このブログで掲載している怪談は99%フィクションです。

このブログで掲載している怪談は99%フィクションです。

このブログで掲載している怪談は99%フィクションです。

このブログで掲載している怪談は99%フィクションです。

マガジン

最近の記事

身代わり人形の末路

キャバクラオーナーの友人は1号店の経営が順調だったので、2号店を出すことにした。 不動産屋に色々調べてもらったところ、繁華街の中心にあるテナントが空いていた。こんないい場所は他にない。友人はすぐに借りることに決めた。 「ちょっとコレどないします?」 内装工事の最中、業者さんに声をかけられた。業者さんが指を刺した方向を見ると、マネキンほどの大きさのフランス人形が居た。 天井裏に横たわっていたという。どうしたものかと考えたが、捨てるのもなんだか不気味だし、天井裏に戻しても

    • なんやねん、お前!

      自分の部屋のドアノブに手をかけると開いた。 あれ、鍵かけ忘れたまま出社してたかな。 不思議に思いながらも扉を開くと、 40代くらいのおじさんがいた。 「なんやねん、お前!」 しまった、部屋を間違えた! 慌てて謝って扉を閉めた。 部屋番号を確認したら部屋番号は自分の部屋だ。 あれ?あのおじさんは何で俺の部屋に居るんだ。 間違えて入ったのか?もしかして強盗か? 警察を呼ぶか…? パニックになりながらもとりあえずは様子を見てみようと、ドアノブに手をかけた。 あれ?鍵が閉まってる。

      • 車中泊

        大学生の頃の話。 万年金欠だった僕は友人のツテで、 深夜0時から朝の5時まで 大根の収穫のバイトをすることにした。 収穫作業と深夜の作業に慣れてきたある日、 いつもよりかなり早めにバイトが終わった。 いつもならバイト先から直で大学に向かってたが、 流石に今から向かうには早すぎる。 「どっか仮眠できるとこないですかね?」 先輩たちに聞いてみると、 バイト先近くのコンビニがいいと皆口を揃えて言う。 言われたコンビニに着くと納得した。 駐車場が広いし照明も少ない。 これは仮眠

        • 幸せな景色

          大雪の中、山道をひたすら運転していた。 進むにつれて道は険しくなり、雪もひどくなっていく。 「大丈夫?やめとく?」 助手席の彼女が心配そうに声をかけてくれた。 僕はただ首を振ってハンドルを握る。 予定よりも遅れてしまったが、なんとか目的地の温泉宿に辿り着いた。 客室についている露天風呂に2人で一目散に飛び込んだ。 幸せそうに笑う彼女、 露天風呂から見える綺麗な雪景色、 本当に来てよかった。 心からそう思った。 凄く幸せな夢を見ていたはずなのに、 最悪な気分で目が覚めた。

        マガジン

        • 令和四年度自画自賛怪談集
          21本

        記事

          返答

          真夜中に目が覚めた。 目だけは動くが身体は動かない、金縛りだ。 怖さはあったが、生まれて初めての体験に興奮も覚えた。 しばらくキョロキョロと辺りを見回していると、 上からゆっくり黒い影が落ちてきた。 初めのうちは何か分からなかったが、 影が視界の半分まで落ちてきた辺りで正体が分かった、女の足だ。 「首吊りだ!!」 思わず叫ぶと金縛りは解けた。 その日は一睡もできなかった。 日が登ってしばらく経つと、 恐怖心よりも同情が強くなってきた。  天井に向かい、手を合わせて呟いた。

          youtuber

          「○○チャンネルのAさんですよね!」 街で時々声をかけられる。 「違います。」 もう何度も繰り返した会話だが、流石に嫌になってきた。 どうやら自分に似ているyoutuberがいるらしい。 あまりにも間違われることが多いので、 どれくらい似てるのか、 どんなチャンネルなのかが気になり調べてみたが、 何度調べても○○チャンネルもAという人物も見つからない。 「○○チャンネルのAさんですよね!」 何度も言われてきた固有名詞を間違える訳がない。 不思議に思いながらその日は調べるの

          叫ヶ原

          犬の散歩で河川敷を歩いてると、 川の方から甲高い叫び声が聞こえた。 何事かと急いで駆け寄ろうとしたが、 リードが動かない。 犬の方を見ると怯えた様子で叫び声と逆方向に走り出そうとしている。 何度もリードを引っ張っても動いてくれないので、 どうしたものかと悩んでいると、 今度は川と逆方向から叫び声が聞こえてきた。 あれ、おかしいな。 子供のいたずらか何かか? 今度は真後ろから叫び声が聞こえた。 驚き振り返るも後ろには誰もいなかった。 このブログで掲載している怪談は99%フィク

          動く献花

          友人のMさんの話 いつも通りの通学路、いつも通りの交差点でいつも通りじゃないものを見つけた。交差点脇に菊の花束が置いてある。昨日まではなかったはずだ。死者が出るような大きな事故があれば、近所に住んでいる自分の耳に入りそうなものだが、そんな話は誰からも聞いていない。学校に着いたら誰かに聞いてみようと思ったが、学校に着くと今朝のことは完全に忘れてしまい、そのままいつも通り帰宅した。 次の日の朝、家を出て5分くらいの小さな交差点で菊の花束を見つけた。2日連続で献花を見かけてしま

