石田五十六

飛騨生まれ飛騨育ちの生粋の飛騨人。サラリーマンとして公私を含め44都道府県に足を踏み入…

石田五十六

飛騨生まれ飛騨育ちの生粋の飛騨人。サラリーマンとして公私を含め44都道府県に足を踏み入れる。 帰郷後、飛騨と越前のそばを交配「飛越1号」の名で農水省に品種登録、仲間と「奥飛騨朴念そば」の商標名で乾麺・生麵を広く提供中。著書:そば読本(中日新聞社)、オケラの戯言365話(幻冬舎)

最近の記事

68、正統と正系の証明/中国王朝の宿命

思えば、中国はお気の毒な国である。 中国の農民反乱の祖?である陳勝によって言われたという「王侯将相いずくんぞ種あらんや」の根幹は、「家系・出自クソ喰らえ」という庶民のすれっからし思想であり、中国史を貫く根本世界観でもある。歴代のどの王朝も、たとえ権力を握ろうとも、このすれっからし思想に対応すべく、常に権力の「正統と正系」の証明に腐心してきた。 しかしどの王朝もそれに成功しているとは思えない。現「中国共産党王朝」も例外ではない。清王朝を自らの力で打倒したわけでもなく、国内戦に勝

    • 67、NOTE連続投稿が「画面ジャック」にならぬよう、節度を心がけています

      NOTEは、自由投稿が無料でできる貴重な媒体であるだけに、自分だけが連続(連日)投稿し、他を押しのけてハイジャックならぬ「画面ジャック」にならぬよう、自制の気持が必要だと心がけているつもりです。(私流に言えば、多くても週2回程度が「最大値」で、決して「個人用の日記帳」に利用してはならない、男どもの暇つぶし老害・女子供の所業などと言われぬよう自制しています) 一方で、運営側がお勧めと称し、相当量の「注目NOTEから」を連日流されるとすると、これまた読者が望むものとは乖離してしま

      • 66、NHKに触発されて/「零度の性」「ゼロ地点からの性」

        2024年6月23日放送の「 NHKスペシャル・ヒューマンエイジ」が取り上げる「AIに伴う性欲の異次元化」の問題に触発され、フランスのLGBTQの先駆者?で今は亡きミッシェル・フーコー(哲学者)とローラン・バルト(評論家)の2名ならどう考えただろうか、としきりに考えてしまった。 AIの不可逆の様々なムーブメントにより、昨今流行のある意味平板な「LGBTQ性的マイノリティ」の問題など吹っ飛び、AI等科学技術全般と人間の想像世界まで巻き込んだ「人間哲学」の問題にまで一気に飛び火し

        • 65、日本語の「金魚のうんこ」という絶妙な形容句

          言い得て妙と言うべき、日本語の表現がある、「金魚のうんこ」である。 うんこ自体の物理的な意味よりも、諸事万般において、形容・比喩として使われることが多い。 見渡せば、政治はもちろん、経済その他全般に上手く適切に使われてきた。相手をやり込める厳しい批判言語ではなく、大衆的なことばで形容・比喩として完璧に言い切っているのがニクイではないか。 金魚という大きいものにトコトンくっ付いて自らが壊れるまで忠節・忠義を尽くすという人間の、行動様式とかビヘイビアを皮肉って言われるのが大半であ

        68、正統と正系の証明/中国王朝の宿命

          64、地球上の最初の言葉は何?

          「言葉とは何か」を、言語学者や哲学者が定義したところで、言葉についての全体像を語ったことにはならない。後付けの何か?ではなく、その時のどう?なくして、説得力はない。 ホモサピエンスという生き物が最初に発した(であろう)言葉を同定できて初めて、言葉の説明のスタートに立てる、と私には思える。 始源のことばは、生きるための食べ物の名詞か、自然現象恐怖の形容詞か、食べ物を得るための動詞か、突き詰めれば突き詰めるほど難しいし興味も尽きない。私は例によって、カールマルクス風に、生活や経済

          64、地球上の最初の言葉は何?

