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2021/6/21 「なんでもない日」

なんでもない日、なんにもない日、毎日がどれも大切でどれも特別で素敵な日です。なんて言えません。

何にもない日は、ゆったりとしていて楽だなと思えたり、好きな動画を何時間もぶっ通しで観られたりと癒されることもたくさんありますが、その反面。何で生きてるんだろうなとか、これからあと60年もこうやって生きていくのかとか考えてしまう日でもあるのです。

どっちに転ぶのかはその日になってみないと分からないけど。こういう時は素敵な日だとは思えません。疲れてしまうし、しんどいから。

金閣寺。無事に読み終えることができました。拍手。結局、金閣は何を表していたのかというと、その内部はどうやら「虚無」というもので出来ていたようです。

「何もない」からできたものを消滅させるにはどうしたらいいのでしょうか。その人の中から「虚無感」という実質が消えなければ、いくら金閣を燃やそうとも、美を消滅させようとも、繰り返されてしまうわけですね。

主人公にとって、金閣は不壊の美しさを持ち合わせているものだった。けれど、本当に心から美しいと思っていたものは何だったのでしょう。

私は。柏木という友人の独白後の、「それで君は、それ以来孤独なんだね。」という主人公の言葉と、それに対する柏木の返事。そしてそこから場所を移した後の、2人が並んで眺めているであろう景色。あの一連の場面が好きでした。

眺めている光景は同じでも、感じていることは異なっている2人。あの情景描写から伝わってきたのは、主人公が見ている世界で時々現れる美しさでした。あれはどう考えてもどう想像しても、本物だったよなぁと、何日経っても私の心の中からも消えてはくれないのです。

実はここ数日間。何を書いたらいいのだろうと手が止まっておりました。書いてはみたものの、書ききれず、没。そんなこともありました。他方で、何を書いたらいいのかわからずとも、とりあえず思ったことを。と思って書いてみたら、800字以上も書けていた、なんてこともありました。

最後の最後で耐えきれず、泣いてしまう儚さ。書いていったことで見つけた本当。私の感じている彼の本当でした。知らない誰かが、あれは最後の最後まで耐えきった涙だと書いておられました。どっちだろうと思索しましたが、あれはやっぱり、耐えきれずして生れた涙だともう一度感じることができました。だからこそ儚いのだと、思惟することができました。

こういうことが、やっていきたい。思っていることを、うたえるように書きたい。

今日はなんでもない日でしたが、一つの本当をうたえた日。うたっているところを観られた日。なんでもない日は私にとってこういう日。うたえる日になっているといいなと思います。


またね👋





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