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「覚える記憶術」 勉強前の用意

【この記事のまとめ】
好奇心と既知情報とのギャップを利用して、勉強前に記憶力を高める準備をする


さあ勉強を始めるぞ!と思った時、人それぞれに準備をしますよね。


【勉強の準備】
・カフェや図書館に行く
・コーヒーを入れる
・机周りを片付ける など


今回はそんな勉強前の準備の中でも、記憶の定着に効果があるとされているものを3つ紹介します。


結論から先に言うと、以下の3つになります。

【記憶の定着に効果がある3つの準備】
・好奇心を刺激する
・「どうなんだろう?」を作り出す
・自分と関連づける


これからそれぞれ説明していきますが、ポイントは「感情」と「知ってる情報」を呼び覚ますことです。


これらを勉強の前に作り出すこと、つまり準備に時間を使うことで、勉強の効果を底上げさせるのが目的です。


【記憶術シリーズ】
「記憶術」イントロダクション 
「覚える記憶術」勉強前の用意 ←イマココ!
「覚える記憶術」勉強中の工夫
マインドマップの強力な効果と使用アプリの紹介
「覚える記憶術」勉強後の整理
「忘れない記憶術」最大効率の復習スケジュール 
「忘れない記憶術」最短10秒の復習テクニック



勉強前に面白そうな作品を見る

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まず1つ目の準備です。


【好奇心を刺激する】
勉強前に10分程度、好奇心を刺激するものを見る


以下のようなことが一例です。


・続きが気になりそうな漫画を1話だけ読む
・展開がわからないアニメやドラマを1話だけ見る
・YouTubeの動画タイトルとサムネだけ見る など


このように、興味の湧くもの、気になるものに触れることがポイントです。


なぜこのような好奇心の刺激が、記憶の定着に効果があるのか説明します。

人間は好奇心を刺激されると、脳の「報酬系」というエリアが活性化します。その報酬系の隣には、記憶に関わる「海馬」が存在するため、刺激を受けた「報酬系」と連動して、「海馬」も動きが活発になります。

このことを研究したチームの報告によると、報酬系を刺激した後の学習の記憶力は2倍になることがわかっているそうです。


机に向かってすぐに勉強のスイッチが入らない方は、まずは10分ほどこの方法で好奇心を刺激してみてはどうでしょうか。



POINT①

・漫画などの続きが気になるもの、興味が湧くもので、報酬系を活性化
・勉強前の好奇心の刺激で記憶力2倍!



「知識の空白」をあえて作る

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脳は「知識の空白を埋めたがる性質」を持っています。


例えば、去年「100日後にしぬワニ」という作品が大流行しましたね。初見で見た人は、「こんな日常のほのぼのした漫画でほんとに死ぬの?どうなるの?」って気になっちゃったから、世間的にもあんなに注目されたわけです。


なので、知らないことが気になってしまう脳の性質を勉強に応用することで、記憶の定着に役立てようというテクニックです。


【どうなんだろう?を作り出す】
勉強前に「知りたいこと」を書き出して、内容の予想をする


これによって、「答えが気になる状況」をわざと作り出します。さっきの好奇心と記憶の話にも重なる部分がありますね。それだけ、人間の脳は興味や関心というポイントに反応しやすいのです。


具体的には、以下の手順で進めてみましょう。
(使う教材は本を想定しています)

①本の周辺情報を調べる(目次・書評・著者プロフィール・前書きなど)
②そこから「知りたいこと」を書き出す(確証バイアスとは?など具体的に)
③答えを予想する(直感でも適当でもいい)


答えを予想することの意味は、合っていようが間違っていようが、実際に答えを知ったときの感情をより大きくするためです。「キュリオシティ・ギャップ」というテクニックだそうです。


知らないことを知ったときの感情の動きが重要なポイントです。なので感覚としては、「あ〜そういうことね!」を狙って作り出すイメージです。

知りたいことは自分にとっての新情報になるため、欲しい情報への関心をピンポイントで書き出します。こうすると、100%無駄にならない勉強をすることができます。


ちなみにこの方法は、読書にも同様に使うことができます。


こちらでもう少し詳しく手順を解説しています。



POINT②

・「知りたいこと」を書き出して知識の空白を作る



知ってる情報と結びつける

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これは、先ほどの「好奇心」と合わせてやると効果的だと思います。


人間の記憶は、もともと持ってる古い情報と新しい情報を結びつけながら覚える仕組みになっているそうです。

なので「あえて知ってる情報を抜き出す」ことで、これから学ぶ新しい知識を呼び込みやすくするのが、ここでのテクニックになります。


【自分と関連づける】
勉強前に「知ってる情報」を抜き出して、周辺情報と結びつける


具体的には、以下の手順で進めてみましょう。
(使う教材は本を想定しています)


①本の周辺情報を調べる(目次・書評・著者プロフィール・前書きなど)
②各章の最初と終わりを読んで、書かれてそうな内容を確認する
②そこから「すでに知ってること」を書き出す


前述したように、脳は自分に関係する情報を残しやすいです。

全く知識がない本でも、何かしらの情報を自分と関係づけることで、理解と記憶の両方に役立てるテクニックです。


補足すると、「すでに知っていること」はどんなことでも大丈夫です。

例えば「健康管理には腸内細菌が重要」的な内容の本であれば、「腸にいい食べ物といえば納豆とか…?」程度で構いません。全く知らない分野でも、できるだけ何かしらの既知情報を引き上げてみましょう。


やってみるとなかなか時間のかかる作業ですが、本を速く効果的に読む「読書術」にも関わってくるので、ぜひ実践してみる価値はあると思います。


POINT③

・「知ってること」を書き出して自分の知識と結びつける



まとめ

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この記事では「勉強前の準備」として、3つの方法を紹介しました。


【好奇心を刺激する】
勉強までに、漫画を1話だけ読むなどして好奇心を刺激する
【どうなんだろう?を作り出す】
勉強する範囲をざっとみて、「知らない情報」を書き出す

【自分と関連づける】
勉強する範囲をざっとみて、「知ってる情報」を書き出す


いずれも記憶の定着につながる作業になります。

慣れないうちはちょっと手間に感じるかもしれませんが、その効果は抜群なのでぜひとも覚えておきたいテクニックになります。


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参考文献



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