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「ソフトクリーム界のフェラーリ」という概念

職場の最寄駅が日比谷線・神谷町駅なので、仕事帰りに「麻布台ヒルズ」「虎ノ門ヒルズ」を徘徊するのがささやかな楽しみだ。この季節に誘惑されるのがアイスクリームやソフトクリームなどの冷菓である。疲れた頭で通りすがりに美味しそうな看板を見かけてしまったら最後、食いしん坊の私はフラフラと吸い寄せられてしまう。


🔹目を引く美フォルムのソフトクリーム

「虎ノ門ヒルズ」は、大好きな南インドカレー「エリックサウス」がある「ビジネスタワー」にたまに立ち寄るのだが、昨年10月にオープンした「T-MARKET」はノーチェックだった。テレビの情報番組で紹介されていたのを見て興味を持ち、探索してみることに。「虎ノ門ヒルズ」駅から直結しているので便利だ。

美味しそうなスイーツ屋さんがたくさんあるなとウキウキしていると、1人の女性が風変わりな形をしたソフトクリームを手に歩いて来たので釘付けに。何そのフォルム見たことない、美しい!

店先にはフィナンシェやシュークリームが並んでおり、焼き立ての香りに吸い寄せられる。よくよく見るとソフトクリームの表示があった。プレーン味と限定フレーバー(塩キャラメル)の2種。ミックスを頼んだ。お値段を確認すると1,150円。「高いなぁ」と「やっぱりね」の気持ちが半々。1,000円超えのソフトクリームを食べる機会などそうそうないが、これも経験だ。食いしん坊なので、洋服はユニクロやGAPで構わないが、食べ物の値段は重要視しないのがポリシー。

このお店「ドルチェ タクボ カフェ」は本店が代官山とのこと。偏見であるが、自分のテリトリー外である自由が丘・代官山・世田谷区界隈の名前を聞くと、「ああ、そうですよね、やっぱりねー、お高いですよねー」という感覚になる、庶民だから。

机と椅子が設置してあるフリースペースまで移動して食べた。歩いてすぐの距離ではあるが、溶け出さないか心配だ。しかし、柔らかそうに見えてしっかり粘度があるというか、意外とずっしりしている。それなのに、口溶けは非常に滑らかで軽やかで爽やか!お菓子作りなどで、口当たりを良くするために裏ごししたり、こし器にかけたりすることがあるが、このソフトクリームも濾したのかな?と思ってしまうようなスムースな舌触りである(もちろんそんな製法はないだろう)。

塩キャラメルの方が好みだった。甘さとしょっぱさの絶妙な加減。コーン部分は甘さゼロ、少々苦みを感じるような味わいで、あまり食べたことがないタイプ。美味しかった。ソフトクリームを食べる時は、ただでさえ男性にも驚かれるぐらい早いのに、いつにも増して一気に食べ終わってしまった。「見掛け倒しかも」という意地悪な思考が少しだけあったが、ごめんなさい。とても好みで美味しかったです。

その後も何度か店の前を通ったが、平日の夜には完売していることがあった。限定フレーバーが入れ替わったらまた食べに行きたい。

DOLCE TACUBO CAFFE(ドルチェ タクボ カフェ)https://www.instagram.com/dolce_tacubo_caffe/

🔹京都の珈琲屋さん提供のソフトクリーム

会社への行き帰りに「麻布台ヒルズ」の中を通っている。「麻布台ヒルズ」ができたお陰で、暑い日や雨の日がラクになった、ありがたい。毎日通る中で気になったのが、インスタ映え好きそうな若者で賑わっている「%ARABICA(アラビカ)」というオシャレなコーヒーショップだ。京都のお店で、東京進出は初だそう。店頭には「%」という記号がでかでかと掲げられている。店名が「アラビカ」であることを後に知る。%に何の意味があるのかいまだにわからない、わからなくていいけど。

いつも通りすがりに中の様子を伺っていたのだが、ドリンクとパンの販売に加え、ソフトクリームを提供していることを知る。ソフクリ好きとしては、これは試さなければ!

コーヒー味と抹茶味があったが、まずはやはりコーヒー味で。サイズは大小2サイズ展開で、せっかくなので大を選んだ。650円。

さすが珈琲専門店、コーヒーのビターな味わいが押し寄せて来る。量は多いが、甘さが前に出てこないので、さっぱりとしている。そして何より口溶けが非常に滑らかだ。これはつい最近味わった「ドルチェ タクボ カフェ」のソフトクリームの滑らかさに通じるものがあるなぁ。同じく、質感もけっこうしっかりしていて、簡単にへたれたりしない。
私はすぐ溶けてべとべとになるタイプのソフトクリームが苦手だ。多分得意な人はいないと思うけど。ソフトクリームには、ある程度しっかりと自立していて欲しい。その方が舌触りも良いし、溶けることを心配せずに味わえるから。

