ハプニングの年 R3.1.5編

1月3日に呼吸状態が悪くなって入院した利用者さんがいました。

私の働いている施設は満床稼働を常に意識しております。

そのため、入院して空いたベッドを埋めるべく、相談員が病院に利用者さん獲得のため営業の電話をしました。

いくつかの病院に電話で営業をしたところ、施設の近くにある精神科の病院で一人どうかと案件を頂きました。

精神科と聞くと身構えてしまうのは我々看護師も一緒です。
どんな状態なのかわからないため調査に伺いたいことを伝え、14時頃から伺う予定となりました。

調査に伺う少し前に病院の副院長から電話がありました。

調査予定の人をこれから入所させてもらえないかと言うのです。

事前に状態が記載してある用紙をFAXで送ってもらっていたため、入所を前提に調査に伺う予定ではありましたが、急すぎるお願いに戸惑いました。

ご家族様が1月6日に施設見学と費用についての説明を聞きに来る予定となっていたため、調査の結果が問題なくても、施設への案内は早くても木曜日か金曜日かと思っていたからです。

なぜ急な入所を依頼して来たのか尋ねると、病院の外来に来た家族が『母親を今日入院させてくれないとここから一歩も動かない』と騒ぎ、入院させるためのベッドがないため急遽退院先を探し始めたと言うのです。

施設長に報告すると『仕方ないですね』と、急な入所を受けても良いと言ってくれたので、入所する階にこれから入所があることを伝え、ベッドの準備をしてもらいつつ、調査兼患者さんの迎えに行くことになりました。

病院に着きましたが騒いでいる人はいませんでした。

既に病室に移動したとのことです。

紹介されたのは70代の女性
統合失調症がありますが、幻覚や幻聴などの症状はみられず穏やかな感じでした。

これなら大丈夫だろうと思いながらも病院の看護師に食事や排泄など詳しく伺いました。

同時進行で相談員は、介護保険の申請について依頼したりと入所に必要な書類関係の説明をしました。

病院も急な退院のため、何も準備ができていない状況だったため、話をしながら退院の準備をしてもらいました。

病院で30分くらいやりとりをし、準備ができたため施設に向かい出発しました。

副院長は深々と頭を下げてくれたため、私も負けじと膝を曲げて更に頭を低くして挨拶しました。

施設に到着し、入所する階に誘導。施設長に診察を依頼しました。

看護師のリーダーが診察の補助に付き、私は持参薬の確認や、利用者さんの名前が書いてあるテープを居室や薬の棚などに張り付けました。

持参品のチェックは介護士のリーダーにお願いし、みんなで分担して入所の対応をしました。

急な対応でしたが、何とか勤務時間内で終わらせることができました。

精神科で患者さんの家族が暴れて警察が介入したとしても、精神科に緊急措置入院となればベッドを空けなければならないため、結局は同じことなのだと思いました。

病院に対して一個借りを作れたハプニングでした。

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