Pebbles Magazine

他人と比べる必要もなければ、置き換えることもできない自身のリアリティ.

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最近の記事

社会人3年目からの大学院受験(文系・外部) 書類審査編

はじめに 社会人3年目、このまま新卒入社の会社で一生勤め上げるのか…?と多くの人が不安になるこの年頃、私は大学院の受験を選択しました。 学部時代に出会った教授の研究室が気になっていたものの、「こんなただのOLがいまさら受けてもな」と思いつつ、ここで受けなかったら30歳辺りでひどく後悔するだろう、という確信がありました。受かる可能性は低いが、受けないと受かることは絶対にない。働きながらのんびり約半年間の準備期間を経て、先日無事合格しました。 学部からの推薦枠でもなく、今現在分野

    • クラフトビールと台湾と欲望

      地獄のパスポート申請から1週間、無事できあがったので取りに行ってきた。パスポートセンターは相変わらずどころか、私が行った時を上回る激混み具合で、人混みの中を出来たてのパスポートを小脇に抱えて悠々と帰ってきた(嫌なやつ)。 仕事が終わっても空が明るく空気は心地いい。ビールがおいしい季節になってきた。昨日、アメリカではクラフトビール市場が頭打ちで倒産する企業が出始めているという記事を読んだはずだが、今探してもどこにも見つからないのでそんな事実はないのかもしれない。自分で言うのも

      • 茶、茶の体験

        おはようございます。今日は月曜日だし雨なので、好きなお茶の紹介をします。とはいえ、私には紅茶の味の違いや抹茶の奥深さ、茶柱がどうこうということは何も分からないので、市販のお茶の話をします。 Yogi tea アーユルヴェーダの思想に基づくハーブティーブランドで、最近だとカルディなどの輸入食品店に限らずスーパーなどで入手できる。とはいえ定価で買うと(私的には)値が張るので、iherbのセール時にまとめ買いすることが多い。全部で36種類あり、「Stress Relief」「B

        • 『闘いの庭 咲く女』と自己責任論

          一時期、「自己責任論」という言葉をよく見かけた。金融庁が老後に2000万円が必要と言った時あたりだったと思う。私は概して自己責任論には懐疑的で、犯罪の背景には社会的問題があると思うし、貧困の原因を努力不足に求める意見には基本的に反対している。でも、どうしても自分でしか責任を取れない、言い換えれば他人が責任を取ることができない部分というのは、確実に存在するんじゃないかとも思ってしまう。 コラムニスト、ラジオパーソナリティのジェーン・スーが書いた『闘いの庭 咲く女 彼女がそこに

        社会人3年目からの大学院受験(文系・外部) 書類審査編

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          金曜日 赤福が食べたい

          金曜日!ついに、やっと、金曜日!帰りのエレベーターでしきりに「ビール飲みてぇな〜」という上司に気づかないふりをして、「お疲れ様でした」で「飲みには付き合いませんよ」の意思表示をして別れてきた。新宿の京王百貨店で開催中の「三重・和歌山・愛知 物産と観光展」に赤福が出店していることを思い出しアタックしてみるが、予想通り売り切れ。もう今年だけで3回ほどアタックしているのに買えた試しがない。まだ食べたことがなくて、私の中で赤福への期待度がどんどん上がっていっている。 手ぶらで帰るの

          金曜日 赤福が食べたい

          注目の展覧会(2023年5月)

          今日も寝起きから頭が痛いので、今日は(私が)注目の展覧会を3つ紹介?記録?します パナソニック汐留美術館「開館20周年記念展 ジョルジュ・ルオー」 行きたいと思いながら行けていないパナソニック汐留美術館の、開館20周年記念展。山梨県北杜市にある清春芸術村が私は大好きで、そこにルオー礼拝堂という、ルオーを記念して建てられた礼拝堂がある。決して大きくなく華美でもない礼拝堂のなかで飾られるルオーが良すぎて、また見たいと思っていたタイミングでの記念展。6月25日まで。 展覧会特

          注目の展覧会(2023年5月)

          激混みパスポートセンターのお姉さん

          昨晩、仕事帰りに有楽町のパスポートセンターへ、パスポートの更新に行ってきた。最後に海外に行ったのは、2020年2月の韓国だったので、まだ切れていないでしょと思って母とベトナム旅行の話を進めていたが、いざ航空券を取ろうという段階でパスポート失効が発覚。今はマイナンバーカードを使えばオンライン上で手続きができると知り調べてみるが、失効しているものは手続き不可なのと、そもそもマイナンバーカードの有効期限も切れている。こうして、とぼとぼと窓口まで手続きに行くことになった。 パスポー

          激混みパスポートセンターのお姉さん

          (笑)の効用 津野海太郎『編集の提案』

          最近読んだ『編集の提案』(津野 海太郎、2022年)という本がある。津野海太郎という伝説的な編集者が残した編集に関する文章を、現代の編集者が改めて編集した、という本で、テクニカル的なことよりはもう少し広い枠組で編集にまつわるアレコレが書かれていて面白い。なかでも、「座談会」は日本特有の文化であり、海外では認められていない、という話が面白かった。 多くの雑誌で有識者や読者を交えて行われる「座談会」。参加者の立場と主張が飛び交いながらも、参加者同士の相槌や聞き手の場回しなどが差