          花束を貴女に

          Mさんには彼氏がいた。イケメンとは言えないが誠実で笑顔の素敵な彼で、毎年記念日には家までキキョウの花束を渡しに来てくれた。 付き合って4年の記念日の朝、彼氏から電話があった。 「大切な話があります。今晩会えますか?」 緊張した声色で分かった、きっと私はプロポーズされる。喜びと緊張を抑えながら了承し、そのまま仕事にでかけた。その日は一日仕事に手が付かなかった。 仕事が終わり、家で彼からの連絡を待った。初めのうちは何かサプライズを考えてくれてるのかと、楽しみに待っていたが、2

          飼育箱

          「私の飼育箱知りませんか?」 塾の帰り道、背の高い女に声をかけられた。 飼育箱…? 飼育ケースとか虫籠なら分かるが、 飼育箱ってのは初めて聞いた。 「いえ、知りません。」 質問に答えると女は何も言わずに立ち去った。 しばらく経ったある日、 前回遭遇した道と同じ道でまた女に声をかけられた。 「私の飼育箱見てみませんか?」 え、どういうことだ。 戸惑っている私の前に女は木箱を差し出した。 木箱は片手サイズの小汚い小さな立方体で、 中に生き物が入っている様には見えない。 飼育箱

          20

          竹書房怪談文庫怪談マンスリーコンテスト12月度 佳作受賞 「20歳くらいの時、事故か何かで生死を彷徨ったことはありませんか?」 手相を見てもらった際に占い師に言われた。 20歳どころか今まで事故とも病気とも無縁な生活を送ってきた。そのことを占い師に伝えると、驚いた表情をしている。 「いや、貴方の生命線は20歳くらいで切れてるんですよね。」 そうは言われても本人は健康体で生きている。手相占いなんて当てにならないなとAさんは帰宅した。 それからしばらくしてAさんは彼女の付き添

          騒音トラブル

          ある日を境に隣の部屋から夜な夜なアコースティックギターの音が聞こえてくる様になった。 夜遅くにほぼ毎日聞こえて来るギターの音は僕を悩ませ、イラつかせた。 隣の部屋に文句を言いに行くか悩んだが、 文句を言うのも勇気がいる。 気が弱い僕は何も出来ずにギターの音色を聞き続けた。 ある晩、チャイムが鳴った。 誰だろうとドアスコープを眺めてみると隣人がいた。 何か用事だろうか? せっかくだからやんわりギターの件も伝えよう。 「毎日ギターがうるさいんだよ!」 ドアを開けた瞬間に隣人に

          覗き穴

          小学校の教師をしてるAさんからの話。 Aさんの勤めてる学校の女子達の間で怪談話が流行した。 女子便所のとある個室の壁に穴が開いていて、 そこから時々誰かが覗いているという内容だ。 日が経つにつれてちょっとした騒ぎになるレベルにまで怪談話が広がってきた。 このまま放置すると授業に影響がでる可能性がある。 教師陣で話し合った結果、壁の穴にテープを貼ろうということになり、Aさんがテープを貼ることになった。 噂を沈めるいい機会だと、穴にテープを貼る際にAさんはクラスの女子達を

          ギャンブルをしない理由

          私の元上司のMさんは絶対にギャンブルをしない。 酒飲みでヘビースモーカーで風俗大好きで、 間違いなくギャンブルもしてそうな方だが、 ギャンブルだけは絶対にしない。 「昔はよくしてたんだけどな。」 Mさんがギャンブルを辞めた理由を教えてくれた。 Mさんが初めてギャンブルをしたのは大学生の頃だ。 友人に誘われて初めてパチンコを打った。 結果は大勝ちだった。 友人に誘われてまたパチンコ屋に行った。 前回同様大勝ちだった。 競馬に競艇、麻雀…。 誘われてしてみると全てにおいて大

          ふとした疑問

          ガッガッガッ…。 時々、真夜中に騒音で目を覚ます。 音の正体を確かめようとしても、 身体はもちろん、目すらも動かせない。 ガッガッガッ…。 初めの方はよく分からない音に怯えたが、 繰り返す度にだんだん慣れてきて次第に気にならなくなってきた。 ガッガッガッ…。 その日も同じように異音に起こされて、 同じように金縛りにあい、 同じ様に気を失って朝になった。 ガッガッガッ…。 朝になり、ふとした疑問が頭をよぎった。 身体を全く動かせないから、 音の正体もどこで鳴ってい

          百鬼夜行

          A君はその日初めて大きな仕事を任された。 いつもなら地元から出ることはほとんどないが、 その日は車を走らせK県に向かう必要があった。 慣れない長距離運転で疲れながらもなんとかK県に到着し、無事に仕事も終わらせた。 予約していたホテルにチェックインし、 眠りにつこうとするも、目が冴えて眠れない。 運転や仕事で体は疲れ果てているのにな。 無理矢理にでも眠ろうと1時間ほど苦戦したが、 結局眠れなかったので、外を散歩することにした。 繁華街の近くのホテルに泊まっていたので、