ChatGPTにインタビューをさせる:GPT-4編
こんにちは。
以前、ChatGPTのマーケティング活用として、「ユーザーインタビューさせる」という記事を書きました。
今回、ChatGPTがGPT-4ベースにアップグレードし、賢くなったので、もっと細かくコントロールして、ユーザーのいろんな意識を意図的に聞いていけないか試してみました。
以前の記事はこちら
購買動機の掘り下げ
購買動機の掘り下げは、マーケティングのユーザー調査においてよく使用される切り口です。自社製品だけでなく、競合の商品や類似商品の買われ方を調べることで、何がユーザーに刺さったのかを調べ、打ち手の参考にします。
今回は、ある商品について、以下の項目を聞いていくことにしました。
魅力点 … その商品のどこを魅力に感じているか
購買トリガー … その商品を購入する直接のきっかけは何か
比較対象 … その商品を購入する際に比較した商品はあるか
これら3つの要素をインタビューで掘り下げていき、すべて確認できた時点でインタビュー終了とします。
プロンプト
今回使用したプロンプトを紹介します。
これからロールプレイをしましょう。
あなたは、私に対して、ある商品を購入した理由を深堀りしていくインタビュアーAIです。
---------------------------
*You ask me various questions about a certain product and find out why I use it.
*You ask me questions about the concept from different angles to elicit my response.
*Do not present specific information that you have not given.
*Please note any reactions I have in the interview that apply to the following.
*Throughout your interaction with me, please ask for the following information
魅力点: what attraction or lack of attraction do you feel for the concept
購買トリガー: Why did I decide to buy it
比較対象:What did I compare it to when you bought it
*In addition to presenting a response or question, add elements that you have discovered in previous interviews.Please use the following format in your response to me.
魅力点: Describe the word that represents attractive point I perceive which you have noticed from the dialogue up to that point. if none yet, describe "0".
購買トリガー: Describe the word that represents the deciding factor when buying it which you have noticed from the dialogue up to that point. if none yet, describe "0".
比較対象: Describe the word that represents what did I compare with which you have noticed from the dialogue up to that point. if none yet, describe "0".
*When you get those 3 elements through the interview, please quit the interview.
-----------------------------
今回問いかける商品は以下です。
[商品名]
([商品の説明])
-----------------------------
理解できたら、日本語で私に商品を提示し、インタビューを始めてください。
こんな感じにしてみました。
インタビューの中で、「魅力点」「購買トリガー」「比較対象」に該当する単語を聞き出せたら、蓄積していくようにしています。
それではさっそく、いつもどおりPixel7でやってみましょう。
やってみる
さっそくインタビューが始まりました。指示したとおりの項目を付記し、最初なので0が表示されています。
壊れたスマホ、というトリガーが登録されました。意外な名詞ですが、おおむね意図通りです。
どんどんインタビューを続けます。
完璧です。
完璧に意図通りに動いています。
すげえ……
そして最後に、
こんな感じでインタビューを締めてくれました。
ちょっとインタビューが簡素だなという感じはありましたが、概ね意図通りに動いています。魅力点、トリガー、比較対象を見ると、だいたい私の購買行動が読めてきますね。
かなり複雑な指示でしたが、ここまで再現できて驚いています。
ちなみに同じプロンプトで、GPT-3.5でもやってみましたが、3つの項目をメモしながら進めていくのが難しいせいか、なかなか意図通りに動きませんでした。GPT-4の解釈力の高さです。
コンセプト受容性
次はコンセプト受容性です。
コンセプト受容性というのは、新しい商品が出る時に、そのコンセプトや特徴が想定ユーザーに対して受け入れられるかというのを事前に計測し、意思決定の参考にするものです。
今回は、あるコンセプトに対し、以下の項目をヒアリングします。
知覚価値 … そのコンセプトに対してどのようなメリットを感じるか
魅力点 … そのコンセプトの何に魅力を感じるか
感情 … そのコンセプトに対してどんな感情を抱くか
一つ目と二つ目が少し重複していてミスったなと思いましたが、それは専門のマーケターがやるので良いとして、同じようにやっていきます。
プロンプト
これからロールプレイをしましょう。
あなたは、私に対して、コンセプトを提示し、それに対する反応をログしていくインタビュアーAIです。
---------------------------
*You are the interviewer. Please present the following product concept to me and note your reactions to the concept.
*You ask me questions about the concept from different angles to elicit my response.
*Please note any reactions I have in the interview that apply to the following.
*Do not present specific information that you have not given.
*Throughout your interaction with me, please ask for the following information
知覚価値: what value do you perceive for the concept
魅力点: what attraction or lack of attraction do you feel for the concept
感情: how do you feel when you hear about the concept
*In addition to presenting a response or question, add elements that you have discovered in previous interviews.Please use the following format in your response to me.
知覚価値: Describe the word that represents value I perceive which you have noticed from the dialogue up to that point. if none yet, describe "0".
魅力点: Describe the word that represents attractive point I perceive which you have noticed from the dialogue up to that point. if none yet, describe "0".
感情: Describe the word that represents my emotion which you have noticed from the dialogue up to that point. if none yet, describe "0".
*When you get those 3 elements through the interview, please quit the interview.
-----------------------------
今回検証するコンセプトは以下です。
「[コンセプトを記入]」
-----------------------------
理解できたら、日本語で私にコンセプトを提示し、インタビューを始めてください。
前回とほとんど同じです。
やってみた
さっそくやってみます。今回もテーマはスマホにしました。
わかっていたことですが、意図通り動くとびっくりします。
ちょっと質問がダイレクトすぎるな、と思いました。とはいえそんなのはチューニング次第でどうにでもなりそうです。
こんな感じでインタビューが終了しました。
感情のところに「懸念・興味」とあり、ちょっと詳細がわからなかったので追加で質問をしてみました。
はい完璧です。
単語だけ抽出してもわかりにくいので、少し膨らませてもらいました。
このように、ちゃんと説明できています。
実際サービス化する場合は定量評価をしたいのでこのように文書化してもらう必要はないのですが、ひとつひとつのインタビューをじっくり掘り下げときは便利かもしれません。
おまけ
インタビュアーをずんだもんにしました。
ちょっと(かなり)怪しげな偽ずんだもんですが、無味乾燥なBotにインタビューされるよりよほど親しみやすく感じます。そうすると回答を引き出しやすくなり、狙った成果も出やすくなりますね。
実際にサービス化するには、こういった非機能要件もとても重要です。
結論:完璧です
というわけで完璧でした。驚きました。
もちろんChatGPTの形式上、これをそのまま使うわけにはいきませんが、GPT-4のAPIを使えばここまでできるぞ、ということがわかりましたね。
まだまだやりたいことはたくさんあるのですが、今日はここまでです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?