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ELLEGARDEN「SUMMER PARTY 2023」で楽しかったこと考えたこと

ELLEGARDEN「Get it Get it Go! SUMMER PARTY 2023」@ZOZOマリンスタジアムに参加して来ました。
エルレのライブは昨年秋のACIDMAN「SAI」以来です。ライブハウスツアーはぜんっっっぜん当たらなくてすごぉーく悲しかったので、サマーパーティーに来れて嬉しい。新譜の曲をライブで聞いてみたかったのです。

座席はスタンドの3塁側53列という、ほとんど最後列。肉眼だと大げさではなくメンバーが蟻んこ状態です。しかも風がけっこうあって、涼しいという意味ではありがたかったのですが、音が流れがち。エルレ復活1発目のZOZOマリンの時はアリーナスタンディングだったので、そこまで音の悪さは感じなかったのですが、やっぱり聞くなら良い音響で聞きたいよなぁ、と思ったのが本音。まあ仕方ないですね。


ライブの感想

ライブ前に、所縁の深い04 Limited SazabysのGENくんとTOSHI-LOWさんからビデオメッセージがありました。が、ぶっちゃけ音が流れまくっていて何を話しているかよく聞き取れず、きっちり聞くのは諦めました。

さらに細美さんご本人が登場。よくあるラジオDJさんが登場してのMCかなと思っていたので、意外なタイミングで驚いて「うわあ久しぶりの生細美さんだぁ」と思って感激。エルレのライブには数えきれないほど行っていたけれど、蟻んこ状態の細美さん見るの初めてだなぁ。それでも姿が見えるだけでこんなに嬉しいなんて。

ライブを安全に見るための諸注意でした。大阪でけが人が出ちゃったそうです。そういうとこ細美さんらしいなぁ。
「今日、母ちゃんが来てるからあんま言いたくないんだけど、ダイブって射●みたいなもので、我慢して我慢して…」「でも誰にもケガさせるな」と言うような内容。細美さんらしい下ネタ表現も懐かしw

それから802の大抜さんの激アツなMCを経て本編へ。

まず出囃子がピコピコしたエレクトロサウンドだったので面食らう。今までにない感じで新鮮。細美さんがラジオでSilver Pandaの「Soul Connection」だと紹介していたらしいです。Chemical Brothersみたいでかっこいい。

ライブハウスツアーでも使用しているようなのですが、この曲に合わせてバックドロップが出現する様子などを見ていて、でっかいスタジアムにひときわ似合うSEだなぁと感じました。

ちなみに私がエルレのライブを見に行き始めた頃の出囃子は、weezerの「Dope Nose」でした。ちっちゃいライブハウスに似合っていて大好きだったし、これきっかけでweezerのファンになりました。
出囃子ひとつとっても、バンドのモードを感じて面白いですね。

細美さんの「行こうぜ、東京ー!」という雄叫びからスタートしました。マリンスタジアムのスタンド最後方付近からエルレガーデンを眺めるという初めての体験。とっても不思議。
よく「サマーソニック」に参加するので、ここマリンスタジアムで日本・海外問わず大物ミュージシャンが演奏するのをたくさん見て来ました。サマパの2日後の「サマーソニック」では、「Fall Out Boy」や「blur」を見ましたが、エルレの方がお客さんがパンパンに入っていたなぁ。もはやエルレもサマソニヘッドライナークラスかと思うと感慨深い。

復活ZOZOマリンの時は、復活したばかりの興奮と、アリーナ前方ということもあって、冷静に眺めることができなかったけれど、後ろから全体を眺めて、改めてすごいことだなと思いました。私が初めてエルレを見たのは新宿LOFTだったよ。エルレ、でっかくなったなぁ。

セットリストは見ないようにしていましたが、1曲目が「Breathing」であることは何かのはずみで知ってしまっていました。新しいアルバム「The End of Yesterday」からライブが始まるなんて、私のエルレファン人生で初めてのことなので、とても新鮮に感じます。

「The End of Yesterday」からは7曲(11曲中)で、新旧織り交ぜたとても素敵なセトリで大満足。初めてライブで聞く曲だからかもしれませんが、新譜の曲は特にスタジアムに映えるなぁと感じました。細美さんが、大きな会場でやることを想定して曲を作るはずはないと思いますが、バンドも歴史を重ねて、スタジアムが似合う曲が自然とできたのかな。

