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アニメ「咲-Saki-」第21話を3つの視点から分析する👀

※引き続き、アニメ「咲-Saki-」を分析します。本記事で取り上げるのは第21話。第20話以前を分析した記事については、最下の「関連記事」欄をご参照ください!


分析対象


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あらすじ


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【ポイント①】「誰が決勝に進むのか?」と妄想する楽しさ


第19話で団体戦が終わり、前話(第20話)の息抜きを挟んで、いよいよ本話から個人戦が始まった。

全国に進めるのはわずか3人とのこと!はて、誰が進出するのだろうか?


・妄想①:主役の咲と和は当確として、あとは美穂子だろうか?

妄想:透華は、まぁダメだろう(すっかり噛ませ犬になっているし)。

妄想:龍門渕なら、むしろ純の方が可能性はありそうだ。しかし、わずか3人という狭き門を通過できるとは思えぬ。

妄想:では、謎の新キャラはどうか?うーん、既存キャラを苦しめるものの結局は力及ばず、決勝進出には至らないといったところだろう。


……なんて具合に誰が進出するのかあれこれ考えるのが楽しい。これ、魅力的なキャラが多数いるからこその楽しみである。


【ポイント②】美穂子と久の関係


<1>

本話は、【美穂子の片想いが大きく前進するエピソード】である。


そもそも……美穂子の<片想い>が明らかになったのは第10話。また、第12話でも彼女の想いが詳しく描かれている。

まずは、2人の過去をざっくりまとめてみよう


▶ Step①

中学時代、美穂子はオッドアイにコンプレックスを抱いていた。だから、いつも右目を閉じていた。


▶ Step②

インターミドルに出場した美穂子は、久と激突。久の強烈な強さに仰天、思わず右目を開いた。その時、久が言った「あなたの右目、きれいね」


▶ Step③

かくして、美穂子は久に特別な感情を抱く

何しろ【素敵な実力者が、自分のコンプレックスを肯定してくれた】という状況だ。久をイケメン男子に置き換えてみると……そう、じつに少女マンガ的なシチュエーションである。美穂子が恋に落ちるのも納得だ。

美穂子は「もう1度久に会いたい」「話をしたい」と思った。


▶ Step④

しかしその後、久は姿を消した

インターミドルをなぜか途中棄権し、しかも風越女子には入学してこなかった(久や美穂子の住む県では、麻雀に強い女子中学生は風越女子に進学するのが常だ)。

ゆえに、美穂子は思った。「久は県外に引っ越してしまったのだろう」と。


▶ Step⑤

ところが……嗚呼、久は県内の麻雀無名校・清澄にいた!

なお、久が風越女子に進学しなかった理由は、第5話で語られている。どうやら中学3年生の頃に彼女の両親が離婚し、経済的に困窮、私立高校に進めなかったらしい。

かくして久は県立の清澄に進学した。彼女は廃部寸前の麻雀部にもめげることなく、「必ず優秀な後輩が入ってくる!そしてインターハイに出場するんだ!」と信じ続けた。

で、今年。咲や和、優希が集まり、久は夢を叶えたのだった。


▶ Step⑥

団体戦の県予選(第10話)で、美穂子は久と3年ぶりの再会を果たした。

美穂子は感極まる。胸が一杯だ。まさか再会できるとは!

……が結局のところ、美穂子は久に何も伝えなかった。理由はおそらく2つ。①久が美穂子を覚えていなかったから。②いまは風越女子のキャプテン。3年前の個人的感情に引きずられている場合ではないから。


とまぁ、1度は久への想いを断ち切ったように見えた美穂子だが……本話で改めて再開、そして3年ぶりに卓を囲むに至る


<2>

続いて、本話の出来事を整理しよう。


▶ Step①

美穂子は、久と卓を囲む。改めて久への想いが膨らむ。胸がいっぱいになり、何も言えない。


▶ Step②

試合中、久の打ち筋を見て美穂子は思う「あの時の上埜さんのままだわ」。


▶ Step③

さらに試合中、美穂子は考える「現状の2位で問題なかろう。敢えて久を打ち倒して1位にならなくても、余裕で本戦に出場できるのだから」。

これ、<久という最愛の人を相手に、美穂子は詰めが甘くなっている>のだと思われる。というのも……団体戦(第9話)での戦いっぷりを見れば一目瞭然、美穂子はこんな生っちょろい麻雀を打つキャラではない。


▶ Step④

だがその直後、美穂子は自分が風越女子のキャプテンであり、後輩部員の期待を一身に背負っていることを思い出す

かくして「私は勝ちます!」と決意。

右目を開き、能力を発動した。


▶ Step⑤

久と激しい攻防を繰り広げつつ、美穂子は思う「上埜さん。私はずっとあなたと話したかった」「でも、私たちはあれから違う道を歩いてきた。だから……私は!」。美穂子は、見事に久を打ち倒した。

これ、団体戦の時と同様に、<私は風越女子のキャプテン。3年前の個人的感情に引きずられている場合ではない>と美穂子が久への想いを断ち切ろうとしているシーンと考えていいだろう。


▶ Step⑥

試合後、久が美穂子に声をかけた「3年前、私はあなたと戦ったわよね?」。美穂子は感激する。嗚呼、覚えていてくれたのか!

さらに久は言った「私たちは明日も一緒に打つのよ」。美穂子は赤面する。


本話はここで終わるが……どうだろう?。美穂子の恋が3年越しに走り出しそうな気配ではあるまいか!


<3>

美穂子は、すっかり恋する乙女である。

……いや、【美穂子の前からふいに姿を消す】【美穂子が想いを断ち切ろうとする度に、思わせぶりな態度を取る】といった久の天然ジゴロっぷりを思えば、<美穂子 = 悪い男に捕まった清純ヒロイン>というべきかもしれない。

そういえば、美穂子と久の関係は【同窓会で久方ぶりに再会した男女 → ヒロインは既婚者だ。しかし、かつて憧れていた男性に言い寄られて……】という昼ドラそっくりではあるまいか。


【ポイント③】能力の発動条件


本話の優希は、大量のタコスを持って対局室に入る。団体戦での失敗(第9話)を反省してのことだ。


それにしても……【タコスを食べる → 運気上昇】というのは、なかなかどうして厄介なものである。手間のかかる発動条件だ。

それに比べて、和は【お気に入りのぬいぐるみを抱く → 覚醒】!さらに咲に至っては【裸足になる → 覚醒】!

優希に同情する。



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