          63、日本初/新そばをひと手間をかけて熟成する「口切りそば」が登場

          茶道の世界では、新茶のままでは味が熟(こな)れていないとして、新茶を壺に入れ封をして6か月熟成させるというひと手間をかけ、味に磨きをかける。11月の炉開きの茶事には、「口切り」(開封)した茶葉を挽いたもの(口切り茶)で茶が点てられ振舞われる。伝統の作法であり、伝統の味でもある。 これに習ったのが「口切りそば」である。11月から翌年4月まで6か月大甕で殻付きの新そば(玄そば)を飛騨の土蔵で熟成し、5月に口切り・開封の上、そばに仕上げるという製法を採る。他で真似のできない土蔵に保

          63、日本初/新そばをひと手間をかけて熟成する「口切りそば」が登場

          62、大量保水の山にトンネルを通したら漏水・渇水は当たり前/大人のウソ顔

          長く水の恩恵を受けてきた地域の山に、道路や鉄道のトンネルを通したら。湧水や井戸が渇水し干上がるのは、「小学生の理科の問題」である。 大の大人の首長が公的な指摘を受けると、シラッとした顔で検討や協議の開始を宣言する光景が目立つ。ここまで白々しいことをシラッと演じられなければ、吹けば飛ぶような小さな市町村の長でも務まらないということであろうか。 太古からとは言わないが、長く大量に保水してきた山にトンネルを堀り、その保水を一旦失ったら二度と元に戻ることはあり得ない。下に位置する地域

          62、大量保水の山にトンネルを通したら漏水・渇水は当たり前/大人のウソ顔

          61、朝には紅顔ありて夕には白骨/長命のリスク

          蓮如上人の「御文」には、「朝には紅顔ありて・・・」のとおり命の儚さが説かれ、いまだに葬儀の際には度々読まれる。 生産力も低く、天変地異・飢饉飢餓・流行り病等に見舞われる時代であれば、短命が当たり前で、命は儚いものであった。そこには、南無阿弥陀仏とひたすら念仏を唱え、「ほとけの御はからい」のままに「他力本願」「短命」を生きる浄土真宗の教えがあり得た。現世のご利益(りやく)を説かない親鸞には原論的な真摯さがあり、なおさら今なお人の心を捉える。 ただ、現代社会において、百年一日のご

          61、朝には紅顔ありて夕には白骨/長命のリスク

          60、雪国の「雪の布団」が守るもの

          我が裏庭に約20年、年々歳々可愛い花を咲かせてくれた宿根草の相当数が消えてしまった。手足がもぎ取られたように悲しい。 奥飛騨とはいえ降雪が少ない上に、暖冬で早々と雪が消えるという気象変動がその理由のようで、根が枯れてしまったのである。 雪国では、降雪があると大地には分厚い「雪布団」がかけられ、地下の大地が零下になって凍り付くことはなく、地下茎は守られる。「雪の下野菜」として有名な、地面に埋めた野菜類も零下ではない低温でより美味しくなる。 今年は、雪布団が薄く暖冬で早々と雪が消

          60、雪国の「雪の布団」が守るもの

          59、断一九の続編

          弱ったり疲れたりしたとき、国粋右翼の「勇ましいことば」や左翼の「優しいことば」は心地いい。だから、庶民は愚民になってしまい、コロッとやられるのである。 しかし、である。そんな両極端な「ドンパチ」や「バラマキ」の政治行動をとったところで、国家が成り立つはずもない、庶民の幸せへの道が、そうそう簡単であるはずもない。日本の軍国主義暴走、ギリシャの総公務員化による大破滅を始め、失敗は枚挙に暇ない。 冷静になって、「両極端の一と九を断つ」(断一九・タンヤオチュウ)の安全牌で行くのが、所

          59、断一九の続編

          58、薬品・化学物質が大地に蓄積されてホントに大丈夫かな?

          便利・即効性を謳った、生活関連の薬品・化学物質「だけ」に限っても、大地に垂れ流しされ始めて何十年になるだろうか? ○○がすぐ溶ける(なくなる・いなくなる・死ぬ・消える等々)の化学物質が、日本各地において、これといった後処理もされず、水道水に流され、河川へ海へと垂れ流される・・・。水俣病の水銀・イタイイタイ病のカドミュウムでないから安全なんてあり得ない、それは素人にだって解る。 ものごとは、証明やらエビデンスやらを待っていては、大半が手遅れであるのが、歴史の教訓である。アメリカ

          58、薬品・化学物質が大地に蓄積されてホントに大丈夫かな?

