プロダクトデザイン部に専門チームが爆誕!その構想から第一歩を踏み出すまでにやったこと
こんにちは。Chatworkプロダクトデザイン部マネージャーのもってぃー(@87_lab)です。
<告知>10/7(金)にChatwork主催のオンラインカンファレンス、『Chatwork Product Day 2022』が開催されます。ご興味ある方、ぜひご参加を!
さて、Chatworkにジョインして1年数ヶ月。メンバーの数も倍増し、やれること・やりたいことも少しずつ増えてきました。
今回は、構想から半年。今年の上期に爆誕したプロダクトデザイン部の専門チームについてお話しようと思います。
新チーム構成と役割
これまでの以下の形を
このように変えました。
各々の役割は以下の通りです。
UX戦略チーム:施策の元となるユーザー課題やコンセプト策定
UXリサーチチーム:探索型/検証型リサーチや各プロジェクトにアサインされたUIデザイナーのリサーチ活動サポート
デザイン基盤チーム:UIデザインや実装に必要なルール/ガイドラインの策定や各プロジェクトにアサインされたUIデザイナーの仕様策定やドキュメンテーションサポート
UIデザインチーム:各プロジェクトでのUX/UIデザイン
なぜ専門チームが必要なのか?
専門チーム化の理由は大きく3つあります。
順に詳しく説明します。
UXデザインをベースにした施策立案をできる体制がない
わたしたちデザイナーが取り扱っている施策は、定量分析によって発見されたペインポイントの解消や、ビジネス上または技術上必要な打ち手が主で、HCDプロセス上段の現況理解やその分析結果に紐付いたものが少ないというのが現状です。
まずは当たり前品質を目指すというフェーズではあるものの、現状の組織構造では先々必要になったときにUXデザインの力で根本的な改善施策を生み出すことができません。
そろそろ準備が必要であると、入社数ヶ月観察した上で感じました。
このままでは「なんでも屋」しか育たない
これまで、PMが立案した施策(プロジェクト)に対してアサインされたデザイナーが、UX〜UIデザインおよびアセット制作までを一気通貫で実施していくスタイルでした。
幅広い業務を経験できるというメリットはあるものの、得意不得意に関わらず一様に学習しなければいけないツラみや、得意領域の専門性を高められないデメリットがあり、結果行き着く先は
なのではないかと危惧しました。避けたい。
※職域やキャリアパ スについては過去に詳しく書きました。よろしければ👀
まっとうなプロセスや役割を許されたデザイン組織はまだまだ少ない
「UX」や「デザイン思考」がビジネスワードとして持て囃されたお陰で少しずつ市民権を得つつありますが、UXデザイン周辺活動は企業において「コスト」と捉えられがちな上、明確な効果を証明しづらいため、積極的にビジネスに導入できている事例はまだそう多くはありません。
ヨチヨチ歩きの我々が社外の方から「まっとうですね」と評価していただけるのは、実は周りに成功例が少ないせいかもしれないなーと思います。
というわけで、組織や仕組みを整えていくことで社内への啓発や社外へのアトラクト効果も副産物的に発生すると良いなぁと思っています。
専門チーム化にあたってやったこと
理想の組織構造を描いてみる
職域を分けて専門チーム作るぞ!と決めて最初に取り掛かったのは「理想の組織構想」のモデルを作成することでした。
最低限の実現性(Ex.本部の組織構想に則るとか)はもちろん考慮しますが、
人が全然足りない、とか
そんな大きな裁量持ってない、とか
一体何人の人を説得せねばならんのか、とか
難しいことは全部一旦ムシして描きました。ムシしないと描けません。
最終形態に向けた登り方を設計する
妄想の組織図をいきなり目指すことは無謀なので、登り方を設計しました。最終形態から逆算して三段階に分け、実現性が高くて比較的動きやすいチームから形にしていくという作戦です。
その結果、まずは「UXリサーチチーム」と「デザイン基盤チーム」を先行してチーム化し、半年遅れて「UX戦略チーム」の立ち上げに着手という計画になりました。
まだ道半ばですが、現状その手順に問題はなかったように思います。
チームリーダーを決める
箱ができたところで、それらを動かしてくれるリーダーを決めました。リーダーの条件としては
を必須条件としています。
担当領域に対してモチベーション高く学ぶ姿勢や「先々こうしたい!」という理想を持っている点が重要だと思っていて、必ずしも現時点で相当に高い専門スキルを持っている必要はないと考えています。
今回お願いしたリーダーはその条件をクリアしていて、かつ既に一定の専門知識を持っているので、安心しておまかせできました🙌
チームメンバーを決める
適性を見つつではありますが、基本的には本人の意向を優先して目標面談の場でメンバーを決めていきました。
まだ軸足を決めかねていたり、そもそも職域全般を経験できていないメンバーが多いため、色んなチームをウロウロしながら得意なことややりたいことを探してもらえればいいなぁと思っています。
それこそが、専門チーム化の重要な目的でもあります。
各チームで中期的/短期的なロードマップを作る
組織構造を設計したときと同じく、各チームで先々の野望から逆算してロードマップを作ってもらっています(進行形)。
表札はあるものの、何を目指すのか、どう歩んでいくのかは白紙の状態でスタートしています。チームビルディングも兼ねて、各チームが以下に取り組んでいるところです。
中期的/短期的なゴール設定
チーム目標とチームロードマップ作成
機能の明文化とタスク設定
アウトプット例洗い出し
担当割り振り
個人目標への落とし込み
ステークホルダーの洗い出し
専門チーム化の課題と今後の展望
絶賛発展途上の専門チーム化ですが、現状既にいくつかの課題を抱えています。例としては
連携する他部門との認識齟齬
他部署の類似機能とのコンフリクト
専門知識がない人への必要性の啓蒙
といった組織的な課題や、
求められるレベルが高まることによって発生しうるスキル不足
他専門領域への移行ハードル
担当外業務への当事者意識の欠如
といった、育成や各個人のスキルに関する課題が挙げられます。
チーム内外での仕組み化やロードマップへの組み込みなど、チームリーダーたちやメンバーたちとあーでもないこーでもないしながら手立てを考えていきたいと思います。試行錯誤あるのみ!
今後も引き続き、デザイン組織の変遷について投稿していく予定です。
専門チームに関心をお持ちの方は、UXリサーチチームリーダーのこの記事もぜひ読んでみてください。
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