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アルセーヌ・ルパンの大いなる秘密を追う㉖-カリオストロ4つの謎 "三十棺桶島の秘密"-

みなさん、こんにちは!

今日は、昨日の記事の続きを書こうかと思っていたのですが、カリオストロ4つの謎のうち、三十棺桶島だけ記事にしていなかったので、それがずっと気がかりでした。

カリオストロ4つの謎とは、アルセーヌ・ルパン作品を貫く4つの謎で、マリー・アントワネットが語り、カリオストロ伯爵が追い求めていたもの、とされています。

In robore fortuna(イン・ロボール・フォルチュナ) - 「女探偵ドロテ」
ボヘミア諸王の敷石 - 「三十棺桶島」
フランス諸王の富 - 「奇岩城」
七本枝の燭台 - 「カリオストロ伯爵夫人」

ですので、今日は、カリオストロ4つの謎の最後の1つ、ボヘミア王の平墓石について、書きたいと思います。

カリオストロ4つの謎の過去記事についてはこちら↓
アルセーヌ・ルパンの大いなる謎を追う②-カリオストロ4つの謎-|西本亜希子 (note.com)

アルセーヌ・ルパンの大いなる謎を追う③-(追記)カリオストロ4つの謎-|西本亜希子 (note.com)

まず、三十棺桶島は、アルセーヌ・ルパンの冒険の中で、一番おどろおどろしいストーリーのため、シリーズの中でも異色の作品であると言えます。

ですので、私もなかなか再読したい気持ちにならなかったのですが・・・💦

因みに、三十棺桶島の過去記事はこちら↓
アルセーヌ・ルパン『三十棺桶島』-絶海の孤島で起こるミステリー!”4つの十字架のはりつけ”と”神の石”の正体とは?-|西本亜希子 (note.com)

ですが、私がアルセーヌ・ルパンの冒険について、新しい視点から見直すきっかけになった『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』によると、三十棺桶島について以下のことが書かれていたのです。

☆①三十棺桶島 ②水晶の栓 ③結婚指輪
上記の3作品は、ストーリー中に「消え去った息子」が登場する

消え去った息子というのは、メロヴィング王朝のダゴベルト2世のことなんじゃないかな、と思います。
メロヴィング王朝とレンヌ・ル・シャトーの謎は、関連していますからね。

ヒロインであるベロニックの息子フランソワが、祖父に誘拐され(!)、死んだと思われていたが、実際は生きていて、母であるベロニックと14年ぶりに再会します。

ルブランは、ダゴベルト2世からヒントを得て、フランソワを描いたのでしょうか。

王家の血の謎について描かれている

→これは、極悪人であるボルスキーが、ドイツの王子の血を引いている、という設定になっているからなのではないかと思います。

今回再読して気づいたのですが、狂人ボルスキーの父は、なんとあのルートヴィッヒ2世なんですね。

ストーリーでは、直接ルートヴィッヒ2世の名前は出てきていませんが、バイエルン公で最期はシュタンベルク湖で死んだとなれば、ルートヴィッヒ2世のことを指してるとしか考えられません。

ルートヴィヒ2世 (バイエルン王) - Wikipedia

カリオストロ4つの謎の1つでもあり、三十棺桶島の最大のミステリーでもある”人を生かしもし殺しもする神の石”、すなわちボヘミア王の墓石ですが、まずボヘミアと聞いて、その場所がパッと思い浮かぶ人はすごいです。

私はどこか分かりませんでしたし、ボヘミアと言えば、シャーロック・ホームズのボヘミアの醜聞くらいしか、私は思い浮かびませんでした💦

調べたところ、現在のチェコがボヘミア王国の場所だということがわかりました。
ボヘミア王国 - Wikipedia

このボヘミア王国から、昔のケルト民族が、縦1m横2mの墓石を、サレック島(三十棺桶島)まで運んだ、というのも凄いですね。

しかも、この石、ラジウムを放射しているっていう設定なのに、安住の地を見つけるまで、流浪の旅を続けていた人達は大丈夫だったんでしょうか💦

私、この記事に最初に、なかなか再読する気にならず・・・と書いたのですが、ルパンが白髪の年老いたドルイド僧に変装して、極悪人ボルスキーをおちょくる場面が、めっちゃ面白くて(笑)・・・・。

こんな面白い場面があったことをすっかり忘れていました。

人をくったようなルパンは、やっぱり痛快というか爽快というか・・・相手がどうしようもない悪人なら、なおさら面白いですね。

三十棺桶島は、絶海の孤島、不気味な予言、そして第一次世界大戦中という、なんとも暗い雰囲気が漂う物語ではありますが、ドルイド僧(に変装したルパン)が以前ムーランルージュに通っていた話や「底抜けのばかものめ!」とボルスキーに言う場面は、面白すぎでした。

三十棺桶島、再読出来て良かったです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。




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