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足を止め、ほぉっと溜息をつかせる美しさ。

出社日だった昨日、地元の駅につき帰路につこうとしている時、いやに足を止めて上を眺めている人が多いことに気が付いた。

人々の視線に誘われるように視線を上げてみれば、成る程。ため息を溢してしまうような、煌々という言葉がまさにお似合いの月が出ていた。

雲が薄いのか、月が放つ光が強いのか、月の周辺はそこだけにスポットライトを絞っているかのように明るい。

小説の中に「月明かりを頼りに」といった表現が度々登場するが、これだけの明るさの月であれば、その表現通り頼もしい明るさだ。

時折り月にかかる雲のコントラストが美しい。色がある世界なのに、水墨画のような淡い濃淡を眺めていたら、
「秋風に たなびく雲の絶え間より もれ出づる月の影のさやけさ」
百人一首の中の一首を思い出した。

昔の人の表現力って素晴らしい。
30文字ほどの短い表現の中に情景が浮かぶだけの情報や想いが詰まっている。
そしてそれは、時代を超えても遜色せず通用している。ほんと、言葉を操る能力に長けている。
正直少し羨ましい。

今宵の月も綺麗だった。
昨日より黄色が濃い感じがして、より近くに迫ってきている気がしたけれど、それは私の感覚かもしれない。
ただ、私個人の意見としては昨日の雲がかかっている月の方が趣きがあって好みだったりする。
明日はどんな月が見れるだろう。ちょっと楽しみ。

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