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「忘れない記憶術」 最大効率の復習スケジュール

【この記事のまとめ】
記憶が忘れる寸前のタイミングで組まれた復習スケジュールをもとに、忘れないための最大効率の勉強をする


ここまでの記事では「覚える記憶術」を使った「勉強のシステム作り」を行いました。

ここで整えたのは覚えやすい環境やテクニックですね。




では、実際に記憶の定着に最も重要なポイントは何だったでしょうか。


【記憶したいときの最重要ポイント】
記憶の定着は、情報を思い出すごとに深まっていく。



『勉強前の用意』で、記憶の定着に効果的な作業を行いました。

『勉強中の工夫』で、「検索練習×テスト効果」を意識しながら勉強をしました。

『勉強後の整理』で、脳のスイッチを切り替えながら過ごしました。


最後は、この勉強で理解した内容の記憶を何度も呼び覚まし、いったん切り開いた物事の理屈や意味にたどり着くまでの道を強く・太く補強していく作業です。


今回は「思い出すこと」、つまり「復習」により焦点をあてた実践テクニックです。


ここでの最重要ポイントは「復習のタイミング」です。

たしかに、情報は思い出すたびに記憶の定着を深めていきます。

ですが、勘違いしがちなのはそのタイミング。


最も記憶に残りやすい思い出し方は、多くの人が一度は体験するであろう、「あの現象」が起きる瞬間です。

以前と同じ後悔をしないためにも、その瞬間を掴んでモノにしましょう。


「忘れないための記憶術」を使って、知識を編む

勉強を楽しく、そして楽しめている自分を好きになる。
そんな日々が送れている今の生活は、とってもたのしい毎日です。


【記憶術シリーズ】
「記憶術」イントロダクション 
「覚える記憶術」勉強前の用意 
「覚える記憶術」勉強中の工夫  
マインドマップの強力な効果と使用アプリの紹介
「覚える記憶術」勉強後の整理 
「忘れない記憶術」最大効率の復習スケジュール ←イマココ! 
「忘れない記憶術」最短10秒の復習テクニック


「忘れる」ことの重要性

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「記憶術」初回にも触れましたが、軽くおさらいしておきます。


人間は基本的にいろんなものを忘れながら生きています。
脳が「いらない!」って判断した情報や、「めんどくさい!」って思った情報は即刻ゴミ箱にポイされていきます。


ただし、いつもなら忘れることも、「思い出す」過程を経ることで記憶に残ります。言い換えると、「忘れる」とは「記憶する」ために必要な要素だということがわかります。

そもそも「忘れる」とはどういうことでしょうか?

復習テクニックの前に、これを考えてみます。



記憶はスーッと消えていく


一時的に覚えている情報、つまり短期記憶は1分程度で消え去ってしまいます

消え去るのですが、記憶の消え方には特徴があります。


記憶はスーッと消える」という点です。
言い換えると、「記憶はパッとは消えない」といえます。


例えば、日本地図がわからない人に「島根の右隣が鳥取!」って情報を与えますよね。

1秒後に同じことを言わせると、きっとそのまま繰り返すことができるでしょう。1分後に言わせると、中には答えられる人もいるでしょう。
10分後に言わせると、ほとんど言えないのではないでしょうか。


こうしてスーッと忘れていく情報を引き出そうとする瞬間、それが「あの現象」です。


【あの現象】
「いや〜思い出せそうなんだけどな〜〜!!!ここ(のど)まで出てるんだけどな〜〜!!!」


あの現象」とはつまり、「思い出せそうで思い出せない瞬間」のことです。


結論をいうと、「思い出せそうで思い出せない瞬間」に思い出すこと
これが「最も記憶に残りやすい復習のタイミング」になります。


ポイントは2つあります。

1つは、狙うべきは「忘れるギリギリのタイミング」という点です。

なぜなら、記憶から完全に消え去った後には何も思い出すことができないからです。当然ですね。


もう1つは、「自力で思い出す」という点です。


【思い出そうとして思い出す瞬間】
「あっ!思い出した!!」


この感覚が重要です。

反対に、思い出せそうな記憶に答えを見て思い出すと、効果は薄くなります


このことから、次に紹介する実践テクニックに話が繋がります。

つまり、忘れかけた瞬間に復習できるように勉強のシステムを作ればいいんじゃない?というのが今回のお話しです。



POINT①

・人は忘れる生き物であることを認識
・「記憶する」ためには「忘れて思い出す」ことが必要
・「思い出せそうな瞬間」を狙って復習



情報を忘れるギリギリの瞬間!

