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「SOU・SOU」ー和装のカジュアル化を導いたパイオニア

<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科2回生
久保 絢音

SOU・SOUの誕生

今回私がご紹介する「SOU・SOU」は、数字をモチーフにしたテキスタイルデザインで有名な京都のブランドです。日本の四季や風情をポップに表現したテキスタイルデザインを制作し、『新しい日本文化の創造』をコンセプトに、地下足袋や現代のライフスタイルに合うようにアレンジした和装などを生産・販売しています。
 SOU・SOUの始まりは2002年、ブランドの前身となるインテリア雑貨をメインとするショップを目にしたある人物がそのショップを気に入り、東京のショッピングモール「ヴィーナスフォート」の方に紹介したことで出店のオファーが来たそうです。そして、東京に出店する際に現在のブランド名であるSOU・SOUという名前を東京店では使用するようになり、後に京都店も同じく改名されました。

しかし、初期の頃は東京店での売り上げがあまり芳しくありませんでした。そこで現在SOU・SOUのメイン商品の一つである地下足袋の販売が開始されます。地下足袋には機能性と世界的に見ても独創的なデザイン性があるという気づきから開発に着手。そして一気に人気が出始め、2004年3月には足袋京都店がオープン、同年9月には青山店もオープンされました。さらに躍進は続き、2008年にはフランスのスポーツウェアブランドle coq sportifとのコラボブランドが展開され、2009年以降も靴だけでなく和装を取り入れたアイテムの店舗が複数オープンするなど、SOU・SOUの快進撃は現在に至るまでとどまるところを知りません。

SOU・SOUの和装に対する思い

今回私たちが借りたアイテムの中にも羽織という和装のアイテムがありましたが、SOU・SOUでは現代の日常生活にも溶け込めるようなデザインの和装を独自に開発して販売されています。
なぜ、和装を取り入れようと考えたのか。そこには、ブランド創設の目的になっている考えと思いがありました。その考えとは自国の和装文化をカジュアルに提案すること、日本の伝統技術を継承できるようなモノづくりをすることです。実際、SOU・SOUでは地下足袋の生産を国内で行っておりデザインには京型友禅などの伝統的な染色技法を活用しています。また、もうひとつの理由として、日本人には和装が一番似合うという強い信念と確信を持っているからだそうです。たしかに、日本人の体型の特徴的に和装は日本人が美しく見える服装になっています。しかし、現代の日本人デザイナーは西洋文化に傾いているため和装の発展が止まってしまっています。そこで現代のライフスタイルに合うようにアップデートした和装を手掛けようと考えられたのが現在の和装アイテムの始まりだそうです。実際に、SOU・SOUでは和服の袖の型の一種である薙刀袖を取り入れたシャツなどSOU・SOU流の和服を展開しています。

SOU・SOUというブランドに関して

SOU・SOUでは現代のライフスタイルに合わせた多種多様な和装が販売されていますが、ターゲットや用途、カテゴリなどに合わせてブランド内でも複数の店舗に分かれています。たとえば、女性用和装を展開する「着衣」、男性用和装を展開する「傾衣」、前述の地下足袋などを販売する「足袋」や子供服を扱う「わらべぎ」など京都だけでも11店舗存在します。なぜ、アイテムごとで店舗を分けているのか。その理由には、各アイテムがオンリーショップになるだけのポテンシャルを持っているという自信があったからに他なりません。その言葉通り、店舗ごとに独自の特徴があるので店舗を分けることでより専門的なお店になっているなと思います。
その中でも、ここ数年でSOU・SOU布袋で販売されている鞄類の売り上げが飛躍的に伸びているそうです。布袋で販売されている鞄にはSOU・SOUの特徴的な数字のテキスタイルデザインである「SO-SU-U」が使用された鞄や三重県指定伝統工芸品である伊勢木綿を使用した小巾折(こはばおり)と呼ばれるモノがあります。このように、日本の伝統工芸などを使用されている鞄などは海外からの人気がとくに高いそうです。
 こうした日本の文化を大事にしたアイテムがSOU・SOUでは多種多様に見ることができます。

今回わたしたちはふたつのコーデの3アイテムを、SOU・SOUの商品から選びました。

ひとつ目のコーデテーマは「Cool Modern」。テーマに沿ったシックなスタイルと新しい日本らしさを見出すコーディネイトになっています。その中で、SOU・SOUのモダンな濡羽色の羽織を使用することで日本らしさを表現させました。

ふたつ目のコーデテーマは「Natural Sporty」。サイクリングにぴったりなスポーティなコーディネイトになっています。その中で、SOU・SOUのサイクリング用ポンチョと運動足袋を使用することで伝統的でありながらカラフルなポップコーデになりました。

 今回4つのコーデテーマを元に色々なブランドのアイテムをチョイスしましたが、3アイテムもの商品をお借りしたのはSOU・SOUだけです。それほどに、SOU・SOUのアイテムは現代でも使える和装アイテムが多くあり、どんなコーデにも合うということがわかります。

SOU・SOUのアイテムに関してや接客への思い

SOU・SOUではアイテムごとのコンセプトなどはとくに決めていないそうです。ただ、全体を通して着ていて楽しくなるようなアイテムであることがポイントで、お客様の好みに合わせてコーディネイトしてもらいたいとおっしゃっていました。
そして、接客についてもお話を聞かせていただきました。SOU・SOUのアイテムはデザイン含め、独自性が高く、他のブランドにはない個性的な商品が多いので、お客様に対し商品説明をしっかりおこない、納得してお買い上げいただけ接客を心がけているのだそうです。また、SOU・SOUは海外のお客様も多く、海外に出店もされていますが、国内と海外でとくに対応を変えるということはしておらず、自由にSOU・SOUのアイテムを楽しんでもらいたいということでした。
さらにSOU・SOUでは、Instagramで多言語でのライブ配信も活発におこなっており、さまざまな国の人にSOU・SOUを伝えたという強い思いが感じられます。また、インスタライブはスタッフが自分の言葉でSOU・SOUの魅力を伝え、お店に来られないお客様に商品を見てもらえる大事な場所だと教えてくださいました。
こんな日本の文化を大切にした方々が作るアイテムに出会えるSOU・SOUのお店にぜひ、足を運んでみてください。


店舗情報

京都市中京区新京極通四条上ル二筋目東入ル二軒目P-91ビル3F
電話番号:075-229-6751 
時間・定休日:店舗ごとに異なる
●公式サイト:https://www.sousou.co.jp/
●Instagram: @sousoukyoto <https://www.instagram.com/sousoukyoto/>
●Facebook :SOU・SOU <https://www.facebook.com/SOUSOUKYOTO.JP/>
●X(旧Twitter):@SOUSOUKYOTO <https://twitter.com/SOUSOUKYOTO>


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