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味噌用の「菌ちゃん大豆」 皆で育てて、よもやの豊作30㎏❗🙌

大府・恵多農園の2023年は、年明け早々、新たに隣の耕作放棄地も借りて、西へ西へと「開墾」していく”GoWestプロジェクト”から始まりました。

色んなことが盛りだくさんで、怒濤のように過ぎていったこの1年。その最後を飾るビッグイベントは、去年に続いて大豆の収穫でした。
ただしこの大豆、今年は新たに「開墾」したエリアで、仲間たちと大量に育てました😃

これを書かないことには、今年を終われない❗
大豆栽培2年目の「全記録」。そのストーリーの始まりは、1年半前に遡ります。


大豆を自給して手前味噌を作る🍯

昨春、地元・知立の既存の畑に加えて新たに大府で恵多農園を始めた際に、数倍になった耕作面積を利用して、大豆を初めて栽培しました。
(枝豆は毎年育ててたけど)

その目的は、
✅自家栽培した大豆で、自家製の「手前味噌」を作る
✅種取りもして、翌年は栽培量を増やし、味噌以外の大豆加工食品も作る(豆乳や豆腐など)
✅こうして、植物性タンパク質に富む「畑の肉」大豆で、我が家のタンパク源を自給化していく(野菜は既にほぼ自給)

日本の人はたぶん世界でいちばん大豆を食べているのに、その自給率は食品用で25%に過ぎず、油糧用も含めた大豆全体だとわずか7%。もっと自給化に取り組んでもいいのでは、という想いも込められています。
(参照: 大豆のまめ知識:農林水産省

1年前の12月、初めての大豆を無事に収穫し終えて、書いたのが下の記事です。詳しくはこちらをご覧ください😊

これが、結構な反響をいただきました🥰

中でも、大府市で給食への有機食材利用を推進する活動や、自分たちで自然栽培の米作りをしたり、稲作農家さんの有機化を支援したりしている、パワフルなお母さんたちのグループ「Farm to Table」から、一緒に大豆をたくさん育てたいと声がかかったのが今年1月。
恵多農園では、ちょうど上記の”GoWestプロジェクト”が始まったところで、その新しく開墾する畑でやりたいと。

彼女たちは、自然栽培農家さんの指導のもと、伝統的な方法で手間のかかる無農薬・無肥料の米作りを「ガチで」やっていて、既にお米は自給している。次は味噌←大豆も自給しちゃおう~と鼻息荒い💕😆💨

これは楽しそう~😍 それに大変な開墾作業も手伝ってもらえてありがたい~🤗 と即OK👌
後に「大豆の自給も始めまソイ(soy)」事業と名付けられました😆

「菌ちゃん農法」で刈り草を活かす🌿

ここには高さ3m近いセイタカアワダチソウがうっそうと茂り、大量にゴミが捨てられていて、開墾作業は難航😫 Farm to Tableのメンバーや知り合いの農家さんたちなど、多くの皆さんに手伝っていただきました🙏🙏🙏

この際に、膨大なセイタカアワダチソウの刈り草が出て、畑で山積みに。さてこれをどうするか🤔
枯れて木のように固くなったセイタカの茎は、発酵(微生物が分解)しにくく、普通にそのまま畑の土へすき込むのはためらわれる。
少しずつ燃やして草木灰(有機肥料)にしてみたけれど、全部を燃やすには多すぎる😓

刈りセイタカの山で、トランポリンのように跳びはねるいい大人たち😅(職場の同僚)

その時、開墾を手伝ってくれたお隣の畑の女性より、いま話題の「菌ちゃん農法」だと、セイタカの枯れ草がとても有用だよとの情報が。早速、YouTube動画や本で勉強してみました。

参考にした2冊。NPO法人 大地といのちの会編『菌ちゃん野菜作り&元気人間作り』と『やさい畑2022年12月号』家の光協会

ふ~む🤔
「菌ちゃん農法」とは、土中の菌(真菌や細菌)の力を活用することで、無農薬・無化学肥料はもちろんのこと、有機肥料も入れずに野菜を栽培する農法で、「菌ちゃん先生」こと吉田俊道氏が唱導している。
これだけだと、いわゆる自然栽培や自然農と同じような話だけれど、肥料の代わりに土へ入れるものが特徴的なんです。

