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社会人3年目からの大学院受験(文系・外部) 書類審査編

はじめに


社会人3年目、このまま新卒入社の会社で一生勤め上げるのか…?と多くの人が不安になるこの年頃、私は大学院の受験を選択しました。
学部時代に出会った教授の研究室が気になっていたものの、「こんなただのOLがいまさら受けてもな」と思いつつ、ここで受けなかったら30歳辺りでひどく後悔するだろう、という確信がありました。受かる可能性は低いが、受けないと受かることは絶対にない。働きながらのんびり約半年間の準備期間を経て、先日無事合格しました。
学部からの推薦枠でもなく、今現在分野に関連した仕事をしている訳でもない、さらに社会人受験枠でもなんでもない、ただのOLがいきなり受験して受かった話です。受験校や応募要項により個人差が大きいことは承知の上で、同じような立場の方の参考になればと思います。

受けた大学院

まだ正式な合格通知が来ていないため(2月に来るらしい)具体名は控えますが、都内国立文系(社会学系)の修士課程を受験しました。学部時代も社会学を学んでおり、その中でも芸術文化領域にフォーカスした分野です。
募集人員は教授ごとに1名+留学生枠数名でした。

受験科目は、一次(書類審査)、二次(口頭試問)でした。
一次の書類審査では、志望理由書、研究計画書、論考、英語の成績証明書のほか、学部時代の成績証明書といった事務書類を提出しました。太字部分が最も重要な書類のため、以下で少し解説します。

志望理由書(400字)

なぜこの大学院を志望するのか。どこの馬の骨ともわからない女がなぜウチに来たいのか、ウチで何をして、どうなりたいのか。事前の研究室訪問が禁止だったため、この1枚でそれらをすべて説明する必要があります。
とはいえ400字という字数制限があるため、コンパクトに言いたいことを整理することが重要です。インターネットにはいろいろな志望理由書が転がっているので、それらを参考にしました。私の構成はこんな感じでした。↓

1)私は将来〜〜したいと考えている。そのために貴校で〜〜を身につけたい。
2)純粋な志望動機(学部卒業後から社会人生活を通しての経験を踏まえて)
3)大学院進学の必要性(目標に対して何が不足しているのか)
4)研究室の志望理由(何を魅力に感じているのか)
5)終了後の計画(一言)

これであっという間に400字になるため、できるだけ冗長な言い回しは避けました。特に学部からの学びを引き継いでいる訳ではない社会人受験生に関しては、なぜ会社員から大学院に行こうと思ったのか、その心情の変化(と説得力)は必須かと思います。
研究計画書の内容とも被ってくるため、直前まで何回か書き直しました。

研究計画書

もっとも重要と言っても過言ではない、研究計画書。どんなに志望理由書で立派なことを並べても、これがフヤフヤでは説得力0のため、一番時間をかけました。何より、これが書けない=大学院の進学理由がない、ということになるため、自分の興味関心を見つめ直すのに必要なものだと思います。
インターネットにもたくさん「〜の書き方」というコンテンツは溢れていますが、分野ごとにポイントが異なること、またどれも中途半端な印象でした。そこはやっぱり本だろう、ということで私が一番参考にしたのは、細川英雄『研究計画書デザイン』です。

そもそも研究とは、といったところから具体的な構成方法までが網羅されており、時間がある人(かつ研究計画書の書き方がわからない人)はぜひ一度読まれることをオススメします。
「研究計画書 書き方」と調べてヒットするのはあくまで「書き方」であり、書く内容も定まっていない中で形だけ整えると空疎なものが出来上がるかと思います。まずはマインドセットから、という意味でもオススメです。

内容面は本当に人それぞれかと思いますが、「その研究はこの大学院でやる必要があるのか?」ということは最低限抑える必要があります。仮に研究内容よりも、その研究室に進学することを優先するならば、研究内容の方を変更した方が良いということです。
・海外の事例をメインで取り上げる→その国の大学院に行った方がいいのでは?
・参考文献に専攻分野に関係ない書籍ばかり→もっとマッチする研究室があるのでは?

といった具合です。
私は特に「大学院予備校」的なものや添削サービスは使用していませんが、一度だけ学部時代のゼミの先生に見ていただきました。ちなみに上の二つは実際に私が言われた指摘です・・。ごもっともだなと思い、研究テーマからすべて書き換えました。

論考

専攻に関連した内容で4000字程度、という縛りがありました。卒論をもとにしてもOKだったため、私は卒論を組み替え、提出時の情報にアップデートしたものを提出しました。
文章力や構成力を見るものだと思うので、テーマに関してはそこまで重要ではないのかなとも思います。提出後に誤字脱字がたくさん見つかりました。

英語の成績証明書

私が志望した研究室は、グローバルな感性は必須、授業もバンバン英語でやります、というスタンスだったので、英語の成績証明書(TOEICやTOEFL、IELTSなどが可)を提出する必要がありました。同レベルの人が2人いた場合に、英語力は明確な選択基準となるため、スコアは少しでも上げた状態で提出することが重要です。
とはいえ私は英語はテンでダメなのですが、唯一TOEICであれば点数を上げられるかもと思い、出願前に2回受けた上で良い方のスコアを提出しました。明確な足切りラインは公表されていませんでしたが、私は855点で一次を通過したので、800点以上くらいが必須なのかなと思います。会社員としてのブランクがあるため、学部生に比べると研究内容では劣ると思いますが、せめて英語だけはもっと頑張らなければと思い、今も勉強中です。

まとめ

今回はざっくり、一次の提出書類についてまとめてみました。
受かるかどうかもわからないのに、働きながら休日返上で上記書類を準備している時は、「なぜこんなことを」「受験しなかったら遊び放題なのに」「やっぱり向いていないのでは」と本気で挫けそうでした。しかし、どんなに準備を頑張っても、提出しなければ何にもなりません。
私が向いているかどうかは分からない、でもそれを判断するのは少なくとも私ではない」という気持ちで、なんとか最後までやり切りました。
ただの社会人が専門分野に挑むのは、なかなかハードルの高いことだと思いますが、せっかく挑戦したい!と思ったのなら、提出までやってみる価値は絶対にあると思います。

個別のテーマでも書いてみようと思うので、リクエストがあればコメントください。

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