年功序列・終身雇用の終了。転職者有利の時代へ。

新人はただでさえ数が少ないうえに逃げ足も速いです(90年代と比較して4割少ない、第二新卒市場という便利な転職市場がある、年功序列がまったく信用されていない、SNSで瞬時にネガティブな情報は共有されるetc…)。
彼らを囲い込むには待遇の底上げ以外ありえません。
また、30代以上の中堅、ベテラン層の中でも組織にとって不可欠な人材は、やはりこの機に思い切った待遇改善を行わないと流出されるリスクが高いです。

アゴラ

全員を賃上げするのではなく、「中核的人材」と「逃げ足の速い(すぐ転職する)社員」は、賃上げをして、それ以外は賃上げしないで放置、という「メリハリのついた」賃上げになっていくであろう、という推測をされています。

私も、これは正しいであろうと思います。「年功序列で勝手に賃金が上がるだろう」という期待は、もう無理でしょう。優秀な人材と転職しそうな人(転職を思いとどまらせる必要がある人)だけに集中的に賃上げするようになっていくでしょう。

実際、ルネサスエレクトロニクスは、他社とは一線を画し、賃上げを延期して人員削減も進めています。黒字でもリストラが実施されるのです。半導体業界は競争が激しいことも影響しています。

昭和や平成前半は、転職する人はどちらかといえば負け組でした。JTCは新卒採用の生え抜き社員を優遇し、中途採用で入った人は二軍もしくは特定分野のスペシャリストでした。それが、むしろ「中途採用の社員は逃げ足が速いから、思いとどまらせるための賃上げ」が必要になってしまっているのです。退職金も、昔とは異なり、確定拠出年金の移管が可能となり、転職のデメリットは減ってきています。むしろ、家賃補助が10年だったのが、転職で別の会社でまた家賃補助10年と、福利厚生が延長される恩恵を得られます。なので、家賃補助がある会社の場合は転職者のほうが有利になります。これは、多くの人が知らない裏技です。

「黙って頑張っていたら報われる」時代は終わりました。むしろ、主張しない人、気弱で戦う姿勢がなさそうな人ほど、肩たたきにあいやすいと思います。民事でも労組と組んででも戦う姿勢をみせる必要があります。

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