特に「Perfect Summer」が素晴らしくて心に残りました。アルバムを聞いた時にも、フーバスタンクの「The Reason」みたいな爽やかさと壮大さのある、今までのエルレの曲にないタイプで新境地だと感じましたが、だだっぴろい野外のスタジアムが似合う。ドラムのビートがひたすら心地よい。夜風の中、清涼感に溢れる音を浴びるのが最高に気持ち良かったです。

アンコールで披露されたアルバム最後の「Goodbye Los Angeles」も、このツアーの最後にふさわしいと感じて印象に残りました。復活してアルバムを作って、ライブで届けてくれた一連の流れにピリオドを打つような存在感と説得力。
細美さん、「今日やれて良かった」と言ってましたね。アルバムのレコーディングエンジニアさんがはるばるいらっしゃっていたようです。私も聞けて良かった。

そして「Sliding Door」が始まった途端に嬉しく嬉しくて「うひゃぁぁぁ」って雄叫びが漏れてしまった。とても大好きで大事な曲。エルレはパンクな曲も多いけれど、初期はグランジ色の濃い曲もありました。バンドの爆発力に圧倒されて、内側から萌えたぎって、ひたすら引き込まれる曲。細美さんのドスのきいた「Do-you-hear-me?」に何度胸が熱くなったことか。
ウブさんのギターはいつだって超絶ですが、この日の「Sliding Door」のギターソロは過去イチではと思えるほどに凄まじい気迫だったな。

調べたら、私がこの曲を最後に聞いたのは2007年1月8日「ELEVEN FIRE CRACKERS TOUR 06-07」の新木場スタジオコースト以来でした。エルレが復活を果たし、16年越しに、こんな大きなスタジアムで大好きな曲を再び聞ける喜び。エルレがここに辿り着いたことや、自分がこの日ライブに参加できたこと、全てがたやすいようで奇跡のようで、本当に幸せだなと心から感じます。

自分が行けなくて悔しくて仕方なかったので、ライブハウスを回る「The End of Yesterday Tour」のセットリストは全くチェックしておらず、ついさっき確認したところなのですが、「Sliding Door」やってたのね。サマパでもやってくれてありがとうだよ。

MCでは、「ハイエースで全国回って現役のバンドとして帰って来た」と話してくれました。この日のチケットは6,900円。けが人が出ないようにセキュリティーもたくさん配置し、大きなスクリーンの演出もつけて、ウォーターステーションを設け(無料)、最後に花火まで打ち上げてくれるのだから、大きなお世話ながら予算が心配になってしまう。

スクリーンにはメンバーが大写しになる他、「No.13」でスカル旗のpirate shipが出現したり、「虹」で7色のスポットライトが綺麗だったり、「サンタクロース」で赤と緑のライティングが印象的だったり、なかなかの活躍。

ウブさんが、「エルレガーデンはもう誰にも負けないから」と発言。バンドに勝ち負けなんてないと個人的には思うのですが、あのウブさんがきっぱりと「誰にも負けない」って言ったのにびっくりしたな。それだけ今まで抱えて来た色んな思いが詰まっているのだろう。感極まった様子の高橋や、MC振られてしどろもどろの雄一は、相変わらずで微笑ましい。そんな4人のバランスが心地よくて、これぞエルレガーデンだな。

細美さんは、「サンタクロース」の間奏で「神様ありがとうー!」って軽やかに叫んでいました。それから、最近の悪天候にも関らず舞洲も幕張も晴れだったことに対して、「カミさんに『あんたら神様に守られているんだよ』って言われたけど、違うと思う、お前らが守られているんだよ」とも。細美さんは、今の自分達があるのは周囲のお陰だって、感謝していることが伝わって来ます。

「最後に1回だけマリンスタジアムやろう、それまではライブハウスばかりになるから、その時まで会えないやつもいると思う」「それまで自分の持ち場で戦って、勝っても負けても関係ないからまた会おう」(ニュアンス)って言われて、正直すごく悲しくなってしまいました。会えないやつもいると思う、ってはっきり言われてしまったから。ライブハウスを回ってくれるのは嬉しいけど、チケットが本当に取れないからなぁ。できればライブハウスへ遊びに行きたいなぁ。

まあ、でもお互い生きていれば、そのうちライブハウスに行ける日も来るかもしれないよね。まさか16年越しに「Sliding Door」が聞けるとも思ってなかったわけだし。

最後にお客さんと写真を撮ったのですが、雄一が「1枚お願いします」とカメラマンを買って出ていたので爆笑でした。その後、もちろん雄一も交えて撮影。

雄一が撮った写真、無許可で一瞬上げていたんだけれど、各所に怒られたのか気がついたら消されていた(笑)

スタンド上方だから、屋根で花火が見切れた(笑)
See you some time on the beach!

