見出し画像

62、大量保水の山にトンネルを通したら漏水・渇水は当たり前/大人のウソ顔

長く水の恩恵を受けてきた地域の山に、道路や鉄道のトンネルを通したら。湧水や井戸が渇水し干上がるのは、「小学生の理科の問題」である。
大の大人の首長が公的な指摘を受けると、シラッとした顔で検討や協議の開始を宣言する光景が目立つ。ここまで白々しいことをシラッと演じられなければ、吹けば飛ぶような小さな市町村の長でも務まらないということであろうか。
太古からとは言わないが、長く大量に保水してきた山にトンネルを堀り、その保水を一旦失ったら二度と元に戻ることはあり得ない。下に位置する地域の水の恩恵も同様である。例えば、縁の深い福井県で北陸トンネルを掘った際、各地域にあった有名な湧水がものの見事に失われた。また我が故郷の東海北陸道の白川トンネルでは想像を絶する漏水があり、飛騨一の植生を誇った山も、いずれ水とともに花も湿地もその名が消えるであろう。(白川トンネルは「難工事だった」で済む話ではないし、リニア新幹線の環境問題なども、ものの一部に過ぎない)
こんなこと、「水いっぱいの山にトンネルを掘ったら、水はどうなるでしょう」という、誰でも答えられる「小学生の理科の問題」である。工事開始前にもし分かっていなくても、開始後厖大な漏水があれば何が起こっているのか、これも「小学生の理科の問題」である。「ほおかぶり」を敢えて決め込んでいるだけである。
だからこそ、首長の態度が白々しいのである。マスコミもその白々しさを問題にすることはなく、ニュース消費者の間を今日もニュースが流れてゆく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?