ソフトクリームの味とは関係ないが、店内は豆をローストする良い香りが充満しているので、その幸せな香りに浸りながらソフトクリームを味わえるのも良かった。

別の機会にカフェラテを飲んだ。納得の美味しさ。

麻布台ヒルズの「%ARABICA(アラビカ)」は2店舗ある。神谷町駅と直結しているB1店の方が、目に付きやすい場所にあるため混雑していると思われる。私の体感では4F店の方が空いているし、晴れていればテラス席も使えるのでおススメ。今では映え好きそうな若者に加え、外国人観光客もだいぶ増えて来た。

4Fの店舗

パンやドーナツも販売している。大人気「I’m donut ?」と、同系列「dacō」のパンを置いているのだ。行列のできる人気店のパンとドーナツを、並ばずに買えるという点で非常にお得。値段は少し割高なのかもしれないが(1つ300-400円程度)。なお、販売は12時からで夕方には完売している。

噂の生ドーナツを初めて食べた。「どう見ても生ではないのに、生とはいかに?」という疑問が解決。噛むとつぶれそうな勢いで柔らかでしっとり、通常のドーナツ生地とは別物だと言うことがわかった。美味しい…

%ARABICA(アラビカ)
https://www.instagram.com/arabica.kyoto/
https://arabica.coffee/

🔹ソフトクリーム界のフェラーリ

「ドルチェ タクボ カフェ」「%ARABICA(アラビカ)」のソフトクリームについて調べたら共通点があった。いずれも同じソフトクリームマシンを使っている。

“ソフトクリームサーバー界のフェラーリ”とも言われるイタリア・カルピジャーニ社のマシンを使ったもので、空気をたっぷり含んだクリームはふわふわで、口どけもなめらか。

https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-restaurants-events/g46000964/dolce-tacubo-caffe-2312/

専門店らしい珈琲感がっつり堪能できるビター、それでいてしっかりミルクも感じられ、食べ終わってもしばらくビターな余韻に浸れる仕上がり
8ozサイズでこの大きさ、カルピジャーニ抽出♪

https://x.com/softcream_world/status/1807660538031391072

「カルピジャーニ」を初めて知ったが、マニアの間では常識のようだ。知らなかった、ソフトクリームサーバー界のフェラーリ(イタリア製)。だから滑らかかつしっかりとした質感が似ていると思ったのだ、納得の事実である。

「クレミア」が登場した時は、そのクリーミーさと美味しさに感動したのだけれど、個人的には少し柔らか過ぎる。カルピジャーニの方が好み。調べるとカルピジャーニを使ったお店はたくさんあるようなので、今後もソフトクリームを食べる時はチェックしてみたいと思う。

🔹「虎ノ門ヒルズ」のお店紹介

その他、私が巡ったお店の紹介。

・Atsushi Hatae(T-MARKET)

いちじくに目がない。たまたま店の前を通ったら、いちじくのケーキが2種、1つずつ残っていた。まるで私を待っていたみたいに。買うに決まっている、大当たりだった。

奥のケーキは、シナモンが強烈に香った。中のフランボワーズのムースが淡く上のジュレは濃く、ジューシーないちじくとのバランスが楽しい、贅沢、今までこんな複雑な味のいちじくのケーキ食べたことがなく、セレブの味わい…と思ってしまう庶民。手前のタルトも美味しかったのだが、想像の範囲内。とにかく上のケーキの、計算しつくされたバランスが素晴らしかった。

アツシハタエを初めて知ったが、本店は用賀だそうだ。やっぱりセレブの味(偏見)。お値段も当然セレブ価格(1,000円超え)。でも今時はフルーツをたっぷり使ったケーキは1,000円ぐらいするのが当たり前のため、特別に割高というわけでもない。イートインスペースはないので、命がけで自宅まで持ち帰るのがミッション。

・Pacific STAND-IN(T-MARKET)

店名を見た時に「PACIFIC DRIVE-IN」(七里ヶ浜のハワイアンカフェ)と関係があるのかな?と思い、調べたらビンゴだった。「PACIFIC DRIVE-IN」では、ハワイの超有名な「ダイヤモンドヘッドマーケット&グリル」と同じレシピのスコーンを売っているのだが、ここでも売っていた!外側がカリッとしていて、中はしっとり。とても美味しい。本場のは食べたことないけど、人気に納得する。

「Pacific DRIVE-IN」の新業態だそうで、お酒とフードが楽しめるようなオールデイスタンドとなっている。でも私はお酒はいいかなぁ。スコーンはリピしたい。バナナ味も気になる。

・アトリエコータ(ビジネスタワー)

クリスマス限定の苺パフェ

オープン当初に話題となったものの、当時の賑わいが嘘のように今は閑散としている「虎ノ門横丁」の中にある。
本店の神楽坂は行ったことがないのだが、行列ができると聞いたことがある。虎ノ門店なら行列はないので穴場だと思う。平日夜にしか訪問したことはないが、混んでいるのを見たことがない。

