真夜中に目が覚めた。
目だけは動くが身体は動かない、金縛りだ。
怖さはあったが、生まれて初めての体験に興奮も覚えた。

しばらくキョロキョロと辺りを見回していると、
上からゆっくり黒い影が落ちてきた。
初めのうちは何か分からなかったが、
影が視界の半分まで落ちてきた辺りで正体が分かった、女の足だ。
「首吊りだ!!」
思わず叫ぶと金縛りは解けた。
その日は一睡もできなかった。

日が登ってしばらく経つと、
恐怖心よりも同情が強くなってきた。 
天井に向かい、手を合わせて呟いた。
「成仏して下さい。」
「お前のせいだろ。」
か細い女の子声だった。

もちろん心当たりは全くない。

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