「Party is NOT over.」というタイトルの細美さんの日記。感謝の気持ちが伝わって来るなー。

セットリスト

01. Breathing ★
02. Space Sonic
03. Supernova
04. チーズケーキ・ファクトリー ★
05. Mountain Top ★
06. Fire Cracker
07. Stereoman
08. 風の日
09. The Autumn Song
10. No.13
11. Missing
12. Perfect Summer ★
13. サンタクロース
14. Sliding Door
15. Salamander
16. ジターバグ
17. 虹
18. スターフィッシュ
19. 瓶に入れた手紙 ★
20. Make A Wish
21. Strawberry Margarita ★

en
01 .Goodbye Los Angeles ★
02 .高架線
03 .Pizza Man

en2
01. 金星

★は「The End of Yesterday」から

復活後の手拍子多すぎ問題

ライブでの手拍子が好きではないです、何故なら音楽の邪魔だから。しかるべきタイミングとか、メンバーに煽られたからとか、そう言った理由で楽しむことは多々あるので、手拍子を全て否定するわけではありません。

でも最近のエルレのライブ、どの曲でも手拍子が過剰でびっくりするし、ちょっと笑っちゃっている自分がいます。

「Supernova」のAメロから手拍子、「Fire Cracker」のAメロから手拍子、「Stereoman」のAメロから手拍子、「風の日」のAメロから手拍子、「The Autumn Song」のAメロから手拍子、え?「ジターバグ」のAメロから手拍子?え?「スターフィッシュ」のAメロも?え?「虹」のイントロも手拍子しちゃうの?え?ねぇ「Missing」だよ?そんな曲でしたっけ……?という衝撃と爆笑の応酬です。人間はきっと自分の思考で処理できない事柄に遭遇すると、気持ちを落ち着けるために笑ってしまうのではないか。知らんけど。

これは復活後からずっと感じていたことです。2018復活ZOZOマリン、2019フジロック、2019ナナイロ@愛知、2022「BAND OF FOUR -四節棍-」、2022 ACIDMAN「SAI」に参加して来ましたが、全て同じことを感じました。

でも今回が一番感じたかも。会場が大きいからかな。復活ZOZOマリンはアリーナスタンディングだったのでまだマシでしたが、スタンド席の最後尾付近で、風もあったので音がかなり流れる。ズレがあり、余計に違和感でした。

私は、手拍子が発生しないエルレガーデンのライブをたくさんたくさんたくさん見て来たので、手拍子が過剰に起こっている状況に対する違和感が強いのです。

当時ライブハウスで泣きながら「Missing」や「ジターバグ」を聞いていた身としては、手拍子するような曲じゃないから驚いてしまう。そして不思議に思う気持ちが強いです。どうしてこうなったのだろう?

ちなみに私と同じように感じている昔からのファンの方も少数派だとは思いますがいらっしゃいます。勝手ながら抜粋させてもらいました。

「イマドキは手持ち無沙汰になるAメロとか手拍子する風潮」とおっしゃってる方がいますが、確かに。理由としては一番これがしっくり来るのかなと思います。イマドキの主流がなぜこうなったのかは謎ですが、手拍子文化圏で育っていない身にとってはしんどい。

手拍子のみならず、イマドキはライブの楽しみ方が人に倣えという客が多いなと昔に比べて感じます。誰かが手を上げたら上げる、とりあえずサビで上げる、とりあえず手拍子しておく、みたいなの。それが正解とされていると感じて息苦しいなと思うことがあります。人の真似なんかしないでいいんだよ。「自由に楽しんで」って言ってくれるバンドマンの言葉の裏には、そんな意味が込められていると思ってます。