          56、「ダメンズ、これがオレか」と 思うとき

          世は、ダメな男を「ダメンズ」という、名言である。 私をどちらかに世間風に分類するならば、間違いなく「ダメンズ」の一人である。変わっていてしかも捻(ひね)くれているのである。 こんな私を地球という星・日本という窮屈なエリアで生き永らえさせてくれた、妻および何名かの女性にただただ感謝しかない。親は極めて優秀に生んでくれたにも関わらず、途中も最後の出来もこんなものなのだから、親にも周りにもひたすら「ごめんなさい?」である。半端な物書き志望崩れの成れの果てのしかも残骸・残渣が今の「オ

          56、「ダメンズ、これがオレか」と 思うとき

          57、本来の「豚(ぶた)汁」か、語呂で「トン汁」か

          日本人は動物蛋白源を確保するため、様々な工夫をしてきた。近辺の鳥獣のうち、兎・狸・鹿・熊・雉等々、を上手く食してきた。 豚(ぶた)の肉や狸(たぬき)の肉を、いわゆる「汁もの」にして食する産地における食文化からすれば、豚(ぶた)汁、狸(たぬき)汁、兎(うさぎ)汁と「訓読み」にするのが、言葉の成り行きである。重箱読みをすると、たぬき汁は「狸(り)汁」うさぎ汁は「兎(と)汁」となるが、日本人はさすがそれはしていない。 ただ、言葉は歴史的にそれほど厳格なものではなく、語呂・使い勝手優

          57、本来の「豚(ぶた)汁」か、語呂で「トン汁」か

          55、日本資本主義が「いいものを作る」から「売れればよい」へ劣化?

          自動車産業の倫理観に関する不正情報が席捲している。 「ジャパン アズ NO.1」を支えたものは「いいものを作る」の精神であったが、随分と遠くに来たもんだ、と思える。資本主義のあるいは資本という怪物の劣悪な部分が露出してしまった。制度悪などではなく、利益のためなら何でもやるという人間悪であり、「売れればよい」への傾斜は見るも無残である。 一からやり直すしかない。企業人だけではない、国家の役人もそうなのだから、勘違いはしないで欲しい。世界は、国家独占資本主義あるいは国家先導資本主

          55、日本資本主義が「いいものを作る」から「売れればよい」へ劣化?

          54、「根幹は経済」という根幹の発見

          カールマルクスは、やはり偉大である。 29歳という若き日の政治宣言書「共産党宣言」の「階級闘争史観」(人類史は階級闘争の歴史である)や、政治的な諸主張には到底付き合い兼ねるが、「唯物(論的歴)史観」の根源的洞察力は、誰もが持てる哲学力ではない。 結論から言えば、私はマルクス主義者でも左翼でもないが、マルクスの経済を根幹に置く経済的哲学的思考を下敷きにしないと、諸事・物事万般の根幹が見えてこないのである。別の意味で、これこそが「導きの糸」なのである。 「経済学哲学草稿・経済学批

          54、「根幹は経済」という根幹の発見

          53、吉本隆明・埴谷雄高・柄谷行人の3本の巨樹をご存じですか

          日本人の誰もが解っていながらゼッタイ言わず、文章にもしないことを、誰かが口にして何等かの文章の痕跡は残さなければ、と思う。日本の言論人も卑怯だし、学者も臆病である。 無条件降伏の敗戦後、愛国少年や愛国者は、否応なく自らの「戦争責任」に向き合うこととなった。信じた道だと開き直る勇気もない、一方みっともない言い訳はしたくない、正直困り果てていたのである。(因みに、無条件降伏とは、何でも言うことを聞きますので命だけは助けてください、という命乞いのことである) その間の経緯や概観につ

          53、吉本隆明・埴谷雄高・柄谷行人の3本の巨樹をご存じですか