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68、正統と正系の証明/中国王朝の宿命

思えば、中国はお気の毒な国である。
中国の農民反乱の祖?である陳勝によって言われたという「王侯将相いずくんぞ種あらんや」の根幹は、「家系・出自クソ喰らえ」という庶民のすれっからし思想であり、中国史を貫く根本世界観でもある。歴代のどの王朝も、たとえ権力を握ろうとも、このすれっからし思想に対応すべく、常に権力の「正統と正系」の証明に腐心してきた。
しかしどの王朝もそれに成功しているとは思えない。現「中国共産党王朝」も例外ではない。清王朝を自らの力で打倒したわけでもなく、国内戦に勝利し、反対勢力を化外の民の住む島に放逐したからといって、何ら正統や正系の証明にはならない。
どうするか?一部の王朝に見られた南北あるいは東西分断といった分断や共存を認めるか、絶対権力で同質を強制する圧制を敷くか、のいずれしかない。
中国共産党は、後者を選択した。
私たちは、隣人として、この相も変らぬ「正統と正系の証明劇」を静かに見守ることになる。
ある意味、日本(国)はラッキーである、四世紀初頭?(崇神朝?)のヤマト朝廷の誕生以来千七百年余、血統的は別にして制度的には「正統・正系」の証明が不要の国として存続できてきた。

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