そう言えば「Perfect Summer」は四つ打ちで手拍子しやすいっちゃしやすいけど、全くなかったですね。手拍子するにはリズムが微妙に遅めだからなのかしら。手拍子を好む人には、何かしら基準があるのだろうか。

そう、そうなのよ。昔はoioi(オイオイ)でした。「No.13」のイントロでは、手拍子ではなくoioiが起こって心底ほっとしました。
細美さん、oiコールを「懐かしい」と喜んでいたんですね。オールドファンとして、とても嬉しい。

2020年コロナ禍で、エルレが珍しく配信でアコースティックライブをやってくれましたが、その時に細美さんが「再結成フィーバーみたいなのあるじゃん、早く元に戻らないかな。そしたら小さいハコでできる、10年前に戻れてあいつらにまた会えるんじゃないか、あいつらどこにいるのかな」といった発言を聞いて、嬉しくて号泣したことがありました。

ライブの様子が様変わりしたことに驚いているのは、きっとメンバー達も一緒で、だからこそ細美さんは「あいつらどこにいるのかな」って発言したのではないかな、と勝手に解釈しています。

でもね、信じたくはないのですが、今回のサマパで細美さんが客に手拍子を煽ったシーンがあったんだよね…巨大スクリーンを2度見しちゃったよ。昔はそんなことしなかったのに。だから、バンド側も現状を受け入れているんだなぁって感じました。まあでもしょうがないね。変わっていくものだしね。

ライブハウスが大好きで、できればスタジアムクラスなんかでやりたくないだろうに、チケット取れないファンのためにこういう企画を立ててくれて、お客に合わせて手拍子を煽っちゃう細美さんの気持ちはありがたいなぁと思います。

とは言え、手拍子ほどほどに減ったらいいのになぁと思うのが正直な気持ちです。ライブハウスに色んなバンドのライブを見に行っていますが、今のエルレほどなんでもかんでも手拍子が発生するライブというのは、ちょっと思い当たりません。

先日、初めて行った山下達郎のライブも全然手拍子なかったな。「ドーナツ・ソング」(ミスドのCM曲)で、パンパン!っていうリズムに合わせた気持ち良いクラップがあって、それは一緒にやるのとても楽しかったな。

普通のバンドとしてライブが見れたらな

ただ普通のロックバンドを見るテンションでエルレのライブが見れたらいいのにな、と復活以来ずっと思っています。復活後って、伝説だと崇め奉られているような特別な雰囲気があるじゃないですか。細美さんが言うところの「再結成フィーバー」。復活直後は当然ですが、もう5年も経っているんですよね。コロナのせいでライブは十分にできてはいないけれど。

まだまだ初めて見る人が多いのと、イマドキ風潮で手拍子も過剰になりがちなのかもしれないけれど、昔みたいに過剰な手拍子に邪魔されず、純粋にエルレの音楽を楽しめる環境を求めてしまう自分がいます。

マリンスタジアムクラスで頻繁にやるつもりはないようなので、ちょっとほっとしました。今回みたいにでっかい会場で、手拍子が過剰に強調されるような環境なら、もう行かなくていいかなぁと思ってしまったので。

何はともあれ、アルバムの曲達を聞けたし、それらがスタジアムに似合っていたのがかっこ良くて嬉しかったし、メンバーが楽しそうだったし、今年もまたエルレのライブを見ることができてラッキーだったなぁ。

色々思うところはありますが、自分の考えも変わるかもしれないし、環境も変わるかもしれないし、生きていれば何かしらきっと良いことはあるだろう。次にライブへ行けるまで、持ち場で戦って(個人的には戦わなくても良いと思っているけど)勝っても負けても、また楽しくエルレのライブに参加できたらいいなぁ。

ちなみにライブの2日前、私の誕生日だったのです。「サンタクロース」で千個のプレゼントをもらった気分。そう言えば復活ZOZOマリンは、どんぴしゃで私の誕生日だったから余計に嬉しかったな。2023年、また素敵な夏の思い出が1個増えました。Perfect Summer!


BARKSのライブレポート。記事を書いている高橋美穂さん、昔からエルレやテナーの記事でお名前を見かけます。共感度が高い。“最後に笑うのは正直な奴だけだ”、と信じたいよね。


「BAND OF FOUR -四節棍-」で「Mountain Top」を聞いた時の感想や、ファンになったきっかけなどを書いています。


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