赤いラジオ日記

ラジオを聴いて思ったことや本のこととかを書きます。

赤いラジオ日記

ラジオを聴いて思ったことや本のこととかを書きます。

マガジン

  • 万城目学を語りたい

    積年の愛の向く先である万城目さんへの想いが溢れてしまった記事をまとめました。

  • 映画感想

    映画感想をまとめました。

  • ラジオそして読書

    ラジオの感想と、そこで紹介された本を読んだ感想を綴っています。

最近の記事

大学散歩

数年前に卒業した大学を訪れる機会が最近何度かあった。まだちゃんと身体は覚えていて、広い構内をボーっと歩いていても目的地に辿り着けるけど、確実に何かが変化している。大学側にも変化が色々ある。グリルチキンよりも白身魚のフライのほうが高くなったとか、芝生にテントが張られているとか。でもそれよりもやはり私自身の気持ちの変化のほうが大きい。 大学を歩いているとあの頃の記憶が淡く蘇ってきて、普段忘れそうになっているけど確かにここに通っていたのだな、と思い出す。それと同時に、もうあの日々

    • 地下に眠っていた過去、守り継がれている過去(泉岳寺散歩の記録)

      タイムリーに記事を更新してみる。昨日7月13日は泉岳寺駅に初めて行ってみた。というのも、発掘現場の見学ができると聞いてのことだ。 埋蔵文化財発掘調査見学気合いで早起きして10時に泉岳寺駅に降り立つ。雨予報だったが雨の気配はなく、しっかり照りつける太陽に目を細めながら見学会へと向かう。大通り沿いに歩いていると地下鉄のホーム拡張工事をしていてでかいクレーンが重そうなものを運んでいた。通り過ぎていくとそこも工事の壁がずっと続いていて、それが遺跡の工事地区であるようだった。壁が途切

      • 万城目学の小説のタイトルについて勝手に考察してみる

        七夕の日に万城目さんのサイン会へ。行く前は緊張し、行けば恥ずかしさでいっぱいになり、行ったあとはもっとこう言えばよかったと後悔する。それでもやっぱり会えるのは嬉しいから結局行ってしまう。今回は『六月のぶりぶりぎっちょう』のサイン会だった。これまた奇抜なタイトルだが、「ぶりぶりぎっちょう」はガチで昔からある言葉であるとのことだ。そんなわけで、この機会に万城目学の小説作品をタイトルで分類するということをしてみたい。 第一類: ない言葉実在しない言葉がタイトルに入っているパターン

        • 悪の連鎖が続かないでと願う

          noteを始めて1年と数ヶ月経つ。最初から2番目に投稿した記事は『ドールハウスの惨劇』という小説の感想で、その続編が昨年発売された。発売直後に買ったのだけど、前作よりさらに恐怖が増しているとか、戦慄したとかいうレビューを見ているとなかなか読み始められなかった。1年近く積ん読してやっと読むことができたので、感想を書いてみたい。 遠坂八重『怪物のゆりかご』は、高校の教室で自殺の中継映像が流れ、その動画がネット上に拡散されるというところから始まる。自殺を図った男子高校生の彼女が主

        マガジン

        • 万城目学を語りたい
          8本
        • 映画感想
          7本
        • ラジオそして読書
          4本

        記事

          埋込み型現代を見る

          最近行った2つの展示で古い作品をいじった作品群が面白かったので少し書いてみたい。 しりあがりさんとタイムトラブル日比谷図書文化館1階で開催されている展示。日比谷音楽祭のついでに見に行ってみた。しりあがり寿さんが、江戸時代の版画をもとにその風景を何かに見立てたり、現代だとこうなるよなあという感じでパロディした作品が展示されていた。開催地が日比谷図書文化館というだけあって、パロディ元の版画も実物が隣に並べてあって比べやすかった。 日比谷図書文化館への行き方は色々あると思うけど