菌ちゃん農法には大きく2種類あって、かつては①台所で出る生ゴミを大量に漬け物にしてから、畑の土にすき込む方法が主でした。
他方で近年では、②高く盛ったうねに、野草や枯れ枝など畑や野山で得られる有機物を入れて黒マルチで覆い、土中の水分と酸素をほどよく維持しつつ、何年も無肥料・不耕起で野菜栽培をする方法が注目されています。

セイタカの枯れ茎のような、菌によってゆっくり分解されていく固い有機物が有用なのは②のほう。これを高畝に入れて、特に「糸状菌」を繁殖させることがポイントになります。
竹や丸太のような、大きな有機物を入れてもよいとか😲

大豆×菌ちゃん農法のコラボ🤝

ならば、Farm to Tableの皆さんとやる大豆栽培を、菌ちゃん農法にしてみてはどうか。

僕はこれまでの枝豆も去年の大豆も、無肥料で、畑にある雑草等の堆肥だけを土に入れて栽培してきました。なぜなら、大豆の根っこには「根粒菌」という窒素固定細菌が寄生して、空気中から窒素を採り入れて大豆に供給してくれるので、土に肥料を足さなくてもよいから。
菌ちゃん農法は、そんな僕の方針と矛盾しないし、膨大なセイタカの枯れ草も活用できて、一石二鳥😀🎵

加えて、菌ちゃん先生によると、菌ちゃん畝で繁殖させた糸状菌の周囲にも窒素固定細菌がついて、糸状菌のネットワーク(菌根菌)が作物の根っこまで養分を運んでくれるそうです。
上の根粒菌とともに、”ダブルの窒素固定パワーが、大豆に効く~っ”(薬か洗剤のCM風)

Farm to Tableのメンバーに提案したところ、すごーい、その土地にあるものを使うのが循環的で素敵~😃と賛同してくれました。
メンバーが作りたい味噌の総量から、栽培すべき大豆の量を13kgと概算。去年の僕の栽培実績から、「菌ちゃん畝」を12本立てようと計画しました。

当時の計画図。中央に大豆畑

体力と根性の「菌ちゃん畝」づくり🔥

実はこの取り組みでいちばん大変だったのが、最初の畝づくり作業でした。
参考本には、「菌ちゃん畝」をつくってから最低2か月間は熟成(菌を繁殖)させて、その後に作物を植え付けるべしとある。
大豆の種まきは6月前半ということで、3月末から畝づくりを開始❗

高さ60㎝に及ぶ「菌ちゃん畝」7mを、12本も立てる
重機はなく、耕うん機の畝立て機能も使ったけどそんなに高くは盛れないので、ほとんどがマンパワーでの土木作業でした💪😫💦

まずは水はけ改善のため、畑の周囲に溝を掘ります

次に手作業で土を盛って、幅の広い高畝を12本立てます。

畝立て作業。背後には咲き始めた桜🌸
作業の合間のおやつタイム🧁🤤

高畝の上をならした後、セイタカの枯れ茎を砕いてたっぷり敷き詰めます。

刈りセイタカの山から、下のほうの湿った部分を取り出して、畝に敷いた

そのまた上に軽く土をかぶせて、カマボコ形に整える。ここでひと雨あてて畝を湿らせます。

最後に幅の広い黒マルチで畝全体を覆って…

土の塊を重しとして乗せたら、「菌ちゃん畝」12本の完成~❗🎉🎊

こうして書くとあっという間みたいですが、皆それぞれ仕事や家事・育児、他の活動もあって忙しいなか、完成まで半月以上かかりました💧(背後の桜の木に注目🌸)
途中、畝の一部が崩落したり、畝間が冠水したり、雨にあてた畝がマルチを張る前に乾いてしまったり、と悪戦苦闘。いやもう大変でした😫

本当に皆さんの体力と根性はスゴかった。さすが、田んぼの作業で鍛えられている😲
とはいえ、ひとりでやってると心が折れそうになる作業も、皆でワイワイやってると何だか楽しいイベントになるんですよねー🥰

「菌ちゃん大豆」栽培の経過

以降の「菌ちゃん大豆」の栽培自体は、畝づくりに比べれば楽ちんでした😊

2か月後の6月半ばに、大豆の種まき。マルチに等間隔で穴を開け、埋まった枯れセイタカをよけて、2粒ずつ種をまきました。
やがて順調に発芽😊

すくすく伸びて本葉が広がった7月下旬には、大豆の根元に土寄せをしました。
畝間の夏草が伸びて立ち入れなくなっていたので😓、草刈りもしました。

連日の猛暑のため、早朝に集まって土寄せ作業

後は晩秋の収穫まで、ほとんどな~んにもやること無し😄(草刈りぐらい)

