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88.純烈と母と大人の欠片

突然ですが、先日、母と純烈のコンサートに行ってきた。
地元のホールで公演されることを知り、母も私も今回初めて本物の純烈に会いに行くことになった。

母は元々、XJAPANはじめYOSHIKIさんが何十年も大好きで、一方、私はスピッツを18年間追っている。好きなジャンルがかなり違うので、双方の好きなアーティストのライブやテレビ出演を並んで観るということはなく、それぞれの応援を楽しんでいた。

それがある時、何かをきっかけに母が純烈のコンサート映像を観たり曲を聴くようになり、今回近くに純烈が来るから一人でコンサートに行く!と言い始め、私も行ってみたい!というと、母はかなり意外といった表情をした後、「えぇ!じゃあチケット取るからね!」と、嬉しそうに返事をくれた。

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FC会員ではないので一般でチケットを取ってもらったところ、ホール二階席の最前列中央という、偶然にもかなりステージを眺めやすい席に恵まれた。

チケットが送られてくる頃(当日まで二ヶ月弱はあったかな)、母はこの服を着ていこう、直前に白髪染めしよう、ペンライトも欲しい、といった具合で、かなり気合が入っていた。私もテレビ番組では拝見したことがあったけど、失礼ながら純烈というグループについて詳細を知らない状態だったので、まずは曲を聴いてみたり、メンバーのプロフィールを調べてみたり、当日楽しむために少しずつ事前準備を始めていった。

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そして迎えた公演当日。
ホール入場時、ロビーには既にファンの方々の熱気というか、パワーが満ち溢れていて、あぁ、この感じかなり久々、と思った。コロナ禍以前はよく一人でライブハウスに行っていて、いつも公演が始まる前のそわそわした雰囲気がたまらなく好きだった。そして母はグッズ売り場へ行き、その空気感に流されながら、ペンライトや推しメンバー(どうやら後上さんらしい)のキーホルダーを購入していた。

前途のように、指定席は素晴らしい場所にあった。
ちょうどステージ中央を線で結んだようにど真ん中、二階席最前列なので視界を遮るものはなく、我々ファン初心者になんて贅沢な席なんだ……、と恐縮してしまった。いよいよ公演が始まるまでのざわざわした会場の感じ、母は隣でペンライトの操作方法をいそいそと確認している。その内に会場が暗くなり、大きな音が流れ始めると同時に緞帳が上がった。

メンバーカラーの鮮やかなスーツを身に纏った純烈が登場し、おぉぉ、と思っている内にコンサートは始まる。平均身長183cm、皆さん背が高い……!生歌すごい……!あっという間に歌謡ショーの艶やかな雰囲気がホールを包み込んでいった。メンバー後方に構える生バンドチームの演奏もかっこよく、曲にも演奏にも聴き入る。開演間もなく、感染対策として制限されていたにも関わらず歓声がちらほら聴こえてきた。いやぁ、この空気感は声出したくなっちゃうよね、めちゃくちゃわかる、と心の中で頷いた。

ステージ上で歌い踊る純烈は、キラキラしていた。

パフォーマンスもとてもかっこいいのだけど、MCも想像以上に面白かった。ポッキーのチョコレート部分を歯でこそいで食べる話にあるある、と共感したり。

途中、リーダーの酒井さんが話されていた「建前とかを除いた、人間の汚い部分が好きやねん」というニュアンスの話がものすごく胸に刺さった。一瞬、びりびりって感じがした。実際、自分の汚い部分を自覚して嫌になってしまうことってよくあるし。そういうとこに目を背けるではなく、自他共に認めてむしろ好きと思える余裕、大人の魅力に溢れてる。かっこいい。

私は今年30歳になって、無意識に憧れの大人像の欠片を拾い集め続けているようで、今回も素敵な大人たちに出会えたなぁ、と思った。
私も、かっこいい、優しい、遊び心のある大人になりたい。

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純烈のコンサート、本当に行けて良かった。
自分にとっても新しい発見があったし、母も気分転換になったとすごく楽しそうにしていた。未だにお世話を掛けてばかりだけど、ほんのひと時、純烈を通して親孝行ができたような気がして、私も嬉しくなった。

そういえば昔々、私がまだ幼稚園卒園前後だった頃、母はSMAPのコンサートに私を連れて行ってくれたことがある。私がエンターテインメントが好きなのは、母に似ているのかもしれない。

純烈のコンサート、また、母と一緒に参加したい。
素敵な時間をありがとうございました。

おわり

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**OSUSUME**

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