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2022年7月の記事一覧

『蛍火の社へ』をご存知ですか?

『蛍火の社へ』をご存知ですか?

『夏目友人帳』の作者の緑川ゆき先生の描かれた
短編集です。

四つの作品が収録されています。

そのうちの二つは表題作の『蛍火の社へ』と、その特別編です。
この『蛍火の社へ』は2011年に
アニメ『夏目友人帳』のスタッフさんたちで映像化もされています。

夏休みに、おじいちゃんの家に遊びに来ていた蛍は、
山神様の森に迷い込んでしまいます。

途方にくれている蛍を助けてくれたのは、
人に触られると消

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『ゴーグル』をご存知ですか?

『ゴーグル』をご存知ですか?

『ゴーグル』は、
豊田徹也先生の短編集です。

帯に書かれているのですが、

『珠玉もそうじゃないのも
とにかく描いたものあるだけ収録した』

という、まとまりはあんまりない短編集、、、

というか、小話集です。

『スライダー』
『ミスター・ボージャングル』
『ゴーグル』
『古書月の屋買取行』
『海を見に行く』
『とんかつ』

の六編が入っています。
表題作の『ゴーグル』の
前日譚にあたる『海を

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『檻の中のソリスト』をご存知ですか?

『檻の中のソリスト』をご存知ですか?

ジャンプコミックは、
本棚を圧迫する可能性が高く、
そして引き延ばしがあるときの悲しさをおもって
なかなか手が出なくなってきた34歳です。

それでも我慢できず読み始めてしまうものもやっぱりありまして。
それがすごく良かったときの喜び!!

今回の森屋シロ先生の『檻の中のソリスト』は
そんな作品でした。

ある国には、
犯罪者を押し込んでいる監獄があり、
そこでは犯罪者同士でコミュニティーを築き、

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『ミセス・マーメイド』をご存知ですか?

『ミセス・マーメイド』をご存知ですか?

私の中学生生活の購読雑誌は『花とゆめ』でした。

少女雑誌としては、
ちょっと変わった立ち位置の雑誌だった『花とゆめ』。

何故か私のいた田舎の中学では
ほとんどの少女はこの雑誌を嗜んでいました。

妖怪とか、
精霊とか、
吸血鬼とか、
ちょっと不思議な生き物が絡んでくるお話が多かった『花とゆめ』。

そういうものが近く感じられる場所がらもあったんでしょうか、、、

私がそこで出会って、
今も追い

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『違国日記』をご存知ですか?

『違国日記』をご存知ですか?

ヤマシタトモコ先生といえば、
私は最初に出会ったBL作品を思い出します。

でも、最近は“このマンガがすごい!2011 オンナ編”で
第一位をとった『HER』や

現在連載中の『違国日記』を思い浮かべる人の方が
多くなっているんだろうな、
と思います。

少女小説家の槙生は、
絶縁状態だった姉の死と、
その一人娘の朝に対面します。

葬式のあとの会食では、
親戚たちの朝をどうしたらいいのかという話

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『さみしいひと』をご存知ですか?

『さみしいひと』をご存知ですか?

斎藤けんという漫画家さんが好きです。

『花の名前』という漫画で知って、
この作者さんの漫画はほとんど持っています。

(『天堂家物語』だけは何故か食指が動かずまだですが、いつか読むと思います)

今日アメブロで紹介したのは、
そんな斉藤先生の一巻完結の漫画『さみしいひと』です。

泣いている人を放っておけない倫子は、
同僚のミスを肩代わりして、
結果仕事を首になってしまいます。

その帰りに出会

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『N(YA)IGT OF THE LIVING CAT』をご存知ですか?

『N(YA)IGT OF THE LIVING CAT』をご存知ですか?

ある日、
実験体の猫によって世界に広まったN・Nウイルス。

このウイルスは接触によって感染し、
感染すると、、、
猫になってしまうのです。

なんてこった、
猫にもふもふができないなんて!!

猫好きな主人公が
猫の豆知識を用いつつ
猫を遠ざけて
(罪悪感に苛まれながら)
生き残る道を探し出す。

ニャンデミック・スリラーコミックです。

劇画のような人物の絵と、
かわいい猫の絵のギャップに癒さ

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『王国物語』をご存知ですか?

