kira-kira大人絵日記

kira-kiraはインドネシア語でだいたい。 遊び心を持って、それぞれの趣味の創作記…

kira-kira大人絵日記

kira-kiraはインドネシア語でだいたい。 遊び心を持って、それぞれの趣味の創作記録。 2021/03/13開始

マガジン

  • kira-kiraの雨

    『雨』をテーマに「kira-kira大人絵日記」の各々が作品を出しました。それぞれの違った、作品のテイストだけでなく、『雨』への焦点の当て方も楽しんでもらえたら幸いです。

最近の記事

雨の日の過ごし方

休みの日だからもうちょっとゆっくり寝てもいいのに、いつもの時間に冴える朝。 6時台かな、布団の中で雷鳴を聞いた。 ベランダに滴り落ちる雫と路面を走行する車のシャーっというしぶきの音が、私に雨を告げる。 そっか、今日は雨なのか。 雨というと外出の際に衣服や持ち物が濡れてしまったり、洗濯物の観点からしてもやはり乾きづらかったりするので、 (やろうとしてたことができないなー) という思いに駆られるのがしばしばある。 でも、本当にそうだろうか。 雨という天気が単なるネガテ

    • お天道様はいつも見ている。だけど、雨の日は少し特別。

      梅雨というが、常に雨が降っている訳ではなく、たまに梅雨を忘れさせるくらいにカラッと晴れる日がある。 久々の天気だと気を許してしまい、天気予報も見ずに外に出てしまうことがあるが、妻はその典型だ。これまでもそういう時に、よく傘を届けに駅まで歩いたものだ。 しかし、うっかりしているが、基本はしっかりものの妻だ。梅雨の時期なんだから、折り畳み傘くらいはカバンに潜ませているだろう。 妻は朝から会社に出かけたが、僕はのんきに在宅勤務。 長男も長女も大学生になると、家を出て、地方の

      • 幸せに雨をそえて。

        ごーごー、ひゅ、ごーばちばち 暗い部屋で布団を被ってぼおっとその音を聞く。 眠れない。 目を閉じても次々と不安がよぎり、寝付けないのだ。誰かに話を聞いてもらおうと鳴らした電話も電子音が響くだけだった。 ため息をつく。 天井を見つめる。 目を閉じる。 眠れない。 ため息をつく。 ずぅっとこの繰り返しだ。 もう諦めて、いっそのこと起きて課題でもやっていれば眠くなるだろうと、部屋の明かりを付けようとした時、ずっと握りしめていた端末が震えた。 見ると、先程不在着信を残し

        • きみのくせはなんですか

          もうかれこれ1時間だろうか。 家に帰ってきてから、ずっとじゃれている飼い猫もついにそっぽを向いた。遊んでいた猫じゃらしを片手に、寂しくなる。 付き合って2年目。彼女から別れ話を切り出された。なんとか粘って関係は維持できたが、今後も維持できるかというと、心許なさすぎる。 初めてキスをした時、家に泊まった時、手料理を振る舞ってくれた時、旅行した時、デートをした時… 彼女と同じものを見て、同じ気持ちでいると知れることが嬉しかった。同じ気持ちと伝えてくれることに安心していた。な

        雨の日の過ごし方

        マガジン

        • kira-kiraの雨
          3本

        記事

          「今日は、月が綺麗だよ」

          ◯ある男の話 「今日は、月が綺麗だよ」 そのたった10文字足らずが遅れずに早1時間。僕はずっと彼女とのトーク画面を見つめている。 「彼女」と一言で言ってもお付き合いしていたりする訳ではなく、ただの「女友達」である。“まだ”、な。そう、僕はいつか彼女に告白して交際を申し込む心づもりだ。でも、それは今ではないし、さらには(かの文豪には申し訳ないが、)こんなキザったらしい遠回しな言い回しを使いたくはないのだ。僕はいづれは正々堂々彼女に愛を伝えてみせよう。ただそれは今じゃないが

          「今日は、月が綺麗だよ」

          カメラさん

          私のパパはお友達がいっぱいだ。 よく色んな人が家に来ては一緒にご飯を食べたり、遊んだりしてくれる。 カメラさんもその1人。 若い女の人で、名前は分からないけれど、いつもカメラを首からぶら下げて、どんなものでも撮っている。 畳の上で、カメラさんが、ママと一緒に作ったおもちゃをパシャリ。 「何撮ってるの?」 「手作りのおもちゃだよ。これ、作ったの?」 「うん、ママと一緒に作ったの!」 「凄いねー!うん、これがいいんだよね。」 キッチンで、カメラさんが、シンクに向

          彼のイタリアン、私の焼きサンドイッチ

          彼は料理好きだ。 もともと私は料理が出来なかったけれど、彼のおかげで少しづつではあるけど、上達してきた。 昨日は私の誕生日ということで、遠くに住んでいる彼が家に来て、手料理を振舞ってくれた。 彼は大企業の営業として働いてる。 そのくせに、私の好みの味のイタリアンを作っては喜ばせてくれる。彼のイタリアンを食べてから、私は職場の近くにお気に入りのイタリアンレストランを見つけた。 彼の味そっくりだったから。 私も彼を料理で喜ばせたい。 最近はその想いで、色々な料理雑誌や料理

          彼のイタリアン、私の焼きサンドイッチ

          なんとも言えない感情は受け止めてくれるだけで嬉しい

          仕事終わりに帰宅して19時。 近所のスーパーの閉店時間の20時まではまだかなり余裕がある。 あたりは暗くなってきたけど、街灯のおかげでそこまで真っ暗でもない。 前に購入したビニールのレジ袋を、コートのポケットに入れて、スーパーに行く。 ふと、家の間から見えた月に視線が奪われる。 “今日は月が綺麗だなあ。” あんなに月って大きかったっけ?って思うくらいには大きい。 綺麗な満月だった。 よく、話の展開では、満月の夜には何かが起こるが、確かにそれだけの魔力というか、魅力は秘

          なんとも言えない感情は受け止めてくれるだけで嬉しい