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お天道様はいつも見ている。だけど、雨の日は少し特別。
梅雨というが、常に雨が降っている訳ではなく、たまに梅雨を忘れさせるくらいにカラッと晴れる日がある。
久々の天気だと気を許してしまい、天気予報も見ずに外に出てしまうことがあるが、妻はその典型だ。これまでもそういう時に、よく傘を届けに駅まで歩いたものだ。
しかし、うっかりしているが、基本はしっかりものの妻だ。梅雨の時期なんだから、折り畳み傘くらいはカバンに潜ませているだろう。
妻は朝から会社に出
きみのくせはなんですか
もうかれこれ1時間だろうか。
家に帰ってきてから、ずっとじゃれている飼い猫もついにそっぽを向いた。遊んでいた猫じゃらしを片手に、寂しくなる。
付き合って2年目。彼女から別れ話を切り出された。なんとか粘って関係は維持できたが、今後も維持できるかというと、心許なさすぎる。
初めてキスをした時、家に泊まった時、手料理を振る舞ってくれた時、旅行した時、デートをした時…
彼女と同じものを見て、同じ気持
「今日は、月が綺麗だよ」
◯ある男の話
「今日は、月が綺麗だよ」
そのたった10文字足らずが遅れずに早1時間。僕はずっと彼女とのトーク画面を見つめている。
「彼女」と一言で言ってもお付き合いしていたりする訳ではなく、ただの「女友達」である。“まだ”、な。そう、僕はいつか彼女に告白して交際を申し込む心づもりだ。でも、それは今ではないし、さらには(かの文豪には申し訳ないが、)こんなキザったらしい遠回しな言い回しを使いたく