Takuya Kodama

広告会社でのAIビジネスプランナー、兼、社内政治家。 かつては、SIerでのUXデザイ…

Takuya Kodama

広告会社でのAIビジネスプランナー、兼、社内政治家。 かつては、SIerでのUXデザイン組織のマネージャー。 テクノロジーとデザイン、そして社内政治の交点を探っています。

最近の記事

2023年の振り返り

2023年は12月30日まで出張で、31日の午前中まで仕事していたので正月休みは実質3日半とちょっとした連休程度しかない。ようやく休みが来たと思ったらすでに元旦なのでごく簡単に2023年をまとめておく。 仕事昨年1月から出向先が変わって新しい仕事になったこともあり年初から数ヶ月は比較的平穏だった。そのためちょうど生成AIブームの前半期に幾つかの技術に触れることができ、このnoteにも毎週何かしら書いていた。 その後はかなり忙しくなったのと、生成AI関連の仕事が増えてきて、

    • 「企業チャットボット」ってユーザー目線での最適解なんだっけ?という話

      こんにちは。 前回の記事から2か月ほど経ちまして、その間にChatGPTは広く浸透してきました。特にAPIが公開された3月以降は、様々な活用方法が模索しされています。 APIだけでなく、外部データを扱う際のノウハウもLlamaIndex等を用いた「embedding&Search」というかたちで一般化されてきて、ドメイン知識を組み込んだチャットボットがかなり現実的になってきています。 そんな中で企業においては、「ユーザー向けチャットボット」を検討しているケースが多いので

      • ChatGPTのマーケティング活用:ペルソナの導出と活用

        こんにちは。 今日はマーケティングにおける戦略策定の第一歩、ペルソナの導出に挑戦します。 ペルソナとはマーケティング(広告やPRに限らず、商品戦略、販促戦略など広義で)やUXデザインにおいては、まずは対象とする生活者・ユーザーのことを細かく理解する必要があります。 そのために作成するのがペルソナです。戦略やメッセージを考える出発点として、一人の人物をできるだけ具体的に想像し、共有し、その人物に向けて最適な商品・コミュニケーション戦略をしていくという手法です。 どのよう

        • ChatGPTにインタビューをさせる:GPT-4編

          こんにちは。 以前、ChatGPTのマーケティング活用として、「ユーザーインタビューさせる」という記事を書きました。 今回、ChatGPTがGPT-4ベースにアップグレードし、賢くなったので、もっと細かくコントロールして、ユーザーのいろんな意識を意図的に聞いていけないか試してみました。 以前の記事はこちら 購買動機の掘り下げ購買動機の掘り下げは、マーケティングのユーザー調査においてよく使用される切り口です。自社製品だけでなく、競合の商品や類似商品の買われ方を調べること

        2023年の振り返り

          チャット検索は従来の検索と違うやり方で脳をハックしてくるぞ、という話

          こんにちは。 Microsoftが自社の検索エンジンである「Bing」にチャット機能を搭載してから、だいたい1か月ほと経ちました。私も即座にウェイトリストに登録し、使えるようになってから毎日使っています。 PCを起動したらまずは天気を調べたり、 ニュースを聞いてみたり、 SNSを巡回して気になったことがあれば、どんどん問いかけて聞いてみます。 チャット検索サービスとしては、今はMicrosoftのBingが限定公開されているほか、Perplexity.aiやYOU.

          チャット検索は従来の検索と違うやり方で脳をハックしてくるぞ、という話

          AIにテレビCMの絵コンテの仕上げさせたら余裕、と思っていた話

          こんにちは。 今日は、ControlNetという手法を使って、テレビCMの絵コンテをリアルに仕上げていきたいと思います。 ControlNetとは?ControlNetとは、画像生成アルゴリズムであるStable Diffusionの制御手法の一つで、2週間ほど前から話題になっているものです。 これは端的に言えば、「事前に設定した構図で画像が生成されるよう制御する」というものです。プロンプトとは別に以下のような情報を構図として入力可能で、かなり強力に生成される画像の構図

          AIにテレビCMの絵コンテの仕上げさせたら余裕、と思っていた話

          ようやく「まともな」GPTコピーライターができたかもしれない

          こんにちは。 今日は、GPTを使って、コピーライティングに挑戦します。 私は広告会社に勤めており、コピーライターになりたくて社内試験を受けたことも何度かあるのですが、すべて落ちて、今の仕事に就いています。 コピーライティングの定義ChatGPTブームのただなか、「ChatGPT コピーライティング」と検索すれば使い方が無限に出てきます。あたかもすでにGPTがコピーライティング能力を持っているかのような書きっぷりです。 しかし、私が今回目指すのは、こういったコピーを書け

          ようやく「まともな」GPTコピーライターができたかもしれない

          GPTの活用アイデア:「IKEA効果」を突破するための、ダメ出し専用ツール

          こんにちは。 ここ数日、GPT3.5/ChatGPT/Azure OpenAI Serviceの話題で持ち切りですね。 ただ、この技術たちは機械に例えると「エンジン」みたいなもので、シンプルに「これを学べば差がつく!儲かる!」というものでは決してないですね。これを使って何を為すか、今の仕事のどこに何を差し込めるか、を考え続けるのが大事だと思っています。 という御託はさておいて、今日も何かを作っていきます。 先週、shi3zさんのこのようなツイートを見かけてしまいました

