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ダイバーシティーを許容する企業カルチャー作り

以前私はコテコテの日本の大企業で勤めていたのですが、ベンチャー企業に転職してから全く別の企業カルチャーの会社で働くことになりました。
今もまだその違いに戸惑い続けているのですが、非常に斬新な取り組みをしているので、少しご紹介したいと思います。

世界中からリモート勤務


現在働いている会社では、日本に限らず世界中からリモートで働いているメンバーがたくさんいます。これはEmployer of Record(EOR)というサービスを提供する会社と契約することにより可能となります。
どういうことかといいますと、EORのサービスを提供する会社がクライアント企業の従業員の法律上の雇用主となるのです。この法律上の雇用主は、通常、給与計算、必要な源泉徴収および社会保険料の控除、現地の労働法制への準拠、その他のコンプライアンス義務上のを果たしてくれます。 そのため、外国で人を採用するために別の会社や子会社を設立するよりも、費用対効果が高く、コンプライアンスに準拠した方法で世界中の人と働くことができるのです。

このような形で様々な国から優秀なメンバーが集まり、一緒に働いています。
当然国籍も違いますし、時差も異なるので、同じオフィスで机を並べて働くのとはまた違った配慮が必要となります。

共通語は英語!


まず、当然のことながら、社内共通語は英語になります。
会議は基本的には英語でおこないますし、議事録も英語でとります。Zoom などのツールを使うことが多いのですが、これらのツールは英語字幕の表示もできるので、少し英語が苦手な人であっても字幕を見れば多少わかりやすくなるので、この機能を活用している人はたくさんいます。

書いて残してオープンに!


に、時差がありますので、リアルタイムのコミュニケーションが取れない場合があります。ですので、それを前提としたコミュニケーションを強く意識します。具体的には、書いて記録に残すと言うことを徹底しています。議事録のないミーティングはなかったものと同じと言う考え方が徹底しているのです。時間が合わずそのミーティングに参加できなかった者であっても、議事録を読むことで内容を知ることができるようにしています。そして、また議事録は、機密事項に当たらない限り、全社員が見ることができるような状態にしています。
議事録に限らず、普段使用しているチャットや社内タスク管理ツールも全社員が見られるような形になっており、業務に関する事は、秘密として管理すべき事項以外は全て全社員に公開するようにしています。このようにすることで情報格差を減らし、コミュニケーションが二度手間三度手間になることを防ぐようにしています。

絵文字を使おう!


3に、書き言葉でのコミニケーションが多くなりますので、意図せず相手に不快感等を与えてしまわないように、絵文字を使う事が強く推奨されています。絵文字の種類はたくさんあり、社内のマスコットキャラクターを使ったかわいい絵文字もあり、雰囲気が悪くならないように気をつかっています。最初は絵文字だらけのコミュニケーションに戸惑いましたが、慣れてきますと絵文字がたくさんあるとなんだかちょっとほっとして、なごやかな気分になるなぁと言うのを実感しています。このようなちょっとした気遣いは、とても大切だと思います。

ビデオ会議は画面オンだけど、服装、飲食はご自由に!

第4に、直接顔を合わせることが少ないので、基本的にビデオ会議は画面オンが強く推奨されています。髪の毛がボサボサだったりするとちょっと焦りますが、服装などは自由ですのでそれほど負担にはなりません。また、社内のみの会議の場合は、ビデオ会議中でも飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりするのも自由な雰囲気があります。時差によりちょうど食事中に会議が設定されることもありますから、その辺はあんまり厳しくはしていません。会議中にUber Eatsなどのフードデリバリーが届いたりしている人も時々います。

雑談も大切に!


5に、雑談をする場を意識的に設けています。Slackなどの社内コミニケーションツールでは、趣味のチャンネルを用意して、気が向いたときにみんな自分の趣味に関する話題を投稿したりしています。直接会話するのには劣りますが、その人の趣味や人となりを多少知る事に役立っているのではないかと思います。また、アバターを使ってバーチャルオフィス内を移動し、自由にコミュニケーションを取ることも可能です。このバーチャルオフィスでは会議と会議の間に雑談もできるので、とても便利です。

フルフレックス&リモート万歳!


6に、勤務時間はフルフレックス制をとっています。自分の裁量で1日の働く時間を決められ、好きなときに抜けたり、働いたりすることができるので、大変自由度が高いです。そもそも全く異なる時差の時間帯で働いているメンバーが多いですので、勤務時間は何時から何時と言うように決める意味はほとんどないのです。もちろん勤怠についてはシステム上で管理し、必要な社内承認手続きは取るようにしていますが、必要のない時間的拘束は行わないようにしています。このフルフレックス制は、子育て中の私にとっては大変ありがたい制度で、リモート勤務と組み合わせることで自分の生活の質が大変向上したと思っております。自宅のある国の中であればどこからでも働いて良いことになっているので、3週間ほど国内旅行を楽しみながら働いている人や、親の介護のために1週間単位で実家と自宅を行き来して働いている人、ニ拠点生活をしている人、一年間だけ田舎暮らしを楽しもうと引っ越した人など様々な人がいます。今では自分にとってこれが当たり前ですが、以前の職場からすると考えられなかったことだと思います。

ダイバーシティーってどういうこと?


このように、現在の職場では世界中から様々な国の人と一緒に働くための配慮がなされているのですが、企業における真のダイバーシティー&インクルージョンとはどういうことなのか悩むことが多くなりました。
日本の大企業で勤めていたときには、自分は女性と言うマイノリティーであったため、何となく悶々することはあったのですが、まぁ世の中こんなもんだよねと、完全には納得いかないものの現状を受け入れている自分がいました。とはいえ、それ以外の場面ではそれほどダイバーシティーを意識すると言うことはなく、自然と日本人の年配男性に対しては敬いの態度で接しよう、先輩の女性は怒らせないようにしよう、後輩に対してはしっかりとした態度を見せよう、子育て中の女性社員に対しては配慮の気持ちを示そう、同僚には気さくに振る舞い飲みの席では多少の愚痴もOKといったような自然と染み付いた行動規範のようなものがあり、それに沿った言動をしていれば、まぁそこそこ人間関係うまくやっていけると言うような状況でした。そういう意味ではどのような言動をとるべきか、あまり悩むことはありませんでした。
しかし今の職場では、年齢、国籍、性別、宗教、文化的背景が全てがバラバラで、社内の職位も年功序列という事は全くありません。このような職場においては、一体どのような会話をすればその人に配慮した会話になるのだろうか、どのようにしたら円滑な人間関係を築けるのかと悩むことが多くなりました。日本人しか知らない芸能ネタ何かを話しても全く盛り上がりませんし、天気の話も「今年の梅雨は短かったですねぇ」なんてマレーシアの人に話しても仕方ありません。このように真にダイバースな環境で働くためには、本当に世界のことをよく知り、幅広い教養が必要なんだと今更ですが、身をもって感じております。
今の職場はマイノリティもマジョリティもありません。一人一人が皆違うのです。日本以外の国についての自分の教養の低さが身に染みています。今まで自分がいかに狭い世界で生きていたのかと言うことを日々考えさせられます。今更ではありますが、思い立ったが吉日。これからは少しずつ視野を広げていくように努力したいと思いました。

それでは、また。

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