          (笑)の効用 津野海太郎『編集の提案』

          おいしいごはんの見つけ方

          おいしいごはんが大好きだ。食べること自体ももちろん好きだが、それよりも、食べる店を探しているときが一番楽しい。日頃から飲食店探しを楽しんでいる。かなり楽しい。 食事に対する向き合い方は千差万別だが、私は旅行でもするような気持ちで楽しんでいる。今までの旅行の思い出には必ず食事の記憶が付いてきていて、むしろ場所よりも食べたものの記憶の方が強いかもしれない。カナダのアップルサイダー、香港の腸粉、韓国のタッカンマリ、ハワイのグリーンカレー(よく行くタイ料理店があった)、台湾の胡椒餅

          おいしいごはんの見つけ方

          日記 情報的な価値を持たないことの価値

          福尾匠さんという、私の中で日記といえば、という印象を持っている人がいる。彼は昨年、1年分の自分の日記を365部限定で自費出版し、1ヶ月で完売させた。日記をまとめた本が珍しいわけではなく、私も横尾忠則の『千夜一夜日記』などをすぐに思い浮かべることができる。しかし彼の場合は特段著名人というわけでもない、言ってしまえば「なんでもない人」であるにもかかわらず、その人の日記を読ませたいと多くの人に思わせた一連の流れがとても印象的だった。昨日、ツイッターで彼の文章が流れてきた。 私がこ

          日記 情報的な価値を持たないことの価値

          GW2023 東北旅行記(盛岡→青森 2泊3日)

          毎日が慌ただしいなと思っていたら、前回の更新からほぼ2ヶ月が空いてしまいました。今回はゴールデンウィーク前半に行ってきた東北旅行の記録を。 目的地は、NewYorkTimes(NYT)で「2023年に行くべき52カ所」に選ばれた盛岡と、ずっと気になっていた青森。本当は盛岡にいくことを先に決めて、せっかく東北まで行くなら他の場所も…と思い、同じ岩手県の平泉やら仙台やらも考えたのだが、いろいろ考えた結果、青森まで足を伸ばすことにした。 私の免許はゴールドなので車が運転できず、

          GW2023 東北旅行記(盛岡→青森 2泊3日)

          15 最近のインプット、ゲリラガールズ展

          暖かくなってきました、3月。あったか〜幸せ〜 コロナが始まってから季節に対して鈍感にならざるを得なくなっていたが、最近は空気の温度・匂いを全身で味わえるようになってきて嬉しい。春、かなり好きかもしれない。 意識的に、というわけではないのだが、2月中旬頃から私の生活のあらゆる部分で変化が起きている。何かを変えようと強く思っているわけではないのだが、星の動き?(私は急に占いを持ち出します)のせいか、内的・外的環境が自分に及ぼすわずかな変化に楽しさと多少のストレスを感じながら過ごし

          15 最近のインプット、ゲリラガールズ展

          大竹伸朗「内側の地形」

          こんばんは。 だいぶ前だけど、国立近代美術館の「大竹伸朗展」に行ってきました。超、よかった〜。私にとって超よかったので、備忘録的に書き留めておこうと思う。長いよ 大竹伸朗 ビル景 1978-2019 @水戸芸術館初めて大竹伸朗の作品を見たのは、実はそんなに前のことでもなくて、2019年7月13日(土)~10月6日(日)に水戸芸術館で開催されていた「大竹伸朗 ビル景 1978-2019」だった。正直、当時は「ニューシャネル」のフォントが印象的な人、くらいの知識しかなかった。

          大竹伸朗「内側の地形」

          マッチングアプリの社会学?

          こんばんは。 昨年末から現在にかけて、マッチングアプリを通して3人の人と出会った。恋愛的な方面ではてんでダメだったが、顔も名前もよく知らない人との出会いは私にとってもはや異文化交流であり、日本の島国精神や昨今のグローバリズムについて考えるきっかけになったので、その話を記録しておきたいと思う(長いよ)。 1人目:Tさん 理系大学院生、カナダ系中国人? 最初に出会ったのは、前回のメルマガでも少し触れたTさんである。実は彼は日本人ではなく、日本生まれ日本育ち、カナダ国籍の中国人

          マッチングアプリの社会学?

          冬休みの日記(2022-2023)

          明けましておめでとうございます。 まだ顔すらもよく知らないマッチングアプリのチャット相手にこの言葉を言うのはなんだか変な感じがする。実際の信頼関係と、言葉が持つ信頼関係値がまるで合っていない。 明日からまた仕事が始まる。昨年の最終出勤日は12月23日で、例年よりも早い仕事納めだったため、冬休みは10日間ほどあった。正直12月は仕事のいろんなことに辟易としていて、自分の生活をないがしろにしていたので、ここでたっぷり冬休みを取れたのは本当にタイミングが良かった。今回は、そんな冬休

          冬休みの日記(2022-2023)

          クリスマスの正解

          クリスマスといえば、皇帝アウグストゥスが覇権を振るい、赤いマントをつけたローマ軍にムチ打たれ、5歳以下の男の子は殺され、民衆が救い主を求める、という話が私は大好きなので、12月上旬からSpotifyでクリスマスキャロルとヘンデルのメサイアをリピートしていた。 日本のクリスマスといえば、全然キリストのことを知らないくせにやたらウフフキャッキャとしている…と悪口を言いたいわけではないが、それにしても日本の若者を取り巻くクリスマスの幻想は、ちょっと窮屈すぎるんじゃないか?というこ

          クリスマスの正解