          埋込み型現代を見る

          さん生・志の輔・桃花三人会レポート

          富山男に江戸娘と副題の付いたこの公演、1月の志の輔らくごはコンディションが最悪でちゃんと聴けなかったのでリベンジしたくて申し込んだ。以前、桃花二葉二人会の会場を間違えそうになったのであるが(以下の記事冒頭のとおり)、それはこの公演の情報を間違えて見てしまったからであった。あのときのことを思い出しながらなかのZEROに向かった。 いつもながら席を当日まで確認しておらず、直前にチケットを見たらがっつり最前列で驚いた。ホールだと席によっては噺家を見下ろす形になるが、今回は文字通り

          さん生・志の輔・桃花三人会レポート

          【ラジオそして読書】日曜夜、宇宙、言語学

          5月12日の深夜はInterFMの番組、藤原さくらのHERE COMES THE MOONを久々に聴いた。 最近デュオとしての活動もしている藤原さくらさんはこの日はデュオの曲をたくさん紹介していた。デュオはソロとどう違うかという質問に、「心強い」とシンプルに答えていて、実力あるプロの人でもそんな普通の考えを持つんだな、と思った。一人のほうが合わせる努力が要らないし自由だからやりやすいという人もいそうだけど、そんなふうに言えるのは相手をとても信頼しているのだろうなと思ってその

          【ラジオそして読書】日曜夜、宇宙、言語学

          能動的東京建築祭

          2024年5月25、26日は東京建築祭なるイベントが初開催された。昨年参加した京都モダン建築祭に続き、こちらも参加することにした。土曜は他の予定があったので、26日一日で行ける範囲で楽しもうというコンセプトである。 腹ごしらえスタートは神田駅。まずは肉の万世で腹ごしらえする。秋葉原店がビルごと閉店になって悲しかったけど、あの味はこうやって他の店舗で食べられる。こちらの店舗も素敵な雰囲気だった。 日本橋方面に行くことを考えていたが、食後に建築祭公式アカウントの投稿を確認した

          能動的東京建築祭

          【館ハシゴ】中近東文化センターと古代オリエント博物館

          ずっと行きたいと思っていた中近東文化センターに行ってみたのと、久しぶりの古代オリエント博物館を訪問した。午後からスタートしたので、2箇所巡るのはちょっと時間が足りなかった。それでも充実の一日となったので、気づいたことを少し書いてみたい。 中近東文化センター中近東文化センターは三鷹市の西のほうにある。駅からも遠く、アクセスがよいとは言えないこの地に、急激にその建物は出現する。 見学には予約が必要なので当日の思いつきで訪問することはできないが、予約自体は電話かメール1本ででき

          【館ハシゴ】中近東文化センターと古代オリエント博物館

          キラキラなんてしていない青春、でもそこにある成長が美しい小説

          坪田侑也『八秒で跳べ』は、高校バレーボール部選手の主人公が怪我による挫折から再生するまでの物語だ。主人公の景は試合直前の練習帰りに忘れ物に気づき学校に戻ると、フェンスを乗り越えようとする同級生、真島綾を見つける。驚いて自転車ごと転んでしまった景は翌日の練習試合で怪我をしてしまう。 表紙はスカイエマさんの装画で、たくましい体つきの選手がスパイクを打とうと跳び上がったところが切り取られている。そこに著者の同級生がデザインした題字が走るように配置され、疾走感がある。しかし、この小

          キラキラなんてしていない青春、でもそこにある成長が美しい小説

          【館ハシゴ】泉屋博古館東京と菊池寛実記念智美術館

          東京で好きなミュージアム2つである。美術館・博物館は好きだけど大きすぎるところは疲れてしまうし、小規模でマニアックな展示をやっているところに心惹かれるようになった。この2館は最寄り駅が異なるため長らく気づいていなかったが、実は距離にして結構近くにあり、歩いてハシゴできる。そんなわけで連休の一日を使ってこの2館を巡ることにした。 泉屋博古館東京六本木一丁目駅を降りてエスカレーターをずっと上っていき、サイドに植え込みのある道を通り抜けると、開けたところに出る。すると左手に平たい

