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続ける!毎日掌編小説

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プロの小説家になるために毎日掌編小説を投稿します! 正確には毎日(00:00までに)必ず一つ投稿します。 もし投稿が過ぎた場合は、勉強も食事も睡眠も無しでその日に作品を5つ出しま…
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#小説

第7回目。続ける!毎日一作品掌編小説!『be worth it]

「なあ、みなと、俺少し太ったと思わないか?」
 俺は皿洗いをしているミナトに声をかけた。みなとは俺の彼女だ。
「んー」みなとは俺をじっと見た。「太ってないと思うけど?」
「体重が上がっているんだ」
「だったら間違いないね」何枚も厚着した彼女の頬は赤く火照っていた。「今度一緒にランニング行く?」
 やっぱりみなと優しいな、今日だって本当は仕事で疲れているはずなのに率先して皿洗いしてくれている俺もそん

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掌編小説を毎日書く!5回目達成🥳『コトばをキク』

掌編小説を毎日書く!5回目達成🥳『コトばをキク』

 雫が垂れる、落ちて水面が広がった。とても静かだ。でも一際雨が五月蝿かった。

 毎日通る、慣れた道だった。キクは彼女を探す。

 横断歩道の真ん中。その時だった。激しい光がこちらにぶつかってこようと向かってきている。その時初めて自分の立場を自覚する。車がぶつかろうとしていることを。

 キクは怖くて目を閉じた。

ーー終わりなのか?やっとこの世界を好きになれたのにーー

 この日と同じような事故

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毎日書く!掌編小説第4回目。「リベンジチェンジ」

 セミの鳴き声がうるさすぎる夏の真ん中、私は青い空にのっかっている綿菓子を眺める。少し重いペダルを漕いで風を切った。

 学校に到着して、2-3の教室の席についた。

 早くきすぎたな、なんて退屈しながら騒がしい教室の中を見た。

「お前ほんと地味だよな!」

「やめてよ」そんな声が座席一つ挟んだ先で、群がる3人組から聞こえた。「そういうこと言うのはやめて」

「えーなんてー?!」

 あー正直関

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毎日掌編小説投稿、三回目!「勇者と魔王に一閃を」

 世界は完全復活した魔王によって、刻一刻と終末に近づいていた。

「赤い満月が昇る真夜中」

 魔王は空を貫き全世界に語りかけた。

「魔族全軍と、我の力を持ってして、人間を一匹残らず滅ぼし、人類の未来に終止符をうつ」

 その言葉が世界中を恐怖と絶望で飲み込んだ。

 勇者が現れるまでは……。彼女は17歳という若さで、家族を失ったが、同時期に魔族の中でも幹部クラスを数体倒し、世界に再び希望が灯っ

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続ける!プロの小説家を目指して毎日掌編小説練習!「幻のせい」

 サイロはナイフから滴り落下した血の音を数えていた。そうすればひととき落ち着くことができるからだ。

 しばらく止まっていた呼吸が再開するようだった。その光景を理解する途端、激しい過呼吸が襲った。同時に嘔吐物も血溜まりと交わって黒に近い色にまで濁っていった。

 言葉にならない発狂。彼は自分の友人を殺したのだ。なぜか、それは数十分前まで遡る。

「サイロおッせーな」

「どっかで道草食ってんじゃね

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続ける!プロの小説家を目指して毎日掌編小説を書く。 『アイどんとライクみー』

ここ、世界が誇る、セントラルメインカンパニー株式会社の社員は決して変わらない。
週に一度の今日は、リセットがある日だ。
リセットはどんなに疲れていても元気をくれる機械だ。
実は体を蝕む副作用がある。でも私は家族のために身を粉にしてでも仕事に取り組まなければいけない。
そう、この会社はいわゆるブラック。私は会社にとって扱いやすい家畜。私の人生は面白みのないスノードームのようだった。

この日までは…

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