わたなべまさと

28歳。ぼちぼち頑張る実家住み。映画、音楽、雑感などなど気の向くままに書いていこうと思…

わたなべまさと

28歳。ぼちぼち頑張る実家住み。映画、音楽、雑感などなど気の向くままに書いていこうと思います。駄文ですが、是非お付き合いください。

最近の記事

「ノースマン 導かれし復讐者」感想

遅ればせながら「ノースマン 導かれし復讐者」を観た。いきなり話は逸れるが、最近僕の文章の書き出しは「遅ればせながら」とか「周回遅れだが」とかが、やたら多い気がする。きっとこれは怠惰だ。別に僕は映画も何も好きじゃないのかもしれない。 なんて話をし出すと3日ぐらい延々と話してしまいそうなので、「ノースマン」に話を戻すと、大変に面白い映画だった。ロバート・エガースの映画は毎回尖った作りで面白いのだが、今回はエガース作品の中でも、群を抜いて大予算!そしてエンターテイメント!である。

    • イニシェリン島の精霊〜喧嘩はつらいよ〜

      マーティン・マクドナーの新作「イニシェリン島の精霊」を観てきた。マーティン・マクドナーと言えば劇作家としても成功を収めた才人であるが、彼がアイルランドのアラン諸島を舞台にした「アラン諸島三部作」でその地位を確立したことを考えると、本作はまさしく彼の十八番とも言える作品ではないだろうか。 今作は既に批評的な成功を収めているし、個人的にも傑作としか言いようがないのだが、なんにせよ大変きちぃ映画だった。やはりマクドナーは性格が悪い。人間関係の破局と多様な階層にまつわるレイヤーを重

      • ザ・ディープハウス〜感想〜

        「ザ・ディープハウス」を観た。 個人的に2022年は「ちょうどいいホラー」が豊作の年だったと思っているのだが、その中でも本作は「ちょうどいい of the year」獲得。監督を務めたアレクサンドロ・バスティロ&ジュリアン・モーリーのコンビにはお歳暮的に伊藤ハムのギフトセットでも送ってあげたい気分である。 まず本作は85分という尺が素晴らしい。ちょうど良すぎる。映画を観ては「長ぇ、長ぇ」とぼやいている僕にとってはまさしくベストな尺といえる。いきなり脱線するが最近は「ワカン

        • こちらあみ子

          「こちらあみ子」を観た。 原作未読、前情報なし。白紙状態の脳みそで観たのだが、これが傑作であった。怖い。端的に言って非常に怖い映画である。 広島の港町に暮らす小学生のあみ子はかなり変わった子だ。作中では直接的に言及されないが、おそらく発達障害および何らかの障害と判断されるタイプの子である。彼女の空気の読めない言動の数々は周囲を閉口させ、不快にし、疲弊させていく。本作はそんなあみ子の日常を周囲の視点を排しつつ、完全にあみ子の視点に寄り添っているとも言い切れない、絶妙な距離感

        「ノースマン 導かれし復讐者」感想

          リコリス・ピザ〜一緒に走れば仲良し映画〜

          遂にきた。ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)の新作である。 僕はPTAの映画って大好きで。正直、どの作品も甲乙つけ難いほど気に入っているものばかりなのだが、そんな彼に対してひとつだけ不満がある。それは「撮るペースが遅い!」ということだ。PTAに限らず、90年代デビューの監督って寡作なイメージがある。タランティーノとか。俺がこんなに好きなのに!4年に一度しか作品を出さないとは!もっとリドリー・スコットとかを見習ってガンガン映画を撮ってほしいものだと常々思っているわけ

          リコリス・ピザ〜一緒に走れば仲良し映画〜

          「アネット」〜ネタバレ感想〜

          レオス・カラックスの「アネット」を観てきた。 僕自身、レオス・カラックスってあまりストレートに面白いと思ったことがないのが正直なところで。特に、最初の3作(「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚れた血」「ポンヌフの恋人」)は悪い映画だとは思わないけども、「うーん....なんか住んでる世界が違うなこの人は....いいや、サンゲリアでも観よう」なんて感じであまりマトモに取り合ったことがなかった。まぁ、そういうことって良くある。「ホーリー・モーターズ」も最初は大学生の頃(多分20歳くらい

          「アネット」〜ネタバレ感想〜

          「ドクター・ストレンジ MoM」a.k.a「死霊のはらわたⅣ」〜ネタバレ感想〜

          「死霊のはらわたⅣ」を....じゃなかった、「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」を観てきたよ。 「マルチバース・オブ・マッドネス」(以下MOM)というタイトルを聞いた時に真っ先にラヴクラフトの「狂気の山脈にて」(原題「At the mountains of madness」)を連想した。そして、監督がサム・ライミである。ライミとラヴクラフトといえば勿論「死霊のはらわた」だ。「はらわた2」から登場する「死者の書」ことネクロノミコンは、一連のラヴクラフト作品

          「ドクター・ストレンジ MoM」a.k.a「死霊のはらわたⅣ」〜ネタバレ感想〜

          悪魔のサンタクロース〜ネタバレ感想〜

          凪だ。これは凪だ。 もうなんのやる気も起きない時間が、かれこれ1ヶ月ぐらい続いている。ここで勘違いして欲しくないのは、「仕事はそこそこにやっている」ということなのだが、仕事以外のこととなるとてんでやる気が起こらない。何より外に出ようという気分にならなくてだな、頑張って出たところで飲み屋で泥酔して二日酔いになるというふうにロクでもないこと夥しい今日この頃。完全なる凪である。まぁ、これまで20数年、凪ってない時の方が短いと断言できる程度には無気力な生活を送ってきてはいるが、これ

          悪魔のサンタクロース〜ネタバレ感想〜

          「コーダ あいのうた」〜ちょいネタバレ感想〜

          「コーダ あいのうた」を観てきた。 どうやら「エール!」というフランス映画のリメイクらしいのだが、残念ながらそちらは未見。本作も「泣ける!涙腺崩壊!」みたいな触れ込みが多い作品だったので、まぁわざわざ観なくてもいいか...とスルーしていたのだが、物は試しに観に行ってみた。 僕は「泣ける!と評判」の映画って食指が伸びなかったりする。経験則だが、そういう映画って終盤にかけて泣けるポイントを過剰な演出や大仰な演技で畳み掛ける傾向にあると思う。「感動系の映画」の映画に限ったことで

          「コーダ あいのうた」〜ちょいネタバレ感想〜

          ちょっと思い出しただけ〜Noネタバレ感想〜

          これから感想を書こうという話の腰を自分自身でへし折っていくが、僕は松居大悟監督という人の映画を一本も観たことがなかった。というか、名前すら知らなかった。こんなことを言うと「こいつは本当に映画好きなのか?」と思われてしまうこと必至だが、人には人の好みというものがある。そう言う君はルシオ・フルチの映画を観ているのかい?なんて幼稚な反論をしたくなってしまうが、そういうのはもういい加減卒業しよう。今回の「ちょっと思い出しただけ」も丁度「映画の日」で安く観れるようだったので、時間潰し的

          ちょっと思い出しただけ〜Noネタバレ感想〜

          「ナイトメア・アリー」感想

          めくるめく映画である。 ギレルモ・デル・トロの新作、「ナイトメア・アリー」を観てきた。ウィリアム・リンゼイ・グレシャムの原作や、1度目の実写映画化作品である「悪魔が往く街」は未読・未見なのだが、個人的には2度目の映画化である今作を大変気に入ったので感想を書いていきたい。 物語は主人公スタンが家ごと遺体を燃やすシーンから始まる。なにやら相当にワケアリな雰囲気を漂わせているこの男は、猥雑で奇怪な見せ物が売りの移動式遊園地に流れ着く。1900年代前半の移動式遊園地というのは、実

          「ナイトメア・アリー」感想

          「ザ・バットマン」〜ちょいネタバレ感想〜

          「ザ・バットマン」を観てきた。そういうことだろ?? なんかいい感じの始め方が思いつかなかったので雑にスタートしたが、そういうことなのだ。「3時間はなげぇなぁ」などと言いながらも、劇場で観る機会を失ったが最後、二度と観ることはないという確信があったので観に行った。家で3時間の映画なんて観ないに決まってる。 長尺である上に、「バットマンの単独作品とかもういいよ...」という気持ちが個人的にはあって(世の中的にも相当あったと思うが)、全く期待していなかったというのが鑑賞前の正直

          「ザ・バットマン」〜ちょいネタバレ感想〜

          【スーパーネタバレ感想】「スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム」

          みなさんこんにちは。こんばんは。 2022年も既に7日が経過しているわけだが、未だに正月気分が抜け切らずボンヤリしている。なんのやる気も出ないので天井を眺めたり、昼寝したりしているうちに(それはいつもか…)、「こんなことでは駄目だ!」と思い立ちランニングをしに出かけたが、ちょっとした段差に足を取られ盛大に足首を挫いてしまった。やはり、慣れないことはするもんじゃない。まったく.......なんてそんな話をするために今日は書いているわけではないのだ! 「スパイダーマン:ノーウェ

          【スーパーネタバレ感想】「スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム」

          【大ネタバレ】「マトリックス レザレクションズ」感想

          ご無沙汰しております。 と書くのも白々しいほど暫くの間、放置しておりました。前回の投稿から何をしていたかと言うと、金欠で半べそをかいたり、炬燵でぬくぬくしたりしておりました。今回、投稿したのは他でもありません、遂にやって来た。やって来てしまったと言うべきだろうか。「マトリックス レザレクションズ」が公開されたからであります。 「マトリックス」シリーズといえば、世の多くの人がそうであるように私にとっても思い出深い作品であります。思えば、鼻水ばかり垂らしていた小学校低学年の頃。

          【大ネタバレ】「マトリックス レザレクションズ」感想

          ニュー・ミュータント〜不遇、ここに極まれり〜

          みんな〜!ニュー・ミュータント、見てる?! ってなことで、どうも僕です。 この2月から20世紀FOXが製作するX-MENシリーズ、最終作「ニュー・ミュータント」が配信されました。 本国アメリカでは、昨年の夏にひっそりと劇場公開&配信スタート。コロナ禍の影響は多分にあるのでしょうが、そこから現在に至るまで各所での評判の良し悪し、、、どころか評判そのものすらあまり聞かないという何だか侘しい状況が続いています。果たして「ニュー・ミュータント」なんて映画は存在しているのか?という

          ニュー・ミュータント〜不遇、ここに極まれり〜

          みんな死んだ〜オフビートって....難しいよな〜

          どうも僕です。 えー、今日の映画です。 つい2日前から配信が始まりましたNetflixオリジナル作品、「みんな死んだ」でございます。 ここ最近、Netflixはコブラ会シーズン3を繰り返し観る(すでに4周)ためにしか使っていなかったものですから、「Netflixの料金値上げ」なんてニュースが飛び込んで来て「うぐぅ...もう少し有効に使うか...」と決意。「クイーンズギャンビット」とか「スノーピアサーseason2」とか、まだまだ観てない良作があると言うのに、「みんな死んだ

          みんな死んだ〜オフビートって....難しいよな〜