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GW2023 東北旅行記(盛岡→青森 2泊3日)

毎日が慌ただしいなと思っていたら、前回の更新からほぼ2ヶ月が空いてしまいました。今回はゴールデンウィーク前半に行ってきた東北旅行の記録を。

目的地は、NewYorkTimes(NYT)で「2023年に行くべき52カ所」に選ばれた盛岡と、ずっと気になっていた青森。本当は盛岡にいくことを先に決めて、せっかく東北まで行くなら他の場所も…と思い、同じ岩手県の平泉やら仙台やらも考えたのだが、いろいろ考えた結果、青森まで足を伸ばすことにした。

私の免許はゴールドなので車が運転できず、そして東北は車なしだと結構動きにくい。

  • 三陸海岸以外の東北エリアで2泊3日旅をしたい

  • 公共交通機関しか使えない

  • NYTで選ばれた盛岡がどんなところか気になる

  • 青森も気になる

  • 旅先では必ず美術館に行きたい

  • 温泉も入りたいし綺麗な景色も見たい


そんな人にとっては結構良いプランを組めたと思うので、少し残しておきたいと思います。ちょっと忙しいけどね。


1日目 東京→盛岡 市内観光

初日は東京駅からスタート。8:44の新幹線に乗って2時間ほどで盛岡駅に到着。駅近のリッチモンドホテルに荷物だけ預け、まずは昼ごはんに向かった。
お昼の目当ては、わんこそばで有名な「東家 本店」だったが、あいにくゴールデンウィーク期間中はわんこそばしか注文できない&脅威の2時間待ちだったため、昼食候補だった盛岡冷麺の「食道園」に向かう。

冷麺に向かう道中、盛岡のシンボル「岩手銀行赤レンガ館」に寄った。この旧岩手銀行本店本館は、東京駅と同じ辰野金吾らによる設計で、こちらの方が東京駅より3ヶ月ほど早く造られたらしい。中に入ると、写真では感じられない細部のこだわり、木の質感の上品さに覆われる感覚がある。箱の大きい東京駅と外観は似ているが、こちらの方がより近くで建築の味を楽しめるのかもしれない。

徒歩6分ほどで大同園に到着。盛岡市内には山ほど冷麺の名店があって、どう選べばいいものかと頭を抱えていたが、「ぴょんぴょん舎」は銀座にもあるし、発祥らしいこの店へ。ハラミと冷麺を頼み、1900円ほど。ツルツルでコシがあって、美味しかった!少し並んでいたが、割と回転は早かった。会計は現金のみ。

シンプルな具がそれぞれ個性を発揮した最高のコラボレーション!

行きの電車で、ちょうどこの日のお昼に盛岡駅でNYT掲載記念のセレモニーがあるという情報を見つけた(何それ?)。盛岡市、千載一遇のチャンスへの気合いを見るべく駅へ向かう。わずか30分のイベントだったが、最後になんとか滑り込み、なんだか花道のようなところで祝われながら、岩手の観光チラシ(大量)と非売品のブランド米が入った袋をもらった。さんさ踊りの若い女性から、着物を着たおばあさま、なんだか偉そうな知事っぽい人、県庁の広報担当っぽい人、ご当地キャラクターのそばっちまでが一堂に会していて、岩手の人と一気に会えて楽しかったです。イベントの様子

基本的に盛岡観光はNYT掲載情報をもとに市内を巡った。盛岡は駅近にほぼ全てのスポットが点在しており、車を使わずに徒歩で歩けるのが良い(その歩きやすさもNYT的には評価ポイントだったらしい)。その中でも一番距離のある「ナガサワコーヒー」でも、駅から徒歩20分弱ほどで着く。

謎の自販機専用施設や古い印刷工場の看板など、割と古めな街並みの中で、一際モダンなナガサワコーヒー。外国人観光客もちらほら見かける。難しい名前がずらっと並ぶメニューを前に思考が停止し、アイスカフェラテを注文。

全体的にオシャレ オシャレなので座席数が少ない

一度ホテルへチェックインし休憩してから、もう一箇所喫茶店へ。その後地元のワインバルのようなところで夜ご飯を食べ、就寝。1日目終わり。

2日目 盛岡→青森(美術館・遺跡、浅虫温泉)

朝ごはんの前に、城址公園まで散歩した。緑と石が繁り、ほどよく整えられた庭園は気持ちが良い。盛岡市内には中津川という大きな川も流れており、市内を歩いていても水の豊かさを感じる。

2日目は朝から盛岡を後にし、10:05のバス「あすなろ号」に乗って青森に向かった。バスで盛岡・青森間を移動しようという人が少ないのか、そもそも盛岡の次に青森に行こうと思う人が少ないのかは分からないが、GW中にもかかわらずバスは空いていた。3時間ほどで青森駅前に到着。小雨がぱらつき、風も強く、思ったよりも寒い。まだ桜がちらほら咲いていて、東北の気候を実感する。

