詩走(しわす)

97年生まれ/会社員

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最近の記事

インテリアコーディネーターにはならなかった

大学三年生を迎えようとする頃、私はもちろん就活に怯えていた。 遡ると高校の文理選択の時にはすでに「仕事にしたいこと=好きなこと」でいいものなのかと疑問を感じていた。その違和感を大事に携えたまま、今の今まで生きてきた。 私は建築を見ることが好きだった。いつからかはわからないが、その建物に観光として訪れたり、そこに住んだらどうなるんだろうと想像するのが好きだった。ただそのように素敵な建物に心を躍らせることはあったが、別にその建物をつくりたいとは思わなかったし理科が苦手だったた

    • 買ってよかったもの 2024上半期

      昨年終わりに引っ越しをして、生活リズムがちょっとずつ落ち着いてきたところ。色々買い揃えていく中で出会った良品のおかげで、地味ストレスが解消できたり生活がちょっと華やかになったり。買い物は素晴らしい! 日用品部門月刊カレンダー( kohei_sekida ) インスタで見かけた素敵なおうちに飾られていて一目惚れ。調べに調べてデザイナーさんのアカウントを発見。 貼ってるだけでおしゃれだし、興味深々な情報がたっぷり盛り込まれてるので1か月間見飽きない! またネットプリントで

      • マヨネーズ・コンプレックス

        学生時代、習い事や授業などを通して「得意なことを見つけさせられる」という経験をしてきた。結局没頭できるものや特技は見つからず、私の場合は苦手なことが浮き彫りになったのみだった。 例えば、水泳。プールの授業でみんなが難なく泳げる15mが、犬かきでも泳げなかった。水泳帽につけられた階級ワッペンがいつまでも私だけ変わらず、悔し恥ずかし、複雑な感情で常にうつむいてやり過ごしていたことが懐かしい。 そんな私も大人になり、やり過ごすくらいならやらないでいい選択肢をとるようになった。た

        • 出張後泊、悔いなしの仙台

          最高のアクセスだけど、私の周りの行った人々は「あんまり観光するところがないから日帰りでよかったな」と口をそろえて言う、でお馴染みの仙台。 じゃあいっそ松島も伊達政宗もなしで、スーパーコンパクトかつ買いたいもんと食いたいもんを巡りに巡ってやるよ!という旅のきろく。 今回は社内のイベントがあり、金曜午後から仙台へ。「もう泊まって遊んでいっちゃってよ!」という文句なしのスケジューリングに甘えて、もちろん後泊した。 ちなみに会社の人との飲み会で牛タンはちゃっかり食べた。専門店で

        インテリアコーディネーターにはならなかった

          この本はこの本屋で

          5月31日(金) なんだかだるくて朝から家で仕事をしていた。このままではだめだと思い立ち、定時で退勤し夜の散歩に出かけた。出かけるまでには「家にいた方が安上がりなのでは」「夕飯の準備と掃除をするべきだ」「いや、土日にどうしてもあの本が読みたい!」という葛藤が。散歩ごときでも私は選択肢をたくさん並べないと行動に移せない、筋金入りの優柔不断だ。一人暮らしをするかどうか悩んでいた時、彼が一緒にメリットデメリットを裏紙に書いて整理してくれたことを思い出す。どうせ悩んだ時はやりたいこ

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          記憶のトリガー、タピオカ

          仕事終わりに友達と飲む約束していたが、待ち合わせ30分ほど前に相手から仕事が立て込んでるとメッセージが。「あ、今日の予定流れるかもな」と察すると同時に、「なんか無性に魯肉飯が食べたい!」という気持ちが見え隠れする。これから人気のピザ屋に行く予定なんだが。 結局無念のタイムアップで予定はなしに。じゃあここは堅実に、と近所のスーパーで惣菜買って帰ろうかともよぎったが、閉店間際のスーパーでは食べたいと思ったものよりもあのシールのせいでどうしてもお得に買えるものに手が伸びてしまう。

          記憶のトリガー、タピオカ

          お花リレー2024

          驚くことに、ここ1か月私の家に代わる代わる花が飾られている。 つい最近まで家にある植物といえば、冷蔵庫の中のキャベツかニラかネギしかなかったはずだ。 私は植物を育てることがどうも苦手で、しばらく家には置いていない。植物への知識がない上に面倒くさがりである。もっと言うと、「 枯らす 」ことに怯えている。 数年前、暑さしのぎで入った観葉植物店でその見た目と機能性に一目惚れし購入した食虫植物のウツボカズラ。部屋に迎えてしばらくは、そのサックスのような「 虫が入っちゃうところ 」

          共感を呼ぶ、あるエッセイストの話|「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」を読んで

          現在絶賛放映中の大河ドラマ『光る君へ』。 機微な人間模様や空間の美しさにまんまとはまってしまった。なにより、12月までこの世界に浸れると思うとワクワクする。普段大河は見ない私が見るきっかけとなったのは、フィンランド人のあるエッセイだ。 今回の大河の主人公まひろ(紫式部)と対比して描かれることの多い、枕草子の作者・清少納言。本作は仕事やプライベートに嫌気がさしていたフィンランド人の著者が、職場の長期休暇制度を活用して(そもそもこの制度が羨ましい)清少納言を研究するために遥々フ