          GPTの活用アイデア:「IKEA効果」を突破するための、ダメ出し専用ツール

          GPT Indexを使って「就業規則チャットボット」を作ってみる

          こんにちは。 昨日の「問い合わせ対応」に続いて、GPT Indexを使って、実践活用の可能性を探ってみます。 昨日の記事はこちら↓ 今回のテーマは「就業規則」です。 自社の就業規則でやってみたいところですが、守秘の都合上そうもいかないので、今回は厚労省が公開している「モデル就業規則」でやってみます。 これの、第一章から第五章、具体的には第1条から第32条までを使用します。その量、約5500文字と、昨日のニュースリリース(約1000文字)の5倍くらいの長さです。加えて

          GPT Indexを使って「就業規則チャットボット」を作ってみる

          GPT Indexのマーケティング活用:問い合わせ対応

          こんにちは。 今年頭に書いた、ChatGPTのマーケティング活用:問い合わせ対応について続報です。 GPT Indexというライブラリがあって、簡単に言うと、あらかじめ読み込ませたテキストをインデックス化し、事前知識として把握しておくことができるというものです。それを用いて、QAやテキスト生成ができるものになっています。 今回はそれを使って、問い合わせ対応をしてみます。 全面的に参考にさせていただきました↓ 今回の実験例によって本搾り四季柑のリリースをサンプルに使用

          GPT Indexのマーケティング活用:問い合わせ対応

          ChatGPTのマーケティング活用:キャラクター

          OpenAIが高性能なAIチャットである「ChatGPT」を公開したのが11月30日なので、ちょうど1か月くらい経ちました。公開当初からその性能の高さから注目を浴び、様々な活用事例が公開されています。 マーケティング活用のアイデアとして、あれこれ試してみました。 前回記事「インタビュー相手」はこちらです。 今回は、「キャラクター生成」に挑戦します。 なぜキャラクターか?マーケティングにおいて、しばしばキャラクターは登場します。 パッと思い浮かぶのは、企業として、自社

          ChatGPTのマーケティング活用:キャラクター

          ChatGPTのマーケティング活用:疑似インタビュー相手として

          OpenAIが高性能なAIチャットである「ChatGPT」を公開したのが11月30日なので、1か月半くらい経ちました。公開当初からその性能の高さから注目を浴び、様々な活用事例が公開されています。 マーケティング活用のアイデアとして、あれこれ試してみました。 前回記事「ユーザーインタビュー」はこちらです。 今回は、同じくユーザーインタビューですが、インタビュー相手としてChatGPTが使えないかチャレンジします。 何をしたいのか前回の記事でも書いたとおり、ユーザーインタ

          ChatGPTのマーケティング活用:疑似インタビュー相手として

          ChatGPTのマーケティング活用:ユーザーインタビュー

          OpenAIが高性能なAIチャットである「ChatGPT」を公開したのが11月30日なので、ちょうど1か月くらい経ちました。公開当初からその性能の高さから注目を浴び、様々な活用事例が公開されています。 マーケティング活用のアイデアとして、あれこれ試してみました。 前回記事「問い合わせ対応」はこちらです。 今回は、「ユーザーインタビュー」に挑戦します。 類似サービスについて実は電通が類似サービスを展開しています。 こちらのサービスは、電通が独自開発したチャットボットエ

          ChatGPTのマーケティング活用:ユーザーインタビュー

          ChatGPTのマーケティング活用:問い合わせ対応

          OpenAIが高性能なAIチャットである「ChatGPT」を公開したのが11月30日なので、ちょうど1か月くらい経ちました。公開当初からその性能の高さから注目を浴び、様々な活用事例が公開されています。 マーケティング活用のアイデアとして、あれこれ試してみました。 今回は、「問い合わせ対応」です。 ChatGPTとは?OpenAIが開発した高性能なチャットアルゴリズムです。すでに公開されている汎用言語モデルである「GPT‐3」をカスタマイズした「GPT-3.5」をもとに、

          ChatGPTのマーケティング活用:問い合わせ対応

          カメラを持ち歩くことの最大にして唯一の価値

          2022年は本当にいろいろなことがありました。詳しくは日記のブログに書いていますが、ここ数か月で、妻がパン屋に転身し、犬が来て、父が逝き、私の職場が変わろうとしています。 その裏で2022年は、ひっそりと写真を撮り続けた年になりました。3月6日にミラーレスカメラを買って以来、出かけるときはしばしば持ち歩き、気になった風景を撮影しています。 写真を撮り始める前は、なぜ人は(しばしば大金をはたいて)カメラを買うのだろう、と訝しんでいたのですが、カメラを買ってすぐに気がついた唯

          カメラを持ち歩くことの最大にして唯一の価値

          【実験】テレビCMの制作に生成AIを使うとしたら

          生成系AIが急速に話題になってから、3か月が経とうとしています。たった3か月、という想いと、もう3か月か……という想いが両方ありますね。激流のように過ぎていった3か月でした。 3か月経った今なお、日々新しいサービスが発表され、進歩著しいです。日本においては、mimicの炎上やNovelAIなど、イラスト界隈での話題にシフトしつつありますが、そのインパクトの本質は当然イラストにとどまるものではないですよね。 そこで、10月末時点で、生成系AIをテレビCMにおいてどのように活

          【実験】テレビCMの制作に生成AIを使うとしたら