時刻は13時を回っていたので、駅のコインロッカーに荷物を預け、駅から徒歩8分の「まるかいラーメン」へ。煮干しベースのシンプルなラーメン屋で、メニューは「大・中・おにぎり」の3択のみ。潔い!ラーメンは少し太い麺と奥行きのあるスープで、これもまた潔さを感じる味でした。

全国のラーメン店主が食べにくるらしい

お昼を食べた後は、バスに乗り青森県立美術館へ。企画展はスキップし、常設展を回る。奈良美智から気鋭の若手作家まで、青森出身の作家の作品がエリアごとに展示されている。作品ももちろん良いが、何より建物がいい。白いエレベーター、白い階段、外の自然につながる広い窓と広い壁。広大な敷地を贅沢に使った建築は歩くだけで、これが青森…となるような(勘違いかも)。少し話題になっているあおもり犬は、近くで見ると迫力があり、少し怖さすらもあり、奈良美智の作品が彫刻になるとこうなるのね…という感じ。間近で見られてよかった。

どよよん、としている 穏やかさと暗さ

美術館の後は、徒歩10分の距離にある三内丸山遺跡へ。風が強く寒い!が、遺跡の中に入ると温かく、縄文時代の知恵を身体をもって実感するなど。私も竪穴式住居に住んじゃおうかな。

行きは市内バスを使ったが、帰りは「ねぶたん号」という観光スポットを回るバスに乗った。美術館や遺跡はとても駅から歩ける距離ではないのにバスは1時間に1本ほど、しかも通常のバスの半分サイズで、これは全然乗り切れないのでは!?と思っていたら、案の定帰り道は超満員でした。早めに乗り場に行って並んでおいてよかった。なんであんな小さいバスにしたんだろう?

青森駅へ到着し、そのまま2日目の宿泊地である浅虫温泉へ向かう。青い森鉄道というローカル線に乗って20分。途中で青森高校の中高生がワラワラ乗ってきて、自分の観光客感が際立つ。ここで生まれ育っていたら、今自分はどんなことになっているんだろうか。私は都内に生まれ育ってよかったと思っているが、果たしてそうなのかしら?そうだったとして、それを享受しきれているかしら、などと考えていた。

浅虫温泉は南部屋・海扇閣という旅館へ。そんなに華やかな温泉の街ではないが、海が近くとても良い空気の場所だった。到着した18時頃はちょうど日の入時で、最上階の露天風呂からの景色が本当によかった。本州のほぼ最北端。ずっと来たかった場所に自分がいることが幸せで、温泉も気持ちがよくて、本当に良い気分!

陸奥湾とかそのあたり。かなり北端

3日目 青森駅→国際芸術センター青森→空港

旅館公式HPからの予約特典で、11時のレイトチェックアウト。ゆっくり宿を出て、浅虫温泉駅前の市場に行く。りんごが5個で500円!しかもお店のお姉さんから「今なあらこのりんごを買うとりんごジュースも付いてきますよ」ということで、なんだかとてもお得なお土産をゲット(超重いけど)。青森駅に戻り荷物を預け、次は国際芸術センター青森(ACAC)へ。

以前好きなアーティストが展示をしていた時に渋って行かなかったことを後悔していたACAC。青森公立大学の敷地内にあり、まだ雪の残る自然の中に入り口の小道が出現する。空気がおいしい。ACACの建物は安藤忠雄設計で、段状の座席、扇型の棟が水面を囲んでいる。好きな景色に出会うと私はそれに同化してしまいたい、取り込まれて一部になってしまいたいと常思うのだけど、これもまさにそうで、もう東京など帰らずに、この空気の一部になってしまいたいと思うほど良かった。本当に。また行きたい。記憶のどこかに大切に取っておきたい、日本各地の場所の記憶の一つになった。

ここで演じられる舞台を見てみたい

青森駅に戻り、駅近の市場の中にあった「丸青食堂」でホタテフライ定食を食べる。海鮮丼や寿司と迷ったが、このホタテフライの大きくて肉厚なこと!タルタルソースとマッチしたむちむちのホタテフライを泣きながら食べた(美味しくて)(嘘だけど)。食後は近くの「A -FACTORY」でお土産を見たり、海沿いを散歩したりして、飛行機の時間が迫っていたので青森空港に向かう。空港も駅からバスで30分ほど。便利。


そんなことで、盛岡、青森の2泊3日旅行が終了しました。
シティも自然もアートも海も食事も、よりどりみどりな充実旅行(たくさん歩いた)。東北といえば三陸海岸で海鮮!という印象だったが、東北の人、文化にもたくさん触れられて本当に良い旅だった。もちろんスポットは観光客向けの情報を参考にしたが、行く前から「こんな場所だろう」と思っているのとは違う、自分好みの旅に組み立てられたことがよかった。やっぱり旅行楽しいな。また行きたいと思います。

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