お盆には台風7号🌀が襲来しましたが、菌ちゃん大豆は無事でした。
倒伏を防ぐ土寄せをしておいたのが効いた👍

この頃はピンク色の花が咲いていました。
大豆は開花期に土の水分が不足すると、実付きが悪くなるといいます。猛暑・日照りが続いていたので、台風が恵みの雨になったかも☔

9月上旬には、花が枯れて小さなさやがつき始めました。丈も50㎝以上に成長し、ワサワサと生い茂っています😲

下の写真は、10月上旬の菌ちゃん大豆。
たくさんの莢が鈴なりについて、膨らみ始めています😍 大豆の天敵・カメムシも結構いるけど、なぜか被害はあまり無い様子😲
ちょっと、何かスゴくない❗❓

予想外の豊作となりそうなので、全12畝のうち1畝だけ、未熟のまま採って枝豆として食べちゃおうということに🥰

1畝の大豆(計算上90本ぐらい)を一気に収穫、大量の枝豆が採れました。皆で山分けしても多すぎるくらい😆

そして収穫・脱穀🙌🙌🙌

その後、日に日に葉が黄色くなり、莢も茶色くなっていきました。

10月下旬
11月上旬

そして、1か月以上前から皆で決めていた11月23日、ついに収穫の日を迎えました❗
菌ちゃん大豆はこの日に合わせるように、葉が落ちて莢だけが残り、バッチリ完熟状態になってくれた~😊👍

当初は、この日に大豆を刈り取って畝の上で干しておき、12月10日に脱穀、つまり豆を莢から取り出す作業をやる予定でした。
ところが数日前から、大豆畑で耳を澄ますとパチッ、パチッと音がするように。早くも豆が自分ではじけ始めて、下に落ちている😲 
これは急がねばと、急きょ刈り取りと同時に脱穀もやることにしました。

まずは、全11畝の大豆を一斉に刈り取ります。

それ以上に大変なのが脱穀の作業。
去年、僕が大豆を脱穀したときは、すべて木の棒で叩いての手作業でしたが、今年は量が桁違いなので、大府の自然栽培・種とり農家「青ノ木農縁」の青木さんから、足踏み式の脱穀機をお借りしました。

左端が青木さん。頼りになる職人肌の「百姓」

突起がたくさんついたローラーを回して、そこに大豆をそっと差し込むと、パリパリパリ~っと気持ち良く莢から豆がはじけ飛んでいく😀
これが無かったら大変でした。まさしく文明の利器。

脱穀機で落ちなかった残りの豆は、コツコツと手作業で取り出します。
去年は僕ひとりでやって心が折れそうだったけど、皆でおしゃべりしながらやると全然辛くない😊

最後に、ふるいにかけて豆からごみを丁寧に取り除いて、完了❗

愛おしい大豆たち。僕には宝石のように見える💎✨

日没までにほぼ片づけた🌇 いやあ、すごい量の大豆が採れたぞ。
一部に未熟のものがあったので畑で干しておき、12月10日(本来の脱穀日)に脱穀の残りをやって、すべて完了しました~🙌🙌🙌

大豆を家に持ち帰って、計量したところ…⚖

菌ちゃん大豆の収量は、30,182gでした❗
11畝なので、1畝当たり2.74㎏採れたことになります🎊🎊🎊

ちなみに菌ちゃん大豆とは別に、わが家用に去年と同じ方法で育てた大豆もあって、こちらの収量は4,430g。4畝なので1.1㎏/畝で、ほぼ去年並み
これが、菌ちゃん大豆の栽培計画(13㎏)の元となった収量でした。

我が家用の大豆。右が菌ちゃん大豆と同じ「フクユタカ」、左が「丹波黒豆」

2.74㎏/畝÷1.1㎏/畝=2.5ということで、菌ちゃん大豆は当初計画の2.5倍の収量だったことになります❗
いやあ、頑張った皆のパワーと、菌ちゃんたちのパワーの賜物。恐るべし😲

これだけの大豆があれば、栽培をしたメンバー自身の味噌だけでなく、Farm to Tableが開催する味噌仕込みワークショップなどのイベントにも使える❗ 味噌以外の加工品にも…と皆で皮算用しています。

菌ちゃん大豆栽培の「全記録」は以上です。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。皆さま良いお年を😊

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