『』

『嘘』2023.3.20


何にも残らないよ
だから安心していい
どうせ全部忘れてく
言葉にしたら涙がこぼれた

出逢った日の日付は
思い出せないのに
出逢ったあの瞬間のことは
こんなに焼き付いてるんだろう

冷たくてさらりと乾いた手
春みたいな貴方の笑顔

もう少しも好きじゃない
ちっとも思い出さない
記憶を結んでなんかないけど
春は痛いな 痛いな
/
壊れるくらい好きだったなんて
口に含んだこともないよ
擦り切れるほど小さな嘘を重ねて
これからも生きてくんでしょう
泣きながら


未練って言葉は綺麗だね
笑い話にしよう
どうせ全部解けてく
いくら試したって同じなんだろう

汗をかくことも
熱を持つことも
二人の間から遠ざかって
見慣れた交差点を渡った

赤信号でこの指止まれ
嵌めた銀色が錆びている

もうとっくに笑ってて
貴方を軽く恨んでる
いつかまた会えたらいいね
なんて痛いな 痛いな
/
戻れないくらい好きだったなんて
考えたこともなかったよ
持ちきれぬほど寂しい嘘を重ねて
これからも息をする
歩けもしないのに


冷たくてさらりと乾いた手
春みたいな貴方の笑顔
さよならの言葉が降ってくる
花みたいな二人の時間


もう少しも好きじゃない
ちっとも思い出さない
記憶に貴方は残ってないから
悲しくなんかない
/
壊れるくらい好きだったなんて
口に含んだこともないよ
擦り切れるほど小さな嘘を重ねて
これからも生きてくんでしょう
泣きながら


本当はどれもこれも嘘だよ
ねぇ、嘘だよ






直近に書き上げた詩

軽々しく嘘をつけるような
それくらいの恋なら
こんなに苦しむこともなかったのに。



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