          共感を呼ぶ、あるエッセイストの話|「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」を読んで

          とろみでまとめる休日

          彼は鍋を使った長時間料理が得意、言い換えれば「日常的な助かる料理」は作らない。気が向いたときにキッチンに登場し、カレーや鶏ハムなど引っ越し祝いにもらった真っ赤なル・クルーゼで腕を振るう。 今週末は潔く予定がない。暇ができると彼の煮込み欲は高まる。昨日(金曜)の買い出しで豚の塊肉を購入。時間と金がかかるが、達成感を得られる料理でおなじみの角煮に挑戦するようだ。私は一人暮らし時代に挑み、そのコスパ・タイパの悪さから角煮はお惣菜売り場で買うものと結論づけた。 今日は外気と自分の

          とろみでまとめる休日

          とにもかくにも、リズミカルに生きる|映画「1秒先の彼女」を見て

          社会人になり、よく『せっかち』だと言われるようになった。 「歩くのがはやくて声がかけれられませんでした。トイレ我慢してました?」とか「レスが異常にはやくに返って来ますね。すごいです!」だとか。褒められているのかなんだかわからないが、周りから言われることで「あれ、私なんでいま急いでたんだろう。」と我に返ることが多くなり、最近自認するようになった。 私のせっかちは、今考えると完全に生まれ育った環境が起因していると断言できる。なぜなら、23時半に食べようと決めた年越しそばを待ち

          とにもかくにも、リズミカルに生きる|映画「1秒先の彼女」を見て

          腹いっぱいの鹿と、食べ盛りの私|奈良旅行記

          かき氷好きとしては一度は訪れたい奈良。 修学旅行ぶりに訪問し、あれやこれやと楽しみました(食メイン)。 やわすぎるよもぎ餅(中谷堂)近鉄奈良駅からほど近く、 高速餅つきで有名な中谷堂にて 速攻でよもぎ餅を購入。 渡された瞬間、想像をはるかに超える柔らかさに驚いた。 それはそれは儚く、ハムスターでも持ってるのかと思った。 もちポタ(DRINK DRANK)中谷堂から歩いて1分もしない場所にあるが、 メニューが魅力的すぎて吸い込まれるように入店。図らずも餅からの餅。 地元

          腹いっぱいの鹿と、食べ盛りの私|奈良旅行記

          ワインみたいな珈琲

          大人と言われる年齢になってもなお、私には克服できないものが結構ある。わんちゃんは見てる分には可愛いが、寄ってこられると怖い。台湾料理屋ではパクチーは必ず抜きにする。 さらに、私はまだコーヒーが苦くて飲めない。紅茶が好きだから選ばない、というのも一理あるが「苦くて美味しさがわからない」というのが本心。周りにコーヒー好きは多く、豆・農園・抽出方法の違い等こだわろうと思えばどこまでもこだわれるやり込み要素の多さが魅力なんだろう、と側から見て思う。かと思えば、会社の先輩のように味と

          ワインみたいな珈琲

          効率厨、柚子ジャムをつくる(仕事中)

          愚問だったらすいません。 皆さんは在宅勤務中、仕事に集中されてるのでしょうか…。 私の答えはもちろん 否 です。 現在は在宅と出社が半々くらいで、平日に在宅が1日もないみたいな時は全く家事が回らない(あと体力持たない)。勤務場所が制限される業種の方々は本当に尊敬しています。 そもそも私は基本的に何かしていても、常に頭の中は別のことがぎっしり&せっかちな効率重視な性分で…。 在宅の時は洗濯はもちろんですが、資料作成の傍ら映画を1本見るなど かなりのマルチタスク具合となって

          効率厨、柚子ジャムをつくる(仕事中)

          ひとそれぞれの風物詩

          百貨店の催事場で目に入った、 「冬季限定の水羊羹」の文字。 そのちぐはぐな謳い文句とパッケージの老舗感にそそられてしまい、つい購入してしまった。 水羊羹のさっぱり感はあるものの、小豆よりも黒砂糖の味が強めでインパクトがある。 寒天できっちり固まっているので、ムリッとした食感でおいしかった。 思い返せば、かくいう私は夏にキムチ鍋をつくり、冬にわざわざかき氷を食べている…。 罪悪感と優越感のなかで食べる「あえて」のおいしさが、何物にも代えられないことを知っていたんだった。

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          秋の夜長はロイホへ

          夜の散歩は発見が多い。 歯医者さんの上は夜はbarになってたのか… お友達同士でジョギングしてるわ…(というかこんな夜に時間を共有できる友達が近くにいるって、最高すぎるのでは?)など。 わざわざご飯後の1番ぐーたらしたい時に外に出た目的は、パフェで1日を締めるため。 平日21時半すぎの店内にいる人は様々。 どこかで夜ご飯を食べて話し足りなくてデザートだけ食べに来たであろう人たちや、仕事おわりに店で待ち合わせて家族でディナーをする人など。もちろん私のように1人できている人も

          秋の夜長はロイホへ

          ひんやりを求め続けた、夏のひとり旅|京都旅行記

          「夏の京都は行かんほうがいい。行ったらあかん。」 と母や京都に住んでいた友達に言われ続けてたが、絶好の機会があり行きたい店もあるし…と意を決して渡京。 ふあふあのジェラート(SHUKA) 東京から到着し、駅を出てすぐに桁違いな暑さに歓迎される。もちろん東京もアツアツなのだが、なんだかこもった温室に閉じ込められている感じ。これが盆地の恐ろしさか…と痛感しつつ、気になっていたジェラートを食べに急いで西院へ。 住宅街にそっと佇む老舗の甘納豆屋さんが手掛けるお店。店内はなんだか

          ひんやりを求め続けた、夏のひとり旅|京都旅行記