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3/11。神さま仏さま。信じたことないけど、今日だけは、

5:30起床。

天気は雨。





……。
……。
……。


「どうか、どうか」


僕の祈りは、僕のために。
君の祈りは、君のために。


だけど。


……。
……。
……。


「どうか、どうか」


僕の祈りは、誰かのために。
君の祈りも、誰かのために。


そんな日が、あってもいいよね。





神さま仏さま。僕は、その存在を信じていない。子どもの頃は信じていたかもしれないけど、今は信じていない。


でも。そんな僕でも、今日だけは信じたくなる。手を合わせたくなる。神さま仏さま。僕は、罰当たりでしょうね。ご都合主義でしょうね。この祈りは、すっかすかでしょうね。それでも、祈っていいでしょうか。9年前の今日、亡くなった人達に。傷付いた人達に。


僕は、東日本に住んでいない。ので、何の被害にも遭っていない。現地に行ったこともない。僕にできたのは、東日本に住んでいる知人友人が無事であることを祈るだけだった。神さま仏さま。どうか、あの人達をお守りください……。僕は、9年前も祈っていたんだ。


神さま仏さま。僕は、あなた達を信じたことがない。これからもきっと、信じない。


「神さまは、全てを見ている」? 「神さまは、全てを知っている」? 何だよ、それ。全て見ていたのなら、全て知っていたのなら、どうして教えてくれなかったんだよ。どうして助けてくれなかったんだよ。亡くなった人達を、傷付いた人達を……。


こんな悪態をついていても、9年後の今日も、僕は祈りを捧げている。何も教えてくれなくても、誰も助けてくれなくても、神さま仏さまであることに、変わりはないから。


……勝手なことをいっているのは、わかっている。でも、いわずにはいられなかったんだ。僕には、何もできなかったんだから……。


今日は、天気が良い。なんだか、いいことがありそうだ。ついつい、そう思ってしまう天気だ。あの日の天気は、どうだったんだろう。天気は良かったんだろうか。悪かったんだろうか。地震に天気なんて関係ないけど、そんなことを考えてしまう。


天気の良し悪しで、あの日のことが、どうにかなるわけじゃない。でも、良い天気であればいいのに、と思ってしまう。震災が起きて、天気も悪くて……そんなの、あまりにもひどいと思うから。


神さま仏さま。あの日の天気が悪かったら、それこそ、祈るんじゃなくて、恨むかもしれない。……恨んだところで、どうにもならないけどさ。


神さま仏さま。あなた達のことは、今でも信じていないけど、今日だけは――この日だけは、信じさせてよ。亡くなった人達に。傷付いた人達に。僕は、冥福を祈りたいから。





「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載中。


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