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65、日本語の「金魚のうんこ」という絶妙な形容句

言い得て妙と言うべき、日本語の表現がある、「金魚のうんこ」である。
うんこ自体の物理的な意味よりも、諸事万般において、形容・比喩として使われることが多い。
見渡せば、政治はもちろん、経済その他全般に上手く適切に使われてきた。相手をやり込める厳しい批判言語ではなく、大衆的なことばで形容・比喩として完璧に言い切っているのがニクイではないか。
金魚という大きいものにトコトンくっ付いて自らが壊れるまで忠節・忠義を尽くすという人間の、行動様式とかビヘイビアを皮肉って言われるのが大半である。見方によれば哀れであるが、うんこ自体は満足ないし自覚の上での行動であるから、批判されても致し方ない。
残念ながら、日本には、自民党という金魚にくっつく「金魚のうんこ党」という政教一致を目指す宗教系政党がある。党内関係者からも自虐者がいるほど、時に勇ましい反対論も展開するのだが、「まるでお決まりの如く」そして「金魚のうんこ」のように、決まって最後は賛成に回るという醜態をさらす。
経済界だって同じで、例えばT自動車の会長さんに結局はひれ伏し不正を「見ざる聞かざる言わざる」の三ざると相成る。こんなの、日本では実は掃いて捨てるほどある現象でもある。
「虎の威を借りる狐」と「金魚のうんこ」は同じではないが、両者ともひとという生き物の哀しい性と言ってしまっては、やはり哀しい。

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