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私は「エモい」文章が書けない。


「エモい文章、きてるよね〜」

という話題を、SNSでよく見かける。

書くことが好きだし、書く仕事をしているので、ライティングに関するノウハウや流行はできるだけチェックするようにしているけれど、


「エモい」


とは……、いったい………なんじゃろか………?



★★★

もちろん、「エモい」という言葉自体は聞いたことがある。でも、それが一体何を差して語られているのか、まだよくわからない。ちなみに、Wikipediaでは下記のように定義されているらしい。


エモいは、英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本語の形容詞。感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「うまく説明できないけど、良い」ときなどに用いられる。

(原文はこちらから → https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A2%E3%81%84


…………うーん、なんとなくニュアンスが掴めてきたような、でもやっぱりよくわからないような。そもそも「うまく説明できない」ってなんだ。そこを説明してくれ、私は「エモい」がわからない。


「……でも、noteでおすすめに表示されるエッセイは、結構エモい文体が多いような気がする……」


おすすめに表示されるnoteを読みながら、そんなことを思った。

やっぱり時代はエモい文章なのか?
それなら私も、ライターとしてエモい文章を書けるようになるべきなんじゃないだろうか?

それから、noteやtwitterで人気のエモ系ライターの文章を注意深く読むようになった。


「エモい文章は、全体的に漢字よりひらがなの方が多いような気がするなあ」(「それ、ひらがなで書く?!」というところをあえてひらがなで書いたりする。その発想はなかった笑)

言葉選びがいちいち情緒に溢れてるなあ」
(自分の文章では絶対に出てこない趣深いワードが並んでいる笑)

「動詞より、感情を表す言葉の方が多いかも…」
(この辺りからだんだん自信がなくなる)

「……うーん、なんかよくわかんないけど、良い」


最後!!!!!


……って、思わず自分でも突っ込んでしまったけれど、でも、ほんとうに、そうなんだもん。

Wikipediaにも書いてあったけど、「うまく説明できない」という言葉が全くその通りなのである。大体、多くのことを明確に表現しているWikipediaでも説明できないようなことを、私が解明する方がむり。


★★★

「エモい」文章は抽象的だと思う。

さっぱりしているというよりは、しっとりしていて、肌に吸いついてくるような心地がする。じんわり、心に沁みいってくるようなそんな感じ。

走り幅跳びのような、ばしっと決まる激しい着地じゃなくて、天使が舞い降りてききたような、ふんわりとした穏やかな着地。

色で表現するとしたら、ぱっきりとした原色ではないだろう。だからと言ってふんわりとしたパステルカラーでもないんだけど、あえて言うなら"くすみ"カラー系なのかなあ。 


きれいな言葉を組み合わせた文章は、誰が見ても美しく味わい深い。きっぱりと断定することはなくて、たとえ遠回りになったとしても、やさしい言葉を使う。決して、炎上するような刺激的な言葉を使ったりはなしないのだ。


「あー、私には、エモい文章は書けないかも」


エモい文章を書きたいと夢見ながら、最終的にはなんとも残念な答えしか導き出すことができなかった。

自己主張が激しくて、
すぐにアツくなる私。

幼い頃から物事をストレートに口にするタイプだったし、それは文章に置き換えてもそうだった。「私はこうしたい」「私はいや」「私はこう思う」……、そう、いつもまっすぐ言葉に表してきた。

私のストレートな表現に対して「激しすぎる」と戸惑う人もいたし、嫌う人もいた。でも、そういう人は自然と離れていって、今、周りにはこの姿勢を愛してくれる人しかいない。


ちょっとエッジの効いた、毒がまじった文章も。
頑固で譲らない、情熱的な表現も。


そういう所をひっくるめて、「ぜんぶ好きだよ」と言ってくれる人ばかりになった。


エモい文章は、私らしくない。

開き直りだと思われるかもしれないけど、でも、私には「私の文章」しか書くことができないのだ。

他の誰かみたいな、文章は書けない。


そもそも私は、「エモい文章を書いたら、noteのおすすめに取り上げられるかも」とか、「読者さんの数が増えるかも」とか、そういう打算的なことを考えていた(ごめんなさい)。

でも、私の文章を好きでいてくれる読者さんたちは、たぶん、“エモさ”なんて求めていないんじゃないかと思う。

書けないけど、もしエモい文章なんて書いたら「今日は歯切れが悪いけどどうしたんですか?」なんて言われそう。

エモさよりも、私の本音。私の着飾らない言葉。たぶん、読者さんが聞きたいのは、こっちの方なんじゃないかなあ。



★★★

ちょっと話は変わるけど、「ノウハウに頼らずに、自分の文章を書けるようになる」をコンセプトにしたライティングコミュニティを立ち上げようと思っている。

ブログを始めとしたSNSでビジネスをする人や、ブログそのもので稼ぐ人が増えた今、ライティングが改めて注目されている。


「30分でブログを書けるようになる方法」
「クリックしてもらえるタイトルの付け方」
「○ヶ月で○○○○PVを達成する方法」


インターネットには様々なノウハウが飛び交っている。今日この人がこのノウハウを書いたと思ったら、次の日は別の人が同じノウハウを書いてるなんてことも正直、ザラ。

ノウハウに頼ることが悪いわけではないけど、そればかりだと、自分の文章の個性がなくなってしまうような気がして、怖い。均一化された、のっぺりした文章になっちゃうんじゃないかっていつも思う。


ノウハウに頼りながら書いている人って、書くことが好きなんだろうか。書いていて楽しいんだろうか。

厚かましいけど、私は彼らに「書くことが楽しい」とか、「これが自分の文章だ」と自信をもってもらえるようになったらいいと、思っているのである。


それなのに私は、流行りに乗っかって、自分の文章の良いと言われている部分を無理に消そうとしてしまっていた。コミュニティの代表になる私が、そのコンセプトである部分に自信を持っていなかったら意味がないのに。



★★★

心に染み入るような、しっとりとしたエモい文章ももちろん良い。

でも、私が書きたいのは、火傷するくらい情熱的で、毒が混ざったような刺激があって、それでいて、真っ直ぐ突き刺さるような文章。

書き手として、私らしい文章を書き続けたい。
これからも、ずっと。



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