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では、この復習の要ともなるタイミングについて紹介します。


【復習のタイミング】
1回目の復習:20分後(勉強の20分後に復習)
2回目:1日後 (勉強した日の1日後に2回目の復習)
3回目:7日後 (2回目の復習をした日の7日後)
4回目:16日後
5回目:35日後
6回目:62日後


これは、勉強が終わってからこのタイミングで復習をすれば忘れないための復習ができる!というものです。

このタイミングは「ウォズニアック法」と「エビングハウスの忘却曲線」をかけ合わせたものです。


「ウォズニアック法」は、「人が記憶が90%程度薄れるまでの平均期間」の統計をもとに作られた復習のタイミングになるそうです。


「エビングハウスの忘却曲線」は、話を聴いた直後の記憶を100%とすると「20分で42%忘れる」「60分で56%忘れる」というように、記憶と忘却の関係を時間で表したものです。


例えば本を読んでいて、1ページめくった直後でも「あれ、今何が書いてあったんだっけ?」となるほどに、文字だけの情報は特に頭に残りにくいです。

そのため、勉強後すぐは最低1回は復習することをおすすめします


学校の先生が「その日のうちに復習しとけよ」って言うのを聞いたことがあると思いますが、あれは科学的にも正しい復習のタイミングだったのです。

なぜなら、その日のうちに学んだことの半分以上は抜け落ちてしまうからです。


ただし、上記のスケジュールはあくまで忘れるタイミングの目安に過ぎません。

そのため、まずはこのスケジュールに沿った復習を行ってみて、徐々に自分に合ったタイミングに調整していきましょう。


自分に合ったタイミングとは、学んだことが思い出せそうで思い出せなくなるタイミングです。


例えばぼくは、概ねこのスケジュール通りに復習を行います。

今日はテーマAを勉強したとして、復習する日にちを見てみましょう。


11/27 テーマAを勉強
同日   テーマAの1回目の復習
11/28 2回目の復習
12/4   3回目の復習
12/13 4回目の復習
1/1      5回目の復習(さすがに元旦は勉強しないはず…)
1/28   6回目の復習


実際には毎日勉強しているため、日々の勉強+過去の復習が重なってきます。


しかし勉強した内容によっては、2〜3回の復習でもなかなか覚えられないものもあります。

そういったときには、そのテーマだけ1日ごとの復習に切り替えます。


毎日の復習スケジュール通りの復習の切り替えは、作ったマインドマップの大きな要素が思い出せるかどうかが目安になります。

※マインドマップについては以下で解説しています


なぜなら、マップ上の大きな要素を覚えているタイミングでは、自然と関連知識(細かな要素)も芋づる式に出てくるようになってきているはずだからです。


それでもなかなか覚えられない場合は、1日の復習を2〜3回に増やしてみましょう。

ぼくがまだ復習に慣れていない数ヶ月前は、だいたい1日で同じテーマを3回復習していました。

今では自分のやりやすいやり方に落ち着いています。


つまり、最初はスケジュール通り、慣れたら徐々に自分なりのタイミングとやり方を見つけていくのがいいでしょう。


POINT②

・忘れるタイミングで組まれたスケジュールに沿った復習
・自己流を身につける



まとめ

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今回は、学んだことを忘れるまでの平均時間をもとに作られた復習タイミングを紹介しました。


【覚えるために忘れる】

・記憶はスーッと消えていく
・忘れる寸前に思い出すのが最も記憶に残りやすい
【忘れる寸前を押さえた復習スケジュール】

1回目の復習:20分後(勉強の20分後に復習)
2回目:1日後 (勉強した日の1日後に2回目の復習)
3回目:7日後 (2回目の復習をした日の7日後)
4回目:16日後
5回目:35日後
6回目:62日後


勉強だけでなく、本を読む人にもおすすめです。

このテクニックを使って、学んだことを吸収しまくる最大効率の勉強をしてみましょう。



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参考文献


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