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もしもう一度会えるなら 3
父は昔から、長女である私に厳しく、妹にはとてつもなく甘かった。母の友人が私のことを「継子」と言うこともあったほど。
息子がほしかった父に、意に添わないキャッチボールを何度付き合わされただろうか。妹が抱く流行りのぬいぐるみを眺めながら、欲しくもない新品のグローブに「ありがとう」という他なかった、10歳のクリスマス。友だちと大事な約束があると訴えるも、家族旅行を強いられて悔し涙を流した、15歳の
もしもう一度会えるなら 1
決して仲が良いとはいえなかった父と私。
父の13回忌を終え、もし今もう一度会えるとしたら、私たち父娘はどんな言葉を交わすだろうか。
医師に父の余命を告げられたのは、父が退職して2ヶ月を迎えた頃だったろうか。検査入院と信じて止まない父を病室に残し、母と妹と私は、担当医師の元を訪ねたのだった。「よくもって半年。早ければあと3ヶ月」との言葉に、妹はただ呆然と医師の顔を見つめ、母は力なく膝に目
1日30時間あればいい
繁忙期になるといつも考えること。
「1日30時間あればいいのになぁ」
忙しい時期は
3ヶ月無休は当たり前。
毎日終電ギリギリまで仕事。
それでも仕事が終わらないなら
1日の時間を増やすしかない。
暇を持て余している友人に
思いきって聞いてみた。
私「あんたの時間、ちょっと売ってくれへん?」
友「時間がお金になるなら、喜んで売るで」
私「じゃあ、1日6時間、一週間分まとめて売って」
友「それ
期せずしてライターになった私。
ライターと名乗るようになり、かれこれ3年。
保育畑一筋で四半世紀。まさかライターになるとは思いもよらず。
再婚をきっかけにアラフィフでライターに転身。
当初は「校正だけ手伝ってくれたら」と言われていたものの
気づけば取材ライターと名乗り仕事をするようになっていた。
初めての取材は確か東海地方。
年も押し迫った12月後半のことだった。
まったく行ったこともない場所、
しかも当日の取材人数もわか