Kindle本 最新3作/素晴らしき2022年(好きなものは好き)
撮った写真をkindleの電子書籍にしてみた、そのいきさつを書いたのが、はるか昔のように思える。
■Kindle Unlimited(読み放題)対象
毎回同じことを書いているけれど、再掲。値付けはしているのだけど、Amazonのkindle本サブスクであるKindle Unlimited会員向けには無料で公開している。読み放題会員の方に見ていただく、が大前提だ。
■最新の3作品
前作ともnoteへの投稿を元にした。東京湾岸を夕方歩き回ったなかで、台場の西側エリアが、自分にとって最も好きな場所だとわかったので、青海ふ頭と、潮風公園で1冊ずつ。文章は少なめ。
これら2冊の表紙にも使った、日没後に風景がまるで影絵のようになる様はほんとうに気に入っている。それらを挿絵にしながら創作もありだな、と考えたりしている。
瀬戸内海の高松港-男木島を行き来した4時間の旅は、そもそもわたしはなぜ一人旅をするのか? ということまで含めた大きな気づきを与えてくれた。エッセンスを文章にして、フォトエッセイ風にしてみた。
■人生最大級のアンラーン
これまでも随分書いてきたけれど、2022年のアンラーンは非常に大きかった、と実感している。
突然創作をはじめ、それに嵌まり込んだことを「なぜ?」と深掘りして、なるほど・・・と気づいたことがあった。
話はかなり遡るけれど、学生時代、現代国語の「~著者の気持ちを選べ」的な設問を解くのが得意だった。
このタイプの設問については今でもよく議論のテーマとなり、「著者の解答が不正解だった」とか、「著者が解こうとしたら、選択肢の中に正解はなかった」という話を聞いたりもする。
わたしはそれは当然でしょうと思っていた。この類の問題は、「出題者が、どれを正解にしたいのか考えればいいのだ」と。自分のところまで落として考えず、ハイ、あなたはこれを正解にしたいんですよね、わかりますよ~、という感じで回答していた。
その成功体験があったので、企業主催の論文やエッセイコンテストでも、「このクライアント、主催者が、どんなものを望んでいるか」のほうから考えて、学生の頃はコンテストへの応募をアルバイト代わりにしていた。
出版社に入って編集者となり、その後独立して、当時の出版マーケットとしては手薄だった分野の資格を取得し、その分野での仕事に専念した。そんなこんなで、自分ひとりを養うのに困らない状態を作ることができた。
個々の仕事のやりがいは大きかったけれど、同時に、そこから逃れるように旅にではじめた。でも、その旅とは、外に行きながら、自分の内面をさまようものでしかなかった。
今ならわかる。わたしはずっと「閉じたまま」だった。閉じていると、自分のなかに何も入り込んでこない。機微を感じない日々において人生はシンプルになり、同時に物足りなくなる。だから「仕事以外に書くことなんてない」と豪語できていたのだ。
そして正直、自分に飽き飽きしていた。
■アートからの気づきが壁を破壊した
自己完結しがちな自分からの脱出先として、旅はもちろん、アート作品を観に行くこともしていたのだけれど、それは自分という壁の外のものでしかなかった。
それが大きく変わったのは、直島の地中美術館でモネの睡蓮を観て、自然光の下で姿を変えるその美しさに心底惹かれてしまい、勢いで年間パスポートを買って通い詰めるようになった、というできごとに尽きる。2022年3月のことだ。
文章というよりは写真を残す場が欲しくてnoteをはじめ、そのうち、文章を書くのも楽しくなってきた。カメラに物足りなくなってスペックを上げ、都内も撮るようになった。コストゼロで挑戦できるのだし、と、kindle本の制作もしてみた。
今は言える。書きたいことがないなんて、自分にはありえない、と。世の中は美しさに満ちていて、今もわたしの手からこぼれている。拾い上げることができたものだけは、せめて残しておきたい。
そんな変化が外にも出るのか、旅先で人に話しかけられるようになった。
一人旅をすることの醍醐味は、人を拒絶するものではなくて、その場所の空気に身を任せ、お互い話したい気分であれば、たまたまその非日常に一緒にいた人と、その場ならではの経験を共有すること、なのだということもわかった。
面白いもので、人から話しかけられるのは、ぼーっとしているような、開かれたときらしい。そしてそんなときの会話は、貴重な言葉として後々もずっと記憶に残ったりする。
■好きなものは好き、で進む
そして今は「やりたくて仕方ないことをやればいい」と言った言葉に心から賛同する。
時間と経済的なコストをかけてわざわざ離島に絵を観にいくのも、寒空の東京湾岸でカメラを構えるのも、考えると非合理的で思わず自分で笑ってしまうのだけど、いいのだ。好きに理屈なんてない。仕事でもないのにkindle本の編集をするのも然り。
実はすでに旅の予定もずいぶん入れてしまっている。そしてそれらは、すべてすごく楽しいのに決まっている。
気づきや自分の変化をnoteに書き留め、もしだれかに伝わったらそれはそれでよい。そして、だれかのnoteから、その人の気づきや変化を知って、自分とは異なる人生の味わい方に思いを馳せよう。
素晴らしき2022年に感謝を。そして、2023年はさらに先に進もう。
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