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もしもう一度会えるなら 1


 決して仲が良いとはいえなかった父と私。

 父の13回忌を終え、もし今もう一度会えるとしたら、私たち父娘はどんな言葉を交わすだろうか。
 
 医師に父の余命を告げられたのは、父が退職して2ヶ月を迎えた頃だったろうか。検査入院と信じて止まない父を病室に残し、母と妹と私は、担当医師の元を訪ねたのだった。「よくもって半年。早ければあと3ヶ月」との言葉に、妹はただ呆然と医師の顔を見つめ、母は力なく膝に目を落とした。
そして私は「あのお父さんが死ぬわけないやん」とつぶやいた。
 
 入院中とはいえ、相変わらずの口達者で、誰とでもすぐ仲良くなる。まるで旧知の仲のように、歯に絹着せぬ物言いになる。そんな父に、誰が最期を想像できようか。あの生命欲の塊のような人間に死期が迫っているとは、どうしても思えなかった。診断ミスに違いない。心からそう信じていた。

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