          【館ハシゴ】泉屋博古館東京と菊池寛実記念智美術館

          【ラジオそして読書】言葉の横溢、夏

          少し前の話になるが、3月24日の日曜日、ラジオを聞くともなく聞いていたら、それは爆笑問題の番組「爆笑問題の日曜サンデー」だった。来れなくなったゲストの代わりに急遽呼ばれたゲストが小説家の道尾秀介さんだった。道尾秀介さんの作品はほぼ読んだことがないのだが、話が面白くてつい聞いてしまった。 輪袈裟リスナーからの質問のコーナーで、集中力を保つにはどうしたらよいかという質問があった。よくある質問だが答えは突拍子もないもので、「輪袈裟を買う」だった。道尾さんの買った輪袈裟はそれなりに

          【ラジオそして読書】言葉の横溢、夏

          鴨川ホルモー、ワンスモア ワンスモアレポート

          鴨川ホルモー、ワンスモアを観劇した感想を以前の記事に綴った。11日後、もう一度観てきたので気づいたことを記したい。世に言う「追いホルモー」である。なお、今回は劇の内容に触れていく。 裏芝居1度目の観劇ではメインストーリーを追うだけで精一杯だったが、台詞のある人以外も裏芝居をしているわけで、今回はそこも多少気づくことができた。 べろべろばあでの新歓コンパで、主人公の安倍が早良京子の鼻に一目惚れするところから物語は走り出すのであるが、このとき早良京子は芦屋満に一目惚れしている

          鴨川ホルモー、ワンスモア ワンスモアレポート

          【ラジオそして読書】コント、劇団、青春

          以前聴いた一花さんと二葉さんのラジオが本当は東京03の番組の時間帯だったということで、東京03の番組も気になって調べてみたらヨーロッパ企画がゲストになっていた。そんなわけで4月4日の木曜夜は「働く大人たちの日常痛快コントショー 東京03の好きにさせるかッ!」を聴くべくラジオにかじりついた。 ヨーロッパ企画からは上田さん、石田さん、酒井さんの3名がゲストとして来ていた。このメンバーは東京03より少し年下だが、互いに何十年もキャリアを積んできたところだ。そんな中、酒井さんは老け

          【ラジオそして読書】コント、劇団、青春

          鴨川ホルモー、ワンスモア 初日観劇レポート

          昨日は舞台「鴨川ホルモー、ワンスモア」の初日だった。初めて『鴨川ホルモー』を読んだのは12年前に遡る。ずっと心を捉えて離さなかったこの作品が舞台化する、それもヨーロッパ企画の上田誠によって、というのは期待しかなく、情報が出てから心待ちにしていた。場所と時間を間違えないよう慎重に会場へ向かった。 着いてみると、グッズ販売コーナーは長蛇の列だった。階段を数階分上まで伸びていて、並んでいたら開演に間に合わないのではないかと思ったが、買わないという選択はない。並んでいる人たちのこれ

          鴨川ホルモー、ワンスモア 初日観劇レポート

          【ラジオそして読書】落語、三つ葉

          3月30日、年度最後の土曜日にNHKラジオで、「一花二葉 はなしをしよう」が放送された。その名の通り落語家の春風亭一花さんと桂二葉さんがテーマに沿ってただ話す番組。 当初は28日木曜夜の放送予定だったので、「『働く大人たちの日常痛快コントショー 東京03の好きにさせるかッ!』を楽しみにラジオをつけてくださった皆さん、ごめんなさい!」と番組が始まり、本来は東京03の番組の時間帯らしいと分かる。その後も何回かこの番組名を丁寧にフルネームで言っていたので面白かった。 第1回のこ

          【ラジオそして読書】落語、三つ葉