おしゃれ過ぎるものが詰まった難解なパフェは得意じゃないのだが、アトリエコータは全てが上品でバランスが良くて好きだ。

苺のパフェは、苺のシャーベットも美味しいし、バニラのグラニテはありそうで食べたことなかった、ひんやりシャリっとミルキー。

桃のパフェ

青柚子のアイスは初体験だった。柚子胡椒みたいな強烈に爽やかな青柚子とアイスの組合せが素晴らしい。桃のコンポートも絶品。

アトリエ コータ
https://www.atelierkohta.net/

・Allpress Espresso Toranomon Cafe(ビジネスタワー)

サラリーマンが集うおしゃれカフェ。ここのフラットホワイトが好きなのだが、一番の目当てはドーナツだ。「MY PICNIC」という、店舗を持たず卸をしている専門店のドーナツを置いている。素朴な見た目で懐かしい感じがするが、油がスッキリ生地もさっくり、手作りの雰囲気もありつつ、大人の口に合うドーナツだと感じる。

毎日入荷しているわけではないので、「MY PICNIC」のインスタでスケジュールを確認している。仕事帰りに行くと完売しておりガッカリすることも。

MY PICNIC
https://www.instagram.com/mypicnic_tokyo/

・ERICK SOUTH(ビジネスタワー)

みんな大好き「エリックサウス」。自分のテリトリーだと東京駅の八重洲地下街にも店舗はあるのだが、そちらに比べて空いているので穴場だと思っている。たまに冷凍のルーを買って帰ることも。いつ食べても何を食べても美味しいー。

🔹「麻布台ヒルズ」のお店紹介

・展望台「スカイロビー」

33Fの展望台からは東京タワーが綺麗に見える。無料。これは一番のおススメ。ただし貸切予約などで上がれない日があるので、事前に要確認。

後ろに見える、宝塚の大階段みたいなところに皆座って休憩している。飲食は禁止。

大階段を上ったところにあるカフェ。平日の昼は比較的空いていた。夏休みになると混むかもしれない。椅子席からは外を眺めることはできない。

・京都 八百一(ヒルズマーケット)

「麻布台ヒルズ」の中でも庶民に優しい「ヒルズマーケット」。九条ねぎも美味しかったけど、ズッキーニのパイも美味しかった。平日の夜は割引価格になっていることも。
八百屋なので野菜や果物も売っており、値段はピンキリ。贈答用の立派な果物も売っているが、ものによっては近所のスーパーより安い。

・鳥しき(ヒルズマーケット)

予約の取れない名店「鳥しき」初のテイクアウト専門店だそう。お高いのよ…1本500円越えのものも。平日、時間帯によっては並んでいる(土日はもっと混むのかもしれない)。

一番人気の「かしわ」は確かに美味しかった。肉のボリュームがずっしりとしており、炭火の香りが強烈。焼鳥の範疇を飛び出したような存在感と満足感。でもきっとお店で食べた方が美味しいのだろうなぁ。話題性はあるけどリピートはしないと思った。もっと手軽で美味しい焼き鳥はたくさんある。

予約が取りづらい焼鳥店として名を馳せる東京・目黒「鳥しき」の味を手軽にお楽しみいただけます。可能な限り限界まで炭火に近づける「近火の強火」の技を用いて、目黒本店の味を限りなく再現した焼鳥や、秘伝の「壺だれ」をベースにしたお惣菜のラインナップをご用意しました。

https://www.azabudai-hills.com/shop_list/1015.html

・パーラー矢澤(ヒルズマーケット)

大人のお子様ランチに憧れちゃうよね。白ワインと合わせれば大人のご褒美プレート。

・Mr. CHEESECAKE [LIMITED STORE]

カップ入りのチーズケーキ、一番ベーシックな「クラシック」は900円超えである、プリンサイズで。でも確かに美味しい。上部は酸味の効いた濃厚チーズ、下部は甘くてクリーミーな滑らかプリン風味と、1つで2度美味しい。主張がすごくて胸いっぱいになるので、半分の量でも十分かもしれない。2024年9月までの期間限定ストアとなっている。

・MIMOSA Natural wine stand

仕事関係の人が手土産に持ってきてくれた。ワインスタンドのお店だが、焼き菓子も売っている。そして美味しい。ピンク色でいかにも着色という風に見えるが、ちゃんとベリーの味がする。ミスドよりも高級で上品な味わい、ミスドも大好きだけれども。
これは手土産に喜ばれる、正直こんな気の利いた手土産を持ってくるような人に見えなかったので(失礼な)、その人の株が上がったよ。

エルメス(左のオレンジ)と東京タワー(庭からの景色)

なお、「ソフトクリーム界のフェラーリという概念」という言い回しは、私の好きなバンドマンがよく使っている言い回し「○○という概念」をパクっただけなので特に意味はないです。

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