『王国物語』をご存知ですか?

中村明日美子先生の作品。

寓話的で、

普遍的な、

愛憎で編み上げられた、

とある王国の双子たちの物語です。

最初に出てくる双子の皇子たちから連なる物語なのかと思いきや、
どんどんと世界は広がっていって、
それなのにまるで螺旋階段を上っていっているような気持になる
うつくしくて、かなしい物語です。

アメブロにさらに詳しく書いています。
よかったら読んでください。

『海、のち晴れ』をご存知ですか?

『海、のち晴れ』をご存知ですか?

うつくしい雨上がり。
出会ったふたりは
それぞれに家族に問題を抱え、
自分自身が朧げていく日々をおくっていました。

それがあの一瞬によって塗り替えられた“とよ”は、
その気持ちをまっすぐに彼に伝えていくけれど、、、

ちょっと、このとよちゃんのお父さんには
色々言いたいことがあるけれど、、、

雨の中の情景がとってもきれいなので、
雨が嫌いな人、是非読んでみて下さい!

アメブロに、もっと詳しく

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『マイ・ブロークン・マリコ』と『天雷様と人間のへそ』

『マイ・ブロークン・マリコ』と『天雷様と人間のへそ』

親友のマリコの死を、
シイノは仕事の外回り中に知った。

中学のころからの親友のマリコは、
やさしくて、かわいくて、そして家族に恵まれなかった。

ゴミ屋敷のような家に、父親と一緒に暮らし、
暴力を毎日のように振るわれていた。

マリコにとって、シイノはたったひとつの救いだった。

絶対に手放すことが出来ないくらい。

シイノに恋人ができたら、死んでやるなんて手首を切るくらい。

彼女にとって、シ

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『チ。地球の運動について』を読んで。

『チ。地球の運動について』を読んで。

天動説が信じられていた時代に、
地動説を証明しようとしたひとたちの物語。

異端審問の残酷な拷問シーンも、
無残に人が殺されていく場面も、
道半ばで死を目の前にした人たちも、
たくさん描かれています。

というか、
ここに描かれる人たちのほとんどが
そういう人たちです。

一巻ずつくらいで語られる中心人物が変わっていき、
そして最終巻の八巻で
そこまでの膨大なすべての人たちの営みが収束します。

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『苦楽外』宮澤ひしを、を読む

『苦楽外』宮澤ひしを、を読む

寝過ごして辿りついたバスの終点は、
ひとりの少年と、
打ち上げられる海の生き物があるばかりの海辺でした。

どうしても帰られない主人公は、
その海辺で過ごすうちに
過去のある一日に、強烈に焦点が当たることをどうすることもできない。
その日の現実が彼を呑み込んだ日、
彼が取らされ、そしておそらく心の奥底にあった選択として選んだ道。

こんなふわっと着地してしまった結末が、
なかなか頭から離れないお話

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笠原千鶴先生の『ボクんちの幽霊』と『白い砂のアクアトープ』というアニメのこと

笠原千鶴先生の『ボクんちの幽霊』と『白い砂のアクアトープ』というアニメのこと

今日は、朝の起きた瞬間が物凄く落ちてしまっていて、
なんとか気持ちが持ち上がるものをと探した結果、
去年見ようと思って見られなかった『白い砂のアクアトープ』を思い出し、
Huluで見始めました。

オリジナルアニメで2クールなのってすごい。

ある出来事をきっかけに夢だったアイドルを諦めて、
沖縄にやってきた風花が辿りついたのは、
老朽化によってもうすぐ閉まってしまう小さな水族館でした。

そこで

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『金の国 水の国』 岩本ナオ

『金の国 水の国』 岩本ナオ

中の悪いA国とB国の間で戦争が起こりました。

びっくりした神様は、
国一番の美人と、国一番賢い若者を
送り合うことで、その戦争を停止し、
国同士の仲を取り持ってもらおうとします。

けれど、、、

お互いの国は
美人の代わりに猫を。
賢い人の代わりに犬を嫁がせます。

それを受け取ったやさしいサーラと、
本当に賢いナランバヤルは、
ひょんなことから出会い、
惹かれ合っていきます。

そしてその純

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