『食願』

今、飼い主が死んだ。月が照らしている。

「孤独な俺が死んでも、適当に葬られるだけだ。

   だから、俺を食べてくれ。朝までに…」

最後の力で辿り着い廃工場。よし、始めるか。

ぐちゃ。皮膚を裂くだけでも、時間がかかる。

ダメだ、みんなを呼ぼう。野良犬。散歩道の犬。

敵対する大型犬。総勢30匹以上。ありがとう。

無言で、必死に、脇目も振らず。時間との闘い。

朝日が昇る頃、終わった。骨はみんなへお土産。

血の海、頭蓋骨を枕に眠る。約束、、守ったぞ。

#10行 #ショートストーリー #ショートショート #超短編 #短編 #短編小説 #小説 #詩 #言葉 #現代詩 #犬 #飼い主 #食べる #野良犬 #骨 #お土産 #血 #頭蓋骨 #約束 #食願 #創作大賞2023 #オールカテゴリ部門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?