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ボクちゃん 中村繁一

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新任教師の一年間の出来事、様子をおもしろ、おかしく、オーバ             ーに綴っていきます。  (かなり過去の出来事を綴っています) 今の時代にはマッチしないと思いま…
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#児童

ボクちゃん 12  練習

ボクちゃん 12  練習

ボクちゃん 12

毎日の練習計画を立てながら、、、放課後ひとりで、、、運動場の片隅で、、、コートをならし、、、ポールを立て、、、水を打ち、、、ネットを張り、、、練習が終われば、、またポールを外し、、、ネットを整理して、、、と、こんな繰り返しの日々が始まった。

毎日毎日、こんな作業と、練習の繰り返しである。

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ボクちゃん 34   三学期後半

ボクちゃん 34   三学期後半

ボクちゃん 34

また、ある昼休みの掃除の時期である。

廊下を歩いていると、またまた大きな声が聞こえてきた。

「みなさん、お掃除ですよ、お掃除よ、サッサとお掃除しなさい」と、

井上先生の黄色い声である。

何があったのかと思って、窓の隙間から覗いてみた。

すると、井上先生が、頭にナプキンをつけて、自ら率先して、教室の清掃指導をしていた。

児童達は、このあまりにも奇妙な声に、どうしたらよ

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ボクちゃん 33   三学期

ボクちゃん 33  三学期

ボクちゃん 33

続いて三学期の始まりである。

子ども達は、一段と成長している。

あからさまな頼もしい姿が見受けられた。

冬休みの経験が肥やしになったのか、六年生などは、最早大人以上の風格さえ感じられる。

体格も立派になり、大人顔負けの容姿である。

そして、六年生にとっては、小学校生活、最後の学習発表会を向かえる。

寒い寒いこの時期に、子ども達は、最後の思い出となる行事に、熱心になっ

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ボクちゃん 29   運動会

ボクちゃん 29   運動会

ボクちゃん 29

二学期が始まった。

子ども達の一層日に焼けた顔と素肌が目に焼き付いた。

さっそく運動会の練習である。

職員会議で、各担当を決めて、、、この競技はこうして、このダンスはこうして、と決めの細かい綿密な計画が為された。

この時はこの曲で、この時は一歩出して、とか、足踏みとか、、、

面倒くさがりやの僕としては、いちいちそんなところまで指導する必要があるのか、、、

そこまです

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ボクちゃん 26   相撲

ボクちゃん 26   相撲

ボクちゃん 26

今度は相撲の練習である。

僕としては、この町は、異常すぎるほどのスポーツの熱心な土地柄だ、と想えた。

一年間を通して、様々なスポーツが計画されている。

一学期には水泳、相撲、二学期は陸上競技、三学期には持久走大会、、、また年に三、四回程度のバレーボール大会、少年野球大会などのスポーツ活動が計画されている。

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ボクちゃん 20   ある日のこと

ボクちゃん 20   ある日のこと

ボクちゃん 20

そんなある日、ひとつの事件性が起こった。

昼休みに六年生の児童が暴力行為を起こした。

所謂喧嘩である。

僕が廊下を巡視していた時だった。

いくら小学生だといっても、六年生にもなると、子どもの喧嘩とはいえない。

とにかく止めなければストップしないのである。

少し激しいものがある。

そばにいたひとりの児童も、慌てふためいて、止めていた。

放置していたら、怪我でもしそ

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ボクちゃん 8 余談 児童

ボクちゃん 8 余談 児童

ボクちゃん 8

ここで断っておくが、僕は。夏目漱石の「坊っちゃん」を真似て書いているわけではない。参考にはしたが、自分なりに書いている。

それに僕は、「坊っちゃん」は、過去に二回ほどしか読んでいない。映画も二回ほどしか見ていない。

そのあらすじも内容も、ほとんど覚えていない。

記憶にあるのは、マドンナ先生の存在と、赤シャツと山嵐の名前ぐらいである。

それに「小説の書き方」という本を買った

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ボクちゃん 6  教職員

ボクちゃん 6 教職員

ボクちゃん 6

教頭の谷先生もいる。

この教頭は、頭が禿げていて、背丈が低い。

どことなくピヨピヨしていて、その姿を見ると、アヒルのようにも見えてくる。
僕は、この教頭を最初からあまり好きにはなれなかった。

校長には、全くもって頭をさげている。そして一般教師には「良い教師」と呼ばれたいのか、何故か、回りの教師の顔色を見るところがある。

だいたい学校というのは、教頭が実務に励む、というか、

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