奏欺 水鵺/鵺
奏欺 水鵺の一次創作小説【Revelation of the deities】の本編試し読みとなります。ジャンルはダークファンタジーです。
いつもと変わらぬ日常だった。 朝、鳥のさえずりで目を覚まし、窓の外に集まる彼らに餌を与えると、隣の部屋へ兄であるレートを起しに行く。 寝ぼけたままの彼を連れ階段を降りれば、キッチンではセレストが朝食の配膳を終えたところで、先に席に着いていたキュノリアとトダを交えて食卓を囲んだ。 後片付けの手伝いを終え、身支度を済ませると、親友であるスェズが迎えに来て共に村の奥にあるリベルの森へ遊びに出掛け、昼過ぎにはレートがセレストの作った弁当を持って合流する。 日が落ちる前に帰
東の空が赤く染まる中、薄靄の立ち込める草原をひとりの少女が駆け抜ける。 腰まで伸びた深紅の髪を振り乱し、同色の大きな瞳に恐怖を滲ませながら、少女――イユ・フロシオ――は、唸り声をあげながら追ってくるウサギに似た魔獣の群れに大声で叫んだ。 「お話くらい聞いてよぉおおおおおっ!!」 そんなことを言ったところで、魔獣に人間の言葉など通じはしない。 けたたましいその声を威嚇ととったのか、数匹が怯み速度を落とすが、それ以上に殺気立ち追い立ててくる数の方が多く、イユはエルフ特有の
このnoteは、奏欺 水鵺(かなぎ みなや)/ 鵺(ぬえ)の日記兼作品紹介として使っています。 イラスト、小説は”奏欺 水鵺”名義で、レジンアクセサリー写真は”鵺”名義となっておりますが、両方とも同一人物です。 また、私自身が作った作品の著作権等は放棄いたしておりませんので、無断転載やなりすまし行為、第三者による自作発言などは絶対におやめください。