの厚手の生地である高島帆布が多かったが、現在は高島帆布を製造する生地屋さんが減っている影響もあり、ほかの生地を使っていることも多い。いままでは、8号帆布をメインに制作していたが、がま口の部分だけでも重みがあるため、現在では生地を軽量化するために摩擦に強くて撥水性と軽さにも優れているコーデュラという生地も使われている。

  昔からあるがま口。一般的に想像されるのは、財布や小物入れなどだろうか。しかし、AYANOKOJIが手掛ける商品は非常に多岐にわたっている。たとえば、スマホショルダーケースやお散歩ポシェットなど。これらの商品は、すべてお客様の声を反映して作られたものである。このお店の良いところは、お客様との距離が近いことだ。距離感が近いため、お客様のご意見を反映しやすい。昔から使われ続けているがま口を時代の流れに合わせて、枠にとらわれない新しいがま口をつくり続けるために、お客様のご意見を大切にしてニーズに合っているかどうかということを第一に考えている。このような意識があるため、企業コンセプトにあるような「現代のライフスタイルに合ったがま口」がつくられ続けているのだ。

色んな柄がありどれもとても素敵

京都らしさ、日本らしさを求めて

AYANOKOJIが考える京都のブランドであることのメリット。それは、海外からの観光客が多く来店されるということ。このお店は日本全国にあり、それゆえ京都以外にも東京や大阪など全国のさまざまな店舗に外国人のお客様が訪れている。しかし、京都の店舗に来店される外国人観光客の方は、京都にいまも色濃く残る伝統的な日本らしさをすごく意識して来店される方が多い。そのため、がま口というレトロなアイテムが日本の和のアイテムという印象にフィットしているのだろう。

また、京都にある3店舗(岡崎本店・祇園店・コトチカ京都店)限定で菊をモチーフにした小紋柄をアレンジした京都菊菱という生地でつくられた商品を販売している。外国人観光客の方は、日本らしい生地を購入される方が多い。アジア系や欧米の人などにまんべんなく人気なものは、金襴の生地やちりめんの生地である。とくに中国系のお客様は金襴の生地がすごく豪華で好きということで購入される方が多い。ただ、商品開発そのものは、日本人向けと海外向けで区別を付けてはいないという。

 口コミで来店されるお客様も多く、なかには外国人のお友達から聞いてこのお店に来たという方もいたという。京都の3店舗のなかだと、祇園店が最も海外のお客様の割合が高いが、岡崎本店ではセミオーダーやカスタムオーダーができるためそれを求めてコアなお客様が来店されることも多い。

生地にも種類がたくさん

コーディネートのワンポイントになる「がま口ポシェット」

今回お借りしたAYANOKOJIの大玉ポシェットは、大きめの水玉模様が目を引く大きながま口の鞄である。インパクトが大きいのでコーディネートのポイントとして使うのがおすすめである。サイズ感も500mlのペットボトルが入る大きさなので、お出かけにもとても使いやすく、カラフルなものからベーシックな黒色やカーキ色などカラー展開もさまざまあって楽しい。がま口の利点のひとつとして、開閉がしやすいというところがある。今後も、オリジナルの口金やどんな人でも開けやすい口金をつくろうと考えているという。
AYANOKOJIのメインユーザーは、30代から50代となっているが、小物などであれば日常使いに取り入れやすいと思うので、若い世代にもどんどん使ってほしいとおっしゃっていた。今回ご紹介したがま口ポシェット以外にも、AYANOKOJI独自のカタチのバッグやほかではあまり見かけないがま口のリュックなどもある。バッグ本体にがま口がついているものやポケットの部分にがま口を使用しているものもあるため、コーディネートのポイントとして使うのにピッタリである。
小倉さんは、「AYANOKOJIの商品を持ち歩いて、気持ちが晴れやかになってくれたらうれしい。持っているだけでテンションが上がる商品をつくっていきたい。」とおっしゃっていた。

八坂の塔をバックに映える大玉ポシェット



店舗情報

がま口の専門店 AYANOKOJI

公式サイト: https://ayanokoji.jp/
公式オンラインショップ: :https://ayanokoji-onlineshop.jp/
●Instagram: https://www.instagram.com/ayanokoji_official/
●Facebook: https://www.facebook.com/kyoto.ayanokoji/
●X(旧twitter): https://twitter.com/ayanokoji

AYANOKOJI 岡崎本店
京都府京都市左京区岡崎南御所町40-15
電話番号: 075-751-0545
営業時間: 10:00-18:00
定休日: 不定休
●Instagram: https://www.instagram.com/ayanokoji.okz.kyoto/
●Facebook: https://www.facebook.com